バカリズムのシナリオの作り方

バカリズム脚本の『ブラッシュアップライフ』は、人気を獲得したのも当然という内容でした。死んだヒロインが、来世においてつまらない動物に生まれ変わるか、現世でやり直すかを選択します。最終的に友だちの運命を変えていくのですが、コメディエンヌである安藤サクラの驚いたときの顔が巧みに使われていて、それも見どころでした。

周囲に「*周目」と口にする人物がいて、100年200年と自分の現世での人生をやり直しているのは、徳を積むためでです。この発想の原型は、バカリズム自身の「松沼省三の生涯」でしょう。89歳で亡くなろうとしている松沼が、来世への妄想実現のために、現世ではひたすら徳を積むというものです。それが待ち構える展開は『フラッシュアップライフ』に通じます。

正月のサスペンスドラマ『侵入者たちの晩餐』も、章による組み立てが効いています。章を変えて、一人称に視点を移すとバカリズム自身のネタのやり方と重なり、うまくできていました。重要なのは、会場でネタを披露するときのように、ツッコミを入れる箇所をうまく作り、そこに観客=視聴者を乗せるというのが持ち味となっているところです。これが社会問題の提示とうまく結びつき、それなりの共感を得つつカタルシスへと達するのが、興味深い点でした。





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