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バイオリンを預かってます

縁あって静岡の工房に私のバイオリンを修理に出しているんですが、代わりにこれを持っていってくださいと渡されたのがこのマスターメードのバイオリン(2020年製)。
このバイオリンはすごい音量をもっていて、数多くのバイオリンを試奏してきた私も驚くほどの逸品。この前、ヴィオラ展でも数多くのバイオリンを試奏してきたのですが、この楽器に音量でかなう楽器はなかったですね。ホールで弾いていないので本当の実力はわからないけども。音量を求めている人なら即買いかも。
もちろん音色も素晴らしく透明感のある明るい音のする楽器。型を尋ねてみたところストラドのメディチとのこと。

たぶん音量は、駒の位置が標準よりも少しまえにあることと、魂柱にも秘密があるかも。あと裏板だね。

最近、日本人作家のバイオリンも値段が上がってきているからはやめに購入した方がよいかも。最近、中堅作家さんは130万から150万の方向にシフトしてますね。去年よりも20万くらい価格が上がってきてます。欧州から仕入れてくる古材の楓やスプルースの原材料費の値上げがきついかな。

この工房は中尾さんのアトリエ・アサヒですが、東京のプロのバイオリニストも調整に出しにくるらしいのですよね。なんで優れた天才的な職人さんは、地方でも郊外とか、山奥とかに行くのかな。楽器と向き合いたいという気持ちが共通点なのかな。そこが天才職人を見分けるポイントかな。職人さんも国際コンクールを目指す人もいれば、自分の納得できる作品をとことん突き詰めて作りたいという人もいて、名声で判断するのはほぼ間違いというのが最近よくわかってきた。

それにしてもめったにお目にかかれない素晴らしいバイオリンだったので、返却する前に記念に撮っておきます。買った方がいいかな?

スクロール 左
スクロール 右
すこしコマが上にある
弦はパッシオーネ、ロンド、ロンド、ゴールドブラカット

あと難をいえば、A線がすこし大きくバランスがすこし悪いかな。まあこれも調整の範囲でどうとでもなりますけどね。わたしなら弦を統一しますけどね。

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