バイオリンが修理から戻ってきた
修理中のバイオリンをとりに東京から静岡にいってきました。東京には弦楽器店や工房がたくさんあるのでわざわざ行く必要もないのですが、プロ演奏者にも信頼が厚い中尾正人さんの実力がどんなものか興味があって修理を頼んでおきました。今回は大規模修理で指板交換とリタッチで修理に10万円ほどかかりました。特に指板交換は、指板、駒、上ナットの交換になるので結構費用がかかるのです。バイオリン奏者は指板交換するようになって一人前ということが言われますが、15年から20年以上弾いて毎年少しずつ指板を削ってもらうと交換になるようですね。
まあそれは表向きの理由で、裏板のニスが剥がれてしまったので自分でも修理できないものかと、バイオリン用のアルコールニスを購入し塗ってみたのですが、こんな具合に酷い具合に。なじみの店にもっていくと恥ずかしいと思い、出会ったばかりの中尾さんに任せてみようと思った次第です。
結果はさすが評判の高いバイオリン職人、綺麗に直していただきました。
そして、こちらが取り外した指板と駒と上ナットです。
削れた指板は凸凹になってます。このときの厚みが5mmでこれより薄くなると指板交換となります。指板交換すると弦の位置の高さが変わるので駒と上ナットも交換になります。指板は最高級黒檀です。
中尾さんは、かなり話やすい人で、ニス塗りのことも教えていただきました。ニスを絵の具用の大きなパレットに、こげちゃから薄い黄色までグラデーションをかけるようにあらかじめ塗っておき、そこから合う色を筆で選択して塗っていくという方法でした。このやり方があったんだと目から鱗。ペイントソフトと同じ考え方ですよね。
それにしても静岡住みやすい環境ですね。歩いているお爺さん、お婆さんの顔が明るい人が多いのが印象的でした。
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