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企画職が生成AIを学んで良かったこと

先日、以下のnoteを投稿しました。関連して、仕事への応用や今後の展望などをまとめてみたいと思います。


前提:企画職とは?

「企画職」というざっくりとした括りにしているのは、今の私の仕事が経営企画・事業企画・サービス企画を緩く横断している内容だからです。
とは言えどんな仕事であっても上流にいけば確実に「企画」フェーズに突き当たるので、開発・技術・作業じゃない仕事全般に概ね当てはまるかなと思います。

便宜上、「何らかの構想を立ち上げ、その実現のための目標・計画を立案し、達成に向けて行動していく」仕事と定義しておきます。

前提:生成AIを学ぶとは?

私自身の直近一年間の学習は以下の通りです。実務の中で経験したことを含めて記載します。

  • E資格の取得(詳細は冒頭記事)

  • ChatGPTの業務活用

  • APIを利用したプログラムの作成・活用

  • 生成AI活用の企画全般(サービス、業務改善)

E資格の内容は生成AIには限定しませんが、広くAIに関する知識・技術の理解から、その活用の企画と、ツールの提供を含む推進、もちろん自身での実践も含めて取り組んできました。
我ながら、一年前にAIもコードもさっぱり分かってなかったことを思い返すと、すごい成長であると感じます。

良かったこと①:技術の話についていける・リードできる

これは上流としてある程度、必須なこととは思います。
たまたま、DX実践の書籍の紹介を先日投稿しましたが、この書籍でも経営者の技術理解の重要性が指摘されていました。

特に生成AIの企画職に与える影響を考慮すると、どの業界・業種の、どの企画の仕事かを問わずとも、特性を理解しておく重要性は高いと考えます。

具体的に記載するとこのあたりでしょう。

  • 日経新聞などニュースの記事で扱われている技術用語がわかる

  • 生成AIベンチャーのサービスの裏側が想像できる(=自社サービスの検討に有効活用できる)

  • 社内で活用の議論になった際にリードできる、技術者との橋渡しができる

3点目は、このあとに記載する自身でのプロトタイプ開発とセットにするとより効力を発揮します。

また、これは(他の内容以上に)私の偏見ですが、色々な人と会話する中で「ITがわかるからと言ってAIがわかるわけでもない」ということを感じています。
生成AIは背景に求められる技術やセンスがプログラマーとイコールなものが多いと捉えていますが、特性は別に学ぶ必要があります。
加えて、「現場でのAI活用」まで考えると、通常のITと同様にドメイン知識・現場の業務の理解が必須です。
ドメイン・現場を理解している人間がAIの技術をある程度知っている上でIT技術者と議論できるということは、企画を加速させる上で大事なことです。

良かったこと②:自分で試作品を作れる

生成AI活用に限らず、新サービスや業務改善の企画を進める上では、「具体的にどういうもの?」という話が必ずついてきます。
その場合、気軽に相談できる技術者がチームにいる場合を除き、プロトタイプを形にすることは高いハードルです。

エンジニアの方からすれば、そんなの自分で作ればいいじゃん、という感じだと思いますが、エンジニアリングスキルの乏しい企画職からするとそうはいきません。

そこでも生成AIの登場です。
通常のWEBサービスや改善ツールなどであれば、「生成AIにプロトタイプのコードを書いてもらう」ことができますし、もしくは、そもそも生成AI活用のテーマなのであれば「生成AIを組み込んだプログラムを作成する」ことまで生成AIの力を借りて簡単に到達できます。
※それ以外のテーマは考慮できていないです、悪しからず。

「エンジニアリングスキルが乏しい」という話と矛盾した書き方になってしまっていますが、言いたいのは「以前と比較してプロトタイプ作成のハードルが大幅に下がった」ということです。

もちろん、pythonやVBAの勉強が全く不要とは言いません。勉強している方が活用できるに決まっています。
しかし、これまでは文法を学んでも「プログラム自体は自分で作らないといけない」、「ネットのコードを参照してもカスタマイズができない」状況だった※のが、生成AIによって「とりあえず文法だけわかればデバッグできる」状態になるのです。
※私が以前にVBAを勉強して断念した理由

これにより、企画を進める上で重要な試作品の作成をより低コスト・高速に行えるようになります。
技術者に詳しく要件を伝える必要もなく、プレゼン資料だけでイメージ共有を頑張る必要もなく、「ちょっとAIと相談して作ってみますね」で解決できるというのは画期的なことと感じます。

なお、pythonなどのコードが分からずとも、ExcelやGoogleスプレッドシートのアドオンには、APIキーを設定画面から入力するだけでGPT関数を動かせるものがあるため、そのレベルでも良いと思います。具体性に欠ける記事になってしまっていると思うので、この点と、生成AIを活用したコーディングについてはいずれ記事にしたいと思います。

良かったこと③:自分の業務を効率化できる

とてもシンプルですが大事なことです。
また効率化する中で、活用ノウハウを身につけることができ、良いサイクルが回ります。

ありきたりですが、活用シーンは以下のようなものです。

  • 課題整理の壁打ち相手

  • 難解な記事や長文の要約

  • 長文の校正

  • 企画構想のアイディア、初案出し

  • python、VBAコーディングの補助

  • AI・プログラミング学習の先生

  • 会議レコーディングの文字起こし(whisper)

  • イメージ画像の生成(DALL E)

特に最近は②の最後で触れたEXCELのGPT関数の活用によって、大量の形式化された情報を整理したり、それらの情報をベースに新しいものを生み出したりできることに気づき、可能性の広さに驚いています(前述の通りいずれ記事にします)。

AIの勉強を始めた動機が「使いこなさないとやばい!」という危機感でしたので、何だかんだこれが一番大きなメリットかもしれません。

まとめ

企画の仕事は関係者とのコミュニケーションを除けば、生成AIでできることが大半だと思っています。
コミュニケーションもシステムプロンプトの工夫、RAGの応用などで「コミュニケーション相手をシミュレート」したAIとの会話を実現できれば、かなりの補助になるでしょう。

そういう意味では、AI自体の進化もまだまだ求められますが、大体のケースは発想力、プロンプト力の不足であることが多いんじゃないかと思っています。

途中、pythonやVBAのコーディングに触れましたが、同じように「AI活用」のエンジニアスキルの重要性が高まっていると感じます。
私自身、まだまだ勉強途中、業務での活用も発展途上ですので、引き続き取り組んでいきたいと思います。

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