R3事例Ⅲ 再現答案 67点

とりどしです。続いて、令和3年度の事例Ⅲの再現答案です。(再現率95%以上)

はじめに

直後の自己採点:14+15+12+15=56点

得点開示の結果:67点、と予想より高かったですが、高得点ではないので、まったく参考にしなくていいやつですね。
ただ、第4問で少数派とされる「アイテム数を増やす方向」で助言したにもかかわらずA評価を取れたのは、当日の勇気ある決断が報われた気がして嬉しいです。

以下は、「当日中に作った再現答案」「再現直後の所感」「各予備校の回答要約」です。R4試験に向けて自分用に作っていたメモなので、所感が独り言チックですがご容赦ください。

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第1問


a強み
①企画から製造・販売までの一貫体制②熟練職人の高い加工技術力③自社ブランドが好評。

b弱み
①企画開発力が弱い②熟練職人が高齢化③若手の技能承継が進まず④熟練職人に負荷集中。

(直後所感)強みは妥当だが、弱みが最後まで迷ったし、得点も半分程度だろう。事例全体を通して生産系の問題点が分かりづらく、与件文の解釈に苦戦したため、弱みに生産系要素を書けなかった。(予想点数14点/20点)

KEC:Wに低価格品の受注割合が大きい。
大原:Sに自社ブランド販売チャネル。
TAC:Wに低価格品の受注割合が大きい。
TBC:Wに製造工程非効率で熟練に依存。
MMC:Sに高級仕様の製品開発力。Wに在庫管理力不足。
EBA:Wに見込生産品の欠品や過剰在庫。

第2問

a課題:受注生産品の在庫適正化
b対応策:
①受注量や在庫量を反映した生産計画を作成し②生産ロットサイズを受注量に合わせ③生産計画を全社的に作成し短サイクル化する事で、在庫の適正化を図る。(72字)

a課題:資材欠品を回避する発注業務の適正化
b対応策:
①納品リードタイムを加味した生産計画を作成し②資材発注や在庫管理を製造工程から生産管理担当者に移管し集中管理する事で、資材の欠品を予防する。(70字)

(直後所感)最も難しかった問題。受託生産品に絞った回答をするべきなのだが、与件文からは「生産量が受注量を上回っている」くらいしか明確な指摘点はない上、この点も「繰り返し受注を見越して」という部分が設問の「効率化を進める」にヒットしているのかが極めて分かりづらく、回答に窮した。しかし他に書くことを見つけられなかったので、1点目として回答。2点目は、受託生産品に限ってのことなのか、が明確ではないながらも、「資材欠品」に的を絞って回答。結局これも生産計画に行きつくので、本来はまとめて1つの回答だったのかもしれないが、空欄で出すわけにもいかず、やむを得ず仕上げた。上手く配点して加点してくれると助かるのだが。(予想点数15点/30点)

KEC:①生産計画精緻化で在庫管理適正化。生産計画専任者設置、在庫管理を一元管理、最新情報共有、計画サイクル週次化。
   ②裁断工程以外の自動化標準化。縫製工程を機械化、仕上げ工程を標準化、若手へ作業移管。
大原:①生産計画変更防止。計画サイクルを週次化、資材調達と連動し欠品の計画変更防止。
   ②納品量以上の保有在庫削減。受注量に応じたロットサイズ見直しで保有在庫削減。
TAC:①縫製工程の作業割当最適化。受託生産品作業中断を回避し生産量適正化。
   ②検品工程の手直し削減。仕上げ工程も熟練度考慮し作業割当、バラツキなくしコスト削減。
TBC:①柔軟な生産計画で作り過ぎ削減。計画短サイクル化、受注量に応じたロットサイズ見直し、特急品対応強化、長納期資材は安全在庫で欠品防止。
   ②若手育成と不良品削減。熟練職人と若手ペア作業でOJT、幅広い作業育成で出来栄えバラツキ抑制。
MMC:①資材欠品防止する発注管理強化。カムアップシステム導入、納期管理の外注指導。
   ②生産計画精緻化。適正ロットサイズでの計画立案、計画立案短サイクル化。
EBA:①生産計画改善で余力確保。計画短サイクル化で作業負荷減、計画変更抑制で割当効率化。
   ②縫製工程の生産性向上。部分縫製や修理担当する多能工育成、標準化で 出来栄えバラツキ抑制し手直し作業削減。

第3問

製品企画面の課題は、オンライン販売情報以外の小売店や雑誌からのニーズ収集や社員教育による新商品の企画開発力の強化である。生産面の課題は①需要予測精度向上による欠品や過剰在庫の改善②若手育成による熟練職人の技能承継と負荷軽減である。(115字)

(直後所感)特定人物への業務集中を本当はどこかで書くべきなのだろうが、それが明確な問題とも書かれていないので言及が難しかった。とても浅い回答ではあるが、大筋で捉えていると信じたい。(予想点数12点/20点)

KEC:営業部門新設、顧客ニーズ収集。需要予測改善し欠品・過剰在庫解消、熟練工技術承継。
大原:サイト活用で顧客ニーズ収集。見込から受注生産へ移行、熟練職人を自社ブランド専任化。
TAC:小売店や修理情報を活用。納品や作業割当情報共有で精算計画変更を低減。過不足ない生産。
TBC:小売店や修理情報で顧客ニーズ収集。若手に部分縫製で熟練負担軽減、サンプル生産強化。
MMC:研修や勉強会。オンライン販売情報活用による受注予測の精緻化。
EBA:人材確保や小売店でのニーズ収集。需要予測精度向上で欠品や過剰在庫解消、若手職人育成。

第4問

自社ブランド製品のアイテム数を増やす方向で助言する。C社の中核能力である熟練職人の加工技術を若手職人に承継し維持する為に、①熟練職人の作業をマニュアル化し若手に個別指導・教育し②部分縫製から段階的に担当させる事で技能を向上・承継させる。技能承継を重視した生産体制構築で事業拡大を図る。(140字)

(直後所感)配点30点ながら、じっくり考える時間も作れず、要素列挙もしないまま、一発書きの冒険に出た問題。しかも2択から選び、ストーリーを書き切るタイプの、大外しリスクの高い問題にもかかわらず。ただ、内容的には、これだけ熟練職人に頼った事業をしながらも「高齢化で退職予定」や「若手職人の育成進まず」とあれば、「手作り高級感路線」ではなく「標準化で若手育成路線」だろうと勇気ある判断をして、個別指導の技能継承を軸に書き上げた。20点以上入っていると嬉しい。(予想点数15点/30点)

KEC:分業化。縫製と仕上げ工程の分業化で熟練負担減、動作研究で標準化、OJTで技術継承。
大原:高級感。二人一組でOJTで技能承継。永く愛着コンセプトを持続。
TAC:高級感。チーム組み若手配置で全体縫製のOJT、一人製品化の技術習得。熟練負荷軽減。
TBC:高級感。修理強化で永く愛着コンセプト体現、直営店収集ニーズで製品開発、需要予測精度向上、若手育成で販売量増加。
MMC:①高級感。縫製技術のマニュアル化標準化、OJTで若手職人育成。熟練の生産余力確保。
   ②分業化。マニュアル化標準化、OJTで若手職人育成。
EBA:高級感。高価格販売を維持。自社サイトと直販店の在庫一元化、旅行雑誌への情報提供。

(直後全体所感)
受験者が増えているからか、診断士2次試験は毎年難度が上がっているのではと感じる。事例Ⅲは明確な問題点が示されなくなっているし、設問要求も解釈が定められず難しい。揺さぶりが非常に多い。80分間何度も脱落危機を感じながら、ダメ元で食らいつき書き上げた感じだ。事前にメモを見ていたのに、QCDの観点とかド忘れして使えていないし。

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おわりに

いかがでしょう。
点数的に、収集すべき再現答案ではないので、参考程度に。

ちなみにR2はこんな文章を書いて60点で、どう捉えたら良いのだろうとなりました。 ⇒ 「R2事例Ⅲ 再現答案 60点

事例Ⅰはこちら「R3事例Ⅰ 再現答案 75点
事例Ⅱはこちら「R3事例Ⅱ 再現答案 73点

ご覧いただき、ありがとうございました。

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