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高杉真宙という男について

先日の日記にて初のオールナイト上映会について軽く触れたが、せっかく一人の俳優に焦点を当てて作品を一気見するという稀有な機会に恵まれたので、素人なりに感想と考察を考えたいと思い、筆をとった。

はじめに

鑑賞したのは新文芸坐にて開催された「俳優・高杉真宙~その演技、その温度~」である。
こちらは支配人?の方と、映画評論家であり当日のトークショーの聞き手でもあったくれい響さんが企画した上映会であったらしい。
タイトルは支配人が思う高杉真宙像を表したもので、曰く「どんな作品、役柄においても一定の温度感を保っている役者」とのこと。
この"温度"について意識しながら以下4作品を観ていった。

①想影(おもかげ)

自主制作映画に近いこちらの作品は、高杉真宙が19くらいの時に中学生役を演じたものとなっている。監督含めた制作スタッフがほぼ同年代で、若いメンバーで作られたという作品は確かに瑞々しさに溢れた青春映画であった。(そのため女子の恋愛感情がリアルでしんどい……笑)
内容としては、アーミーナイフを持ち歩き昼食時に果物をカットして食べる不思議な男子(高杉真宙)に片思いする片田舎の少女──が、大人になってその中学時代を回想する、というストーリー。
率直に言うとアイタタって感じではあるが、そりゃ高杉真宙が一人で果物食べてたら話しかけるし好きになっちゃうよね。
なんというか、普段は遊びにも全力で、男の輪の中にいるのに、時に一人の時間を持つ、マイペースな男子役が非常にハマり役で、高杉真宙の代表作としてピックアップされたのも納得。


②ぼんとリンちゃん

続いては時を遡り、高杉真宙が高1の時に出演した作品。この頃から演技の楽しさを見出だしたとのこと。
オタク腐女子大学生のぼんちゃんと、その幼なじみリンちゃん(高杉真宙)が、家出した女友達を探しに上京する話。
高1でどうやら浪人生役を演じているのだが、BLだけでなく風俗や性的な話もガンガンぶっ込むかなりアングラな作品に高1を出演させていいのか、が終始気になった作品笑
ただ「想影」よりも圧倒的にセリフ量が多く、中二病の演技爆発の高杉真宙はめっちゃ可愛い。キャスト全体的に感情のトーンは低めなんだけど、その中でも一番芯を持って冷静沈着な役を彼が演じていたのが印象的でした。

③ギャングース

こちらは5年前くらいに撮影を行った作品。「タタキ」という金庫漁りを生業とする少年院上がりの青年3人が、人生大逆転を夢見て半グレ集団のタタキを目論む実話ベースの話。
生い立ちのせいで悲惨な幼少期を過ごした青年が悪事で食いつなぐ話なので、どんなにコメディパートがあってもめちゃめちゃ重いしつらい話なのだが、ロン毛の高杉真宙が美しくて見続けられる。
正直3人の中では一番過去が明かされて人間性の話が出るのは加藤諒なんだけど、それでも失わない主人公としての佇まいがすごい。
半グレ集団のシーンのインパクトが強すぎて、主人公たちが霞むくらいなのだが、それでも主人公は高杉真宙なんだよねぇ。

④前田建設ファンタジー営業部

こちらも実際の企業の広報の話。ついに社会人・高杉真宙。
前田建設広報部のおぎやはぎ・小木が発案した、アニメの世界の建造物を受注してブログにしよう!という企画に振り回される、上地雄輔や岸井ゆきの、そして高杉真宙の話。
最初はやる気のない部下たちが、割り振られたパートについて深く調べるうちに段々アニメ(ここではマジンガーZ)、ひいては土木自体への情熱がヒートアップしてくる、という感じなのだが、高杉真宙の順番の所でちょうど一瞬気を失ってしまった😂💫(高杉真宙は六角精児からダムの奥深さを学ぶ)
今回のオールナイトで一番の商業作品なこともあり、キャスト陣がダントツで豪華。ただでさえ建築のマニアックな知識を解説しながらの作品であるため情報量がえげつなく、そのため途中で力尽きた感は否めない。
個人的には上地の演技が大好きなのだが、こちらも、どんなに個性的な俳優で回りを固められても一番冷静で客観的視点に立つ高杉真宙の役が主人公であることは、揺るぎないものであったといえる。

おわりに

ということでこの4作を観て言えることは、

やっぱ顔面つっよ

ということなのだが笑(大画面で見ても耐えられるってほんとすごい)、"温度"ということで一言結論づけるとすると、

ずっと体温35℃

みたいな感じなのかと考えた。
もちろん役柄もあるかとは思うが、不思議な中学生男子役でも、中二病浪人生役でも、不良青年役でも、若手会社員役でも、ずっと「低めの温度の高杉真宙」が存在しているような気がする。特に「ギャングース」はめちゃくちゃ不良なので言葉遣いも荒く情熱的な一面もある役ではあるが、それでも加藤諒とは違ってクールな演技を維持し続けている。「前田建設~」も最後までツッコミ役というか、唯一まともな価値観を持つ主人公として座している。

他に私が観たことがある作品といえば、
・仮面ライダー鎧武
・散歩する侵略者
・見えない目撃者
・私たちはどうかしている
辺りなのだが、これらについても何とも言えないローテンションな役どころだったんじゃないかと思っている。

基本的にはローテンションで、内に秘めたる情熱・野望・狂気を時たま発動させる、みたいな。

これが、主人公でありつつ脇役を引き立たせ、脇役でありつつ物語のキーマンになりうる俳優・高杉真宙なんじゃないかと、そう思うのである……!(それっぽいまとめ)

主人公のキャラは色々あると思うが、やはりどんな時でも一番ニュートラルな存在であるべきであり、脇役をまとめる係であると私は考える。
一方で脇役は主人公をサポートする傍ら、物語に華を添える存在でもある。
そのどちらにも転べる安定感を、高杉真宙は持っているのではないかと。(それっぽいまとめ2)

勿論、キムタクのような圧倒的主人公!みたいな人が引っ張っていく作品もあるし、それが上手く作品をまとめることもある。
それに高杉真宙のもっと違う一面を見られる作品もあるに違いない。(賭ケグルイとか賭ケグルイとか) 

なので一概には言えないわけだけれど、この低空飛行な安定感と味わいこそ、少なくとも私が高杉真宙を好きな理由なんだと思う。

てことでまとまりの無い文章になりましたが、以上で高杉真宙考察を終了します。
ありがとうございました。

最後に、めちゃめちゃ陰キャでポーズのレパートリーがほとんど無い真宙っちの写真を置いておきます。

(単純にめっちゃ陰キャで人と話すことが苦手な性格が演技にも出てるんじゃないかっていうのは内緒。それにしても一生客席に視線向けずに口ごもって頭ポリポリ足ポリポリしてた真宙っち可愛すぎたし、来年の目標「私生活ちゃんとする(野菜食べる)」っていうのも愛おしすぎて劇場中の女が(養う……)って思ったと思う。何も喋らなくていいからサシでご飯行ってほしい~!)

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