ロールズゲーム
君は君のことを覚えすぎている
一回忘れてみよう
君は君に慣れすぎている
すべて忘れてみよう
名前も年齢も性別も国籍も
収入も時代も家族も夢も
はぎとってしまって
闇の中に立ってみよう
誰でもない君が
最初に見つけるものは何だろう
誰でもない君が
最初に恐れるものは何だろう
誰でもないことが心地よくなったなら
誰かであったことをまだ覚えている
誰でもないことが怖くなったなら
誰かになれることをまだ覚えている
自分のことをすべて忘れたときに
君は君を見つめられるだろうか
闇の中に立った君は
闇そのものにならないだろうか
君は君のことを覚えすぎていて
忘れることなんてできないさ
ところで僕は誰だろう?
危険なゲームはやめておこうか
サポートいただければ、詩集を出して皆様にお届けしたいです。文字が小さくてむっちゃボリュームのある詩集を作りたいです。