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【小判一両】

落語であなたの人生をナビゲート!HPS〇ら落語コンシェルジュ®相山・美奈:子:です。

15日の渋谷らくごに快楽亭ブラック師匠が「小判一両」を口演。配信で鑑賞。これは宇野信夫作、歌舞伎では「人情噺小判一両」、落語では六代目三遊亭圓生師匠がなさいました。

地に足をつけて真っ当に暮らしているが、酸いも甘いも噛分けた ざる屋安七が小気味いい。

安七がやった一両がもとで、浪人・小森孫一が自害してしまう。なぜだかわからない安七に、同行した水戸藩の浅尾信三郎がその心を話す。

行きずりの者にまで情けをかけらる身の愚かさ かく成りはつるまで生を保ちたる己の姿を己で見た

たとえ橋の上の乞食 道端の物乞いであろうとも 己のことを哀れともさもしいとも思わぬものなのだ(中略)

情けをかけられる我が身を悟った 己の姿を己で見た そしてもはや生きる価値なしと悟ったのだ 世に捨てられた人の心 わしは無理だとは思わん

歌舞伎の「水天宮利生深川 筆屋幸兵衛」を思い出しました。これも、情けをかけられたことから気がふれて自殺しようとする話です。

自分が思っているより、世の中は自分を哀れに見ている。この差がショックなんですね。落語はハッピーエンドで終わって安心しますが、胸にぐっとくる噺でした。

しばらく胸が一杯で動けませんでした。

登場人物の心から入って、なりきる師匠の落語のスタイル。心が登場人物になれば、自然と形もその人になります。

伝法な町人、茶屋の女、子供、浪人、禄のある武士と立場が違えば振る舞いも言葉遣いも、思考も違います。

師匠の映画、歌舞伎観劇のキャリアも十分手伝って、芝居を見ているような心持になりました。

下ネタより、古典がいいなぁ(師匠、ごめんなさい)
そんな快楽亭ブラック師匠の落語が、明日両国で聴けちゃいます!


「Forever前田五郎~快楽亭ブラック毒演会」

昨年亡くなった元コメディNo.1の前田五郎師匠

親しかった快楽亭ブラック師匠が一周忌にあたり毒演会

想い出話や五郎師匠を落語にした「無頼女斬り五郎」を語ります

高座でブラック師匠と前田五郎師匠の思い出話もします!

どんなエピソードが飛び出すのかお楽しみに!

お席余裕ございます。ぜひお越しくださいませ!

2022年10月17日(月)
18時開場 18時30分開演 
お江戸両国亭
前売 2,500円/当日3,000円
当日受付で、お名前をおっしゃって現金でお支払いください。

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