マガジンのカバー画像

近くで見つける楽園。マイクロツーリズム的再発見

58
国外移動が依然ままならない中、身近な楽園を見直したい。近くにある、海外旅行なみの楽しい体験。日本遺産。
運営しているクリエイター

2023年1月の記事一覧

食の楽園・京都を代表する年越しそば=晦庵河道屋

 ついに2022年の年越しそばは、念願叶って、京都・晦庵河道屋でいただきました。江戸時代から続く、生蕎麦屋です。まずはこの佇まいが、素敵。 店の右側には厨房につながる露地があって、そこでお持ち帰り用のセットも売られており、地元民ぽい方々が次々と買っていかれてました。前庭で列に並んでほどなくすると、2階の座敷へと通していただきました。ちょうど外観写真の2階の窓のすぐそばでした。 京都らしい素敵な空間を眺めながら、2階の座敷に上がって注文をすると、ほどなくダシのきいた京都らし

城マニアの楽園・中家住宅と小泉陣屋跡

 慈光院には過去二度も訪れて、茨木城の旧城門ににはいつも感動しておきながら、城好きとして実現できずにいたことがひとつありました。片桐石州の居城=小泉陣屋を訪問すること、です。慈光院から西南の法隆寺方面を目指して小さな丘を超えると、陣屋の一部が、そのまま石州流の本拠地=高林庵という名前でどうやら片桐家がお住まいになられている様子でした。  藩主がそのままお城の跡にいらっしゃる例というのは、現代においてはかなり少なくなっていると思いますが、明治以前の空気感が普通に残っているのが

奈良・慈光院=奈良盆地を一望する境内は、茶人の楽園?!

うぶすなの里に荷物を置いて、真っ先に向かったのが、法隆寺と大和郡山のちょうど中間地点くらい、小泉というエリアにある臨済宗大徳寺派の慈光院。こちらの寺院、若草山をも遠くに臨み広く奈良盆地を一望できる、とても眺望の良い庭があって、奈良でも有数の気持ちの良い空間だと思います。写真の真ん中くらい、山のあたりに若草山が見えるのがおわかりいただけますでしょうか? ごくありふれた農村地帯の風景の中にある、ちょっとした林の丘陵地の坂を上がっていくと、上写真のような日常と隔てるような美しい

民芸の楽園・富本憲吉の生地=うぶすなの里で宿泊

ほぼ1年ぶりの投稿となりました。すみません。忙しすぎて…。年末年始は久しぶりにゆっくりしました。その年末ゆっくりのスタートが、ここ、奈良県安堵町にある、うぶすなの里での宿泊でした。JR法隆寺駅と近鉄平端駅のちょうど中間くらいにあるのが、この和食オーベルジュ的なこの宿なのですが、人間国宝第1号・民芸の陶芸家=富本憲吉の生家跡地につくられた旧富本憲吉記念館をリノベして、5年前にオープンしたものなのだそうです。  奈良の農村地帯らしい、古民家が身を寄せ合うようにたたずむ集落を抜け