2021年12月31日に。

楽園王、長堀です。2021年、楽園王30周年の年も無事終わろうとしています。あらためまして、お客様、出演者やスタッフを始め、多くの方に感謝したいと思います。ありがとうございます。今年は、まだ先週ですが、約2年ぶりのお客様の前での公演が出来てすごく有り難かったです。新作の『脱兎を追う』は、1年前には1回書き上がっていて、1年も掛けて推敲を重ね、結果、公演までに随分良い戯曲になったと思っています。自画自賛ですね。良いタイトルだったでしょ。偶然にも、d−倉庫の閉館と重なりました。劇場ってもののラストに係るの、意義がありましたね。また、一人芝居が連続する夏目漱石の『夢十夜』と、カミュの『ペスト』を配信だけで発信いたしました。いつでも無料で観られますので、是非今からでもどうぞ。夏目漱石の、カミュの、と言っていますが、長堀が勝手に書いた部分が半分あるので、けっこうオリジナルです。『夢十夜』は、その後長堀が書いたオリジナルストーリーだけで『夢九夜』として戯曲化してあるのですが、発表できていません。他にも、長編と短編がそれぞれ書き上がっていますが、やはり未発表です。どこかで上演できたら、と思っています。誰かやってくれないかなぁ、とか。
今年、年後半は、多くの演劇が活性化しました。僕も、普段から舞台監督をやっているOI-SCALEの公演も、ヘアピン倶楽部の公演もありました。また、出演者として係わったオフィス再生の『誤解』も上演されました。それらの係わりの中で、特に再生さんには感謝しかないのですが、劇場公演をする豊かさみたいなもの、言葉では言い表せられない、うまくこの場でお伝えが出来ない感覚を得ました。とても大事な感覚で、ああ、って感じです。これを経験すると、ああ、これこれ、ってなるやつです。ああ、以外には言葉が見つからないやつ。コロナ禍での演劇公演、付き合い方が分からない、という人の話も聞き、それが少ない人数ではなく、リスクは確かに存在するので、強く一緒に行こうぜ、とは言い難いのですが、工夫して、工夫して、どうにかこうにか「やった方がいい」というのが、正直な気持ちです。やってみると、ああ、そういうことか、って分かる感覚があって、それには忘れていた豊かさがあり、大げさに言うなら、世界を変える力があります。
30年続く劇団の主宰者として、そういう場所、そういう機会、そういう感覚の提供者でありたいと改めて考えています。大変でも、やります。来年も、その先も。
係わってくれる人へ、何か良いフィードバックがあるような、そんな公演を目指して活動していきます。もちろん、お芝居を観に劇場に足を運んでくれた方へ、いつでも普通に良い演劇を上演したいです。あらためまして、どうぞよろしくお願いいたします。頑張ります。
あの舞台の上で、頑張れ、頑張れ、逃げろ逃げろ、早く早く、と聞こえてきた応援は一体誰のものだったのでしょうか? 実際に耳に聞こえてくる、あれ。
その声に背中を押され、その声に応えます。
でも一人じゃ何も出来ない演劇ってジャンルですので、本当、皆さん、どうぞよろしくお願いいたします。本当、本当よ。助けて。一人の時はいつだって、一人がバカやってるだけ、なんです。周囲からも、笑われます。指さされます。二人目の登場が、一人がバカやってるだけをムーブメントに押し上げます。急に、意味が生まれ始める。二人目の登場が、本当のはじまり。そこがスタート。そして、3人目、4人目が現れて、初めて物事が動き始めるんです。あ、これ、ワークショップデザイナーとして青学で学んだ時の知識です。学校で教わるような知識として生きている話。本当、何度も言いますが、どうか、どうぞ、よろしくお願いいたします。
楽園王は来年、31年目を迎えます。最初の公演は、2月2日から、『銀河鉄道の夜』です。今年の『夢十夜』『ペスト』同様、ここでしか観られない、長堀が勝手に書いたオリジナルなストーリーです。

楽園王、長堀博士、記、2021年12月年末、春の予感。


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