相手の職業は聞かないようにしてますが

通訳ガイドのぶんちょうです。
私は主に個人ツアーのガイドをしています。

なので日本に休暇で遊びにいらっしゃるゲストの方々のこと。
普段は何をしていらっしゃるのかなと知りたいところです。

でも私はあえて職業を聞かないようにしています。ツアーをデザインする会社から、予備知識として伝えられている場合もありますが、ツアー中に、相手のお仕事の内容について、こちらからあまり話題にはしません。

なかには、会って間もなく、こんな仕事をしているよと教えてくれる人もいます。女性に多い気がします。そんな時は、もちろん大いに耳を傾けます。

２，３日一緒に過ごして、自分語りのようにぽつりぽつりと仕事の話を始める人もいます。私としては、この感じが好きかな。あ、心を開いてくれたなと思う瞬間だからです。

なぜ職業を聞かないのか、それは、休暇中は仕事を忘れてもらいたいから。そうは言っても、なかなか状況が許してくれない場合もありますよね。わかります。私も家族とのプライベート旅行中に、仕事の電話が頻繁にかかってくることがありますから。

なかにはツアー中も忙しそうに、電話やメールでちょこちょこ仕事されてる方もいらっしゃいます。昼間は観光を楽しみ、ディナーが済んだ夜に仕事される方もいらっしゃいます。

とはいえ、ほとんどの方はせっかくの海外旅行なので、仕事は、いったん置いてご家族との時間を楽しんでいらっしゃるようにみえます。

そう言えば、日本で講演があるので、ご家族も帯同されるというケースもありましたっけ。お父様を講演会場にお送りし、残りのご家族は観光。お父様の講演を終えた時間にお迎えをしてホテルでお着換え。シャキッとした、でも堅苦しくないオフィスカジュアルに近いスーツ姿から一転、アメリカ人の観光姿の定番、ポロシャツと短パン姿でフツーの観光客に変身してました。

お父様に、講演はいかがでしたか？とこっそり尋ねると「とてもうまくいったよー」と親指を立てて、ばっちりだったと教えてくれました。私としても、この後、安心してガイドができるのでほっとしました。実際、その後は何も仕事の話をすることなく、いいパパっぷりを披露してくれました。

ツアー中はできるだけ１００パーセントに近く、観光やご家族とのゆっくりした時間にしてほしい。なので仕事の内容については触れないでおいています。

でもねー、　あるツアーの時、富士山で湧き水の話をして、ここら辺は水道料金が一番安いんだけど、なぜだかわかる？と聞いたら「えー、それ私に聞くかー？」みたいな反応だったので何だろうと思っていたら、水に関する仕事をされている方でした！釈迦に説法でしたね。お恥ずかしい。