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ガイドの私が好きな英語の辞典

通訳ガイドのぶんちょうです。好きな英語の辞典と言っても英和や和英ではなく、日本文化が英語で説明されている事典のことです。日本独自の物、たとえば納豆のような食品名から胎蔵界曼荼羅のような仏教用語まで、そのものずばりを表すドンピシャの英単語は当然ありません。

英単語がないので、豆腐なら「発行させた大豆食品」などのように材料や製法で説明するしか方法はありません。この説明はなかなか自分で思いつくものではないので、参考書があると大いに助かります。

数年前、「英語で案内する日本の伝統・大衆文化」と言う事典を買ってあったのですが、あまり使うこともなく本棚に眠っていました。お値段¥3,500と少し張るのですが、事典なので分厚く量は豊富だと思います。

最近、これを引っ張り出してきてパラパラとランダムに読んでみたら、これがなかなか興味深いものでした。

たとえば「猿回し」の欄には "the street performance using a monkey. Was originally shown during the New Year's holidays" とあります。易しい英語で書かれていることと、内容が既知の日本文化なので、説明がわかりやすいですね。読めば、そうそうとうなづけることも説明を思いつくのは難しいものです。

有名な人でぼんやりとはわかってもイマイチどんな人だったか思い出せないこともあります。これを読むと「ああ、そういえばそうだった」と確認ができます。英語の説明は単刀直入なので、日本語の説明よりも単純にわかりやすいことも多いです。

この事典、調べるというより、眺めたり、読んだりするのがよさそうです。英語の勉強にもなりますが、何より物事の切り取り方の勉強にとても役に立ちます。

情報は沢山あるので集めるのは楽ですが、それを自分の言葉でコンパクトにまとめる作業は今でも時間がかかる大変な作業です。でも、頭の中にいくら沢山、概念として蓄えられていても言語化しないと、この職業は成り立たないのでガイドである限り、続く作業です。なんとか楽する方法ないかなあ。

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