未来を予測する建築
今日は女子ハードルをテレビでオリンピック観戦していた。
選手の走る姿、ハードルを跳び越す姿、どれも目が釘付けになるけれど、もう一つ必ず目を奪われるのが観客席。無観客に見えない。
国立競技場で行われる競技を見る度につくづく感心させられる観客席の色。
まだ誰も東京オリンピックが無観客で開催されるとは夢にも思っていなかった2019年。その頃、新国立競技場のまだら模様観客席が公開されて「空席を目立たないようにしている」と報道されていた。
その時私が想像したのは「オリンピック後って経済がた落ちになるって聞いたしなー、使用時に満席にならなくても見栄えがいいようにデザインしてるのかな?」
それがそれが、まさかオリンピックでこんなにも威力を発揮するなんて。
夜間の開会式。テレビ越しに見る開会式は、入場してくる選手がクローズアップされるので観客席が映る場面は多くなかった。それでも時々選手の背面に映る観客席「人がいなくて寂しい感じ、全然しいひんわ」
(写真はネットから引用)
昼間だって、選手の背景として映る観客席から、寂しさ、活気の無さ、私は全然感じない。
白、黄緑、グレー、深緑、濃茶が入り交じっている。この5色の「アースカラー」は森の木漏れ日をイメージしたもの。「自然と調和するスタンド」と説明されていた。
コロナ下で無観客開催でも満員に見える客席、「この状況を予測してまだら模様にしたのですか?」と突っ込みたくなる。
でも、私には、更に先の未来を予測して造られたのではと想像してしまう。
「本来人間は自然の一部。人工的な空間の中にいるよりも、自然の中、より自然に近い空間の中にいる事が人間なのではないか?」
あまりにも人工的なものに囲まれ過ぎて暮らしている私達。目に見えない知能という分野だってAIという人工知能に囲まれていく。それならば、せめて空間だけでも自然に近いものにするべきなのではないか、そんな未来を予測した建物なのかなと、フト、想う。
さらにもう一つ気になるのが、競技をしている選手から見た観客。どんな風に感じているんだろう?応援してくれる満員の人がいるように見えているのかな?
気になる。
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