久しぶりに連絡が来た幼なじみの彼氏になってました
『明日って空いてる?』
中学卒業以来トーク履歴の底に眠っていた俺の初恋が目を覚ました気がした
翌日
〇〇:……久しぶり
和:うん……久しぶり
〇〇:……
和:……
目の前に座ってるのが俺の初恋の相手でもあり幼なじみでもある井上和
〇〇:急に呼び出してどうしたの?
本来はもう少し世間話でもするのだろうが沈黙が気まずいので本題に移ることにした
和:あ…うん……
〇〇:何も無いなら帰るけど…
これ以上一緒に居るとまた初恋を拗らせると感じ早々に撤退しようと席を立った
和:待って!
〇〇:……なに?
和:私の彼氏になってくれない?
〇〇:は?彼氏?
和:彼氏って言ってもフリでいいから!
〇〇:どういう事?
和:友達に〇〇のことを彼氏って紹介しちゃって…
〇〇:え?
諦めたはずの初恋が俺の知らない所で既に動き出していた
和:私の周りはみんな彼氏がいるし…
和:見栄張ってたら後に引けなくなっちゃって
和:そしたら証拠持って来てって言われちゃって…
和:〇〇が1番仲良いし顔も悪くないから…ごめん
初恋の人にこんな事言われたら怒るに怒れないじゃないか
〇〇:…和は俺でいいの?
和:〇〇じゃないと嫌……
〇〇:えっ……それって
こんなの勘違いするなって方が無理だ
和:だって私……
〇〇:ごくりっ……
和:〇〇以外に男友達いないもん!
〇〇:そ、そっか…
和:だからお願い…
〇〇:良いよ…
和:ありがとう!!
好きになった子にとことん弱すぎる…
〇〇:それで何するの?
和:え〜カップルって何するの?
〇〇:知らないよ彼女いたことないんだし
和:へ〜〇〇って彼女いたことないんだ…笑
〇〇:そういう和はどうなんだよ!
和:わ、私のことはどうでもいいでしょ!
〇〇:ふーんいないんだ〜笑
和:…いた事ないけど文句ある?
〇〇:いえ何も…
和:あっ!そういえば友達が彼氏にバックハグされたって話してたの思い出した
〇〇:バックハグ?
和:後ろからハグするやつ!
〇〇:あ〜……
和:やって〇〇!
ただの幼馴染のバックハグごときにそんなキラキラした目でねだらないでくれ
〇〇:はぁ〜…良いよ
和:そわそわ…
〇〇:ドキドキ…
こんなに緊張したのは大学入試の面接以来かも
〇〇:い、行くよ……
和:う、うん……
ぎゅっ
〇〇:ど、どう撮れた?
和:え…あっ…忘れてた///
〇〇:嘘だろ……
和:ごめ〜ん!
〇〇:今度はちゃんと撮ってよ
和:わ、わかった
〇〇:い、行くよ!
和:う、うん///
ぎゅっ…パシャ
〇〇:今度は撮れた?
和:うん!ばっちり!
〇〇:どれどれ…和の顔真っ赤じゃん笑
和:そういう〇〇だって真っ赤じゃん!
〇〇:バックハグなんてしたことないんだから仕方ないだろ!
和:私だってされたことないもん!
〇〇・和:…ぷっ…あはは
〇〇:俺ら似た者同士だな笑
和:昔から一緒に居たし仕方ないでしょ笑
〇〇:あの写真があれば十分?
和:うん!大丈夫だと思う
〇〇:また何かあったら呼んで!
和:うん…またね私の彼氏さん♡
〇〇:っ!///
和:なに〜照れてるの?笑
〇〇:う、うるせぇ!
和:あはは笑
数年前は聞くことが出来なかった彼氏と言う言葉にどこか歯痒さを感じつつもこの関係がもう少し続いたらななんて考えてしまう……忘れたいはずなのに
〜Fin〜