寄る辺になるのは人だけじゃないのだと


私は小さい頃から、好きなものに執着するくせがあった。好きな人とか、友達とかよりも、ものがよかった。当時は言語化できなかったけど、今思い返せばその理由は、
「絶対ずっとそこにいてくれるから」に違いなかった。

私がどんなに怒っても泣いても拗ねても、ご機嫌を取ってくれることはないけど、その代わりにずっとそこにいてくれる。
その存在たちはまさしく私の寄る辺だった。

絵本やキャラクターのぬいぐるみ、お菓子の箱。

成長とともに、家族に「もういらないでしょ」と捨てられてしまったものもあるし、存在ごと忘れてしまったものもあるはずだ。

先日ひさしぶりに本屋さんに行って、小さい頃何度も何度も図書室で借りていた、まさしく私の寄る辺だった絵本をみつけた。

思い切って購入して、今も私の部屋に鎮座しているそれは、大人の私にとっても寄る辺でいてくれる。

思い出はいつまでも私の味方だね。
こういう買い物ができるようになったのは、大人の良いところだ。


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