あなたの葬式に出たい

私はどうやら恋愛と友愛と敬愛の区別がついておらず、好意の表現も下手なので、気をつけないと変に誤解されるような言動をしてしまいそうになる。
区別がついている人にとってもきっちり線引きできるものではないんだろうけど、ここまで気を張らなくても迂闊なことを言う恐れは少ないんじゃないだろうか。
それともみんな実はけっこう気を遣っているのかな。


私からの最大の好意は「あなたの葬式に出たい」だ。実際に言ったことはない。

仕事が変わったり、引っ越したりして私とあなたが会う頻度が今より大幅に減ったとしても、連絡をほとんど取らなくなったとしても構わない。
ただ最後にあなたの葬式に出たい。


これがどのくらい理解・共感されるのか(されないのか)はわからない。
でもやっぱり、特別大切に思っている相手でないとその人がいなくなったときのことまで考えないだろうし、葬式に呼んでもらうのってけっこうハードル高いんじゃないだろうか。

その人が病気などで死期を悟って自分の死後のことまで用意できる場合なら、本人との関係を維持すれば「葬式に呼んで欲しい人リスト」に入れてもらえるかもしれないけど、事故などで突然亡くなってしまった場合、その周囲の人に「自分はこの人と親しかったのだ」とわかるような関係でなければいけなくなる。



「私の葬式に出てほしい」のではなく「あなたの葬式に出たい」なのは、そのような敬意を抱いた相手が皆わたしより年上だったからかもしれない。
これから歳を重ねていけばまた変わってくるのかもしれない。


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