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CROWN POP LAST LIVE「僕らのうた」

2024年8月8日(木)、アイドルグループCROWN POP(以下クラポ)の9周年の結成日であり、解散の日でもありました。

この日はZepp Shinjukuにて彼女たちのLAST LIVEが開催されました。

その最後の瞬間を目に焼き付けて来たので、ここに記そうと思います。


この日のライブを一言で言うならば、はじめからクライマックス。

クラポの全てを出し切るようなライブでした。

彼女たちはパフォーマンスの振り幅がとにかく広いグループ。

アイドルらしい可愛らしさ、楽しさだけではなく、かっこよさや美しさなど多種多様な表現力があります。

それを1つのライブに落とし込むのは非常に難しいことだと思います。

そこで彼女たちが仕掛けたものは、前半からクラポの魅力を全開にした出し惜しみのないセットリストでした。

1.Change the world! New ver
2.alright!
3.青春Bicycle
4.真っ白片思い
5.僕らの証
6.手のひらに青空

王冠をつけた青い新衣装で登場した彼女たちは、ライブでもトップクラスで盛り上げる定番曲をオープニングから3曲ノンストップで披露。

さらにMCを挟んで、第1回スタプラフェスから広く知られた代表曲である「真っ白片思い」。

そして主にライブ終盤の締めに使われる名曲を連続で披露しました。

最初からワンマンライブのクライマックスを迎えるようなスタート。

出し惜しみをしない、これまで培ったもの全てを出し切ろうとする気概を感じました。

それに応えるかのように、早くもポッパー(クラポのファン)の熱量は最高潮に達していたのです。


7.スペシャルメドレー

感動的な「手のひらに青空」から一転、

「今からスペシャルメドレー始めるよー!」の宣言とともに「たけのこにょっき」がスタート。

いぶ、里菜の2人が舞台袖にはけて、残り3人で歌うという変則ver.かと思っていると、あっという間に衣装チェンジを終えた2人が戻ってきた。

2人が「踊れ!」を披露しているかと思えば、残りの3人も早着替えして戻って来る。

5人はそれぞれお気に入りの過去衣装に着替え、27曲のメドレーを歌いつなぐ。

まさにクラポの歴史を一気に振り返るような演出となりました。

ただ数々のクラポの名曲が細切れになってしまうため、この手のメドレーはファンによって賛否が分かれる。

しかしこのメドレーは、ももいろクローバーZが10周年記念ライブで行った、全曲披露ライブで行われたスペシャルメドレーのオマージュだと思われます。
(曲によってはワンフレーズだけ発して終わるところなど)

ももいろクローバーZ公式サイトより

尊敬する大先輩の10周年ライブの演出を、自らの9周年ライブで再現するという粋な演出でもあったのです。

また27曲、約14分にもおよぶ長尺で、しかも歌割りやフォーメーションにオリジナル部分が多かったこのメドレーは、並大抵のスキルや体力でこなせるものではありません。

改めてこのグループの実力の高さを実感できたし、彼女たちの楽曲の幅広さを感じることができました。


メドレーのあとはクラポの懐かしい過去を振り返る映像が流れ、再びメンバーは衣装チェンジ。

2023年12月28日に行われた「CROWN ROAD in Zepp Diver City」で初披露された黒衣装でした。

それに続く4曲は、クラポの楽曲の中でも少し懐かし目のナンバーでした。

8. Snowy*Shiny*day
9. Cheerful Butterfly
10. Real×live
11. ToDo

「Snowry*Shiny*day」ではスクリーンに過去映像を投影し、少しノスタルジックな雰囲気にしつつ、「Cheerful Butterfly」からアップテンポ系の曲で盛り上がる。

さらにレーザー光線演出を駆使した「Real×live 」、「 ToDo」と激しくかっこいいクラポを印象付けました。

ちなみにコロナ禍以降からファンになった人にはあまり浸透していないのですが、Real×liveの間奏部分には「~かわいい超かわいい!」とメンバーの名前を順に叫ぶコールがあります。

正真正銘、本当に最後ということで全力で叫ばせていただきました。

この曲がメドレー入りしなくて本当に良かったと思います。


ノンストップで4曲披露からMCセクションへ。

メドレーの意図や衣装を選んだ理由、実はレーザー光線を操っていた?話、過去映像を振り返るなど、クラポらしい和やかな雰囲気のMCに観客もほっこり。

そこからいよいよライブは終盤へ。

12. POPPER TIME
13. キミリプホリック(LOVEver.)
14. 君色ロード

まずはメンバーもファンも一体になって盛り上がれる「POPPER TIME」。

ただでさえ熱く盛り上がる曲なのに、間奏でウェーブリレーをしたりと遊び心満載の楽しいパートとなった。

しかしCメロのしっとりしたパートの歌詞、

夢のままじゃ終わらせたくないから
もっと上を目指して(みんなで)飛び出そう

https://www.uta-net.com/song/287865/

これが解散という状況と合わさってちょっと切なくなってしまったものの、最後はみんなで肩を組んで笑って、踊って、こぼれそうな涙も吹き飛んだのでした。

2022年から全員歌唱ver.にリメイクされ、最近では定番曲となっていた「キミリプホリック(LOVEver.)」を経て、最後はクラポのメンバー全員で作詞した思い出の曲「君色ロード」へ。

ただでさえ曲のエピソードが物語性を帯びてエモいというのに、

イントロとアウトロに、この日だけの特別なメッセージが込められていました。

心愛「CROWN POPに出会ってくれて、今日まで応援してくれて、本当にありがとうございました。同じ歩幅で歩けて嬉しかったよ。」

愛理「これまで皆からの言葉に、何度も勇気をもらいました。私達からのエール受け取ってください。ずっとずっと大好きだよ。」

咲帆「今日来てくれた皆も、配信で見てる皆も、今日という日を一緒に過ごせて幸せだったよ。本当にありがとう。」

美吹「皆でみたこの青い景色も、皆と歩んだ道も、私達は絶対に忘れません。CROWN POPに出会ってくれて、本当に本当にありがとう。」

里菜「このステージに立ち続けられたのは皆さんのおかげです。5人をCROWN POPにしてくれてありがとう。ポッパーさん、大好きだよー!」

心のこもったメッセージと感動を残して、ステージは暗転しました。

潔すぎる終わり方に一瞬とまどいつつ、ポッパーによる全力アンコールが巻き起こりました。


観客のアンコールに応え、流れ始めた曲は「君にThank you!!」。

昨年からライブのフィナーレに扱われることが多い、クラポからファンへの感謝を伝える曲です。


15. 君にThank you!!

そして歌いながら順々に登場したメンバーの姿に誰もが息を飲みました。

なんとこの日4着目の、しかも未公開の新衣装のお披露目です。

白いドレスの胸に王冠の装飾をあしらった衣装は、彼女たちの純真さを表現しているかのようで、本当に美しかったです。

解散ライブでここまでのコストをかけてくれるのは異例でしょう。

最後の最後まで手を抜かず、ファンを喜ばせることへの全力なクラポチームの素晴らしさを改めて感じました。

彼女たちに会場いっぱいの青いペンライトが揺れる光景を見せることができて、最後に全力で「ありがとう」の言葉を届けられて本当に良かったです。


16. 応援SONG

感動的なフィナーレ曲のあとに、熱いエールを送る「応援SONG」へと続きます。

まるでこれからクラポを失った世界を生きていく私たちを励ますかのようであり、新たな夢に向かい別々の道を歩む自分たちへのエールでもあります。

そんなふうに私は感じて、涙をこらえながら踊り、声を張り上げました。

また白衣装が激しいダンスにふわっと舞うのが、なんとも言えずかっこよかったです。

かわいさとかっこよさの二面性を持つクラポらしさを改めて感じました。


その後はMCパートで新衣装の説明や、写真撮影で和やかな時間を過ごしつつ、メンバーひとりひとりが書いた手紙を読んでくれました。

メンバーにとって解散という選択は本当につらかったと思いますが、泣き崩れたりはせず、気丈にもしっかりとメンバー、スタッフ、家族、ポッパーさんへの感謝を伝えてくれたと思います。

CROWN POPのことを忘れないでほしいという願いが、深く深く私たちの胸に刻まれました。

そしてその想いの全てを詰め込んだ、最後の新曲が初披露されたのです。


17. 僕らの夢

発表当初からメンバーからのファンへの想いを見事に表現し、各メンバーの名前を織り込んだ歌詞に感動させられていましたが、実際のパフォーマンスを見ると、さらなる驚きが隠されていました。

それはサビのダンスに数々の過去曲の振りが落とし込まれていて、まるでクラポのこれまでを凝縮したかのような振り付けだったのです。

今までのさまざまな記憶が思い起こされ、パフォーマンスを見ながら胸が熱くなりました。

これほど完成されたラストソングをもらえるなんて、本当に彼女たちは愛されていたんだなと思います。

そして曲の最後には、メンバー全員がクラポの象徴である王冠を脱いで置くという振り付け。

2度とかぶることはない王冠、これで全てが終わってしまったという悲しみに包まれました。

しかし次の瞬間、その闇を打ち晴らす閃光が煌めいたのです。


18. 夏キラリ☆

初期からクラポの代表曲にして、ファンが最高に盛り上がるアンセムである「夏キラリ☆」。

まさか最後の最後に、この曲を彼女たちは残していたのでした。

イントロが流れてきた瞬間、私の全身の毛穴は逆立ち、歓喜の雄たけびが上がる。

先程までの悲しみを全て吹き飛ばし、会場はキラキラの夏の光に満たされ、ポッパーは最大級のコールで応えたのです。

そういえば彼女たちは、ラストライブ前に「必ず皆を笑顔にして帰す」としきりに言っていた気がします。

まさに有言実行のフィナーレ曲と言えるでしょう。

このラスト2曲の流れは本当に神がかっていたと思います。

最後は「私たちからの愛のバズーカを撃っちゃうよ~!」と、特効代わりのピンク色のテープをメンバー全員で発射。

しかし空調の影響でか、テープが全然届かないというズッコケアクシデントが発生。

そういった部分も含めて、なんともクラポらしい笑顔の幕切れになったのではないかと私は思いました。

最後の瞬間まで、彼女たちは彼女たちらしさを失わず、貫き通しました。

それはファンとして、何よりも嬉しいことだと思います。

すべての楽曲が終わり、幕が下りて、客電がついても鳴り響くアンコールの声。

それは私たちがどれだけ彼女たちを愛していたかの証。

いつまでも終わることのない、「僕らのうた」だったのです。


最後に。

推しているグループの解散は、これまでも経験していたけれども、CROWN POPほど推していたグループは初めての経験でした。

もっとつらく、悲しく、悲壮感がただようかと思いましたが、最後は笑顔で見送れたことが救いです。

こんな幸せなラストライブを作り上げてくれたメンバーや、スタッフの皆さんには感謝の言葉しかありません。

本当にありがとうございました。

そして彼女たちの新しい未来も、末永く応援し続けていきたいと思います。