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BurrTools を使ってNaefの絶版パズル「DODEKA」がついに解けた話(2)

前回の話は、紙でDODEKAパズルを作ってみた。難しくて全然解ける気がしない。という話でした。その続きです。

ぐずぐず&ぐだぐだ、あきらめきれずにDODEKAパズルから連想される「3D立体関連用語」を、インターネット検索を続けていました。
ある日「!」がありました。

BurrTools & rhombic dodecahedron   検索=Hit!

言わずもがな、ですが「rhombic dodecahedron:菱形十二面体:りょうけいじゅうにめんたい」とはDODEKAパズルが完成した時の立体図形の名称です。

ここで、予備知識としてBurrToolsの仕様をお話しします。
BurrToolsの内部では、予め作者様が「なんらかの3D単位小胞」を定義しています。それらの単位小胞を3次元的にぺたぺた接着&重ね合わせることで、四角錐やら、正八面体、あるいは菱形十二面体だの、様々な立体図形を取り扱う仕様になっています。
BurrToolsは、この世のすべての3次元立体を扱えるわけではありません。あくまでも作者様が予め作り込んだ「単位小胞」を接着&重ね合わせて作れる立体に限る。です。

ともあれ、検索にヒットしたということは、BurrToolsは、菱形十二面体を取り扱い可能だということなのです!

ゆえに、次の仮説が成立します。
・「紙工作で作った単位胞」の形状を、
・「BurrToolsの作者様が定義した単位小胞」を何個か組み合わせることによって再現できるならば、
・DODEKAパズルは、BurrToolsを用いて解答が得られる!

BurrTools作業マニュアルの解読&その作業

まず最初にBurrToolsで、菱形十二面体を作ってみました。
BurrToolsの起動後、Newを選び、単位小胞セットの種類は{Rhombic Tertrahedra}を選択します。
ポコっと表示された立方体に対して「x2」2倍化命令を実行。サイズを大きくします。
次は驚きの作業ですよ。

X軸方向から見つめる!という視点を選びます。見た目では正方形に見えます。これを「削る」コマンドを使って、ガリガリと削り、最終的に◇にします。
*X軸方向から見つめると□ではなく◇に見える。

画像はBurrTools作業マニュアル「rdTutorial.pdf」から引用

いちばん左の図で「赤い線で描かれた菱形」は作業マニュアルの著者が説明用に描き足したものです。BurrToolsにはそのようなモノを表示する機能はありません。

次にY軸方向から見つめる!という要領で視点を変更します。すると、見た目としては再び正方形□に見えるようになったはずです。これを、さっきと同じようにガリガリ削ります。◇に見えるようになるまで削り続けます。
Z軸も同様に実行します。
こんなふざけた(?)作業だけで、立方体から「菱形十二面体」を削り出しできるなんて、いったい誰が想像できたでしょうか!
少なくとも私には想像を絶する内容です。
作るのにだいぶ手間がかかる作業だったので、ここで完成した3D図形に適当な名前をつけてSaveします。

菱形十二面体を仮想構築

次は、同じく削り出し作業によって「紙工作の単位胞」の x2倍体 を削り出します。
*注:BurrToolsの設計仕様の都合により、さっき作った図形をすぐ削るのではなくて「COPY」で複製し、複製したほうを削ります。

目の前にある「菱形十二面体」について、下半分あたりを、全部ガリガリと削って捨てます。
見た目で「完成品の面が凸凹しない」を重視しつつ「紙工作の単位胞」のx2倍体 の削り出しを試みました。予想通り、ここまではちゃんとできました。ここでまたSAVEです。

とにかく削ります。

これらの画像から、「紙工作の単位胞」のx2倍体 とは、パズルの完成品(菱形十二面体)と比べてどのくらいの大きさなのか、&、空間的にどこに位置するのかがわかると思います。

注:このように平面図にしてしまうと分かりにくいのですが、「紙工作の単位胞」のx2倍体は、立方体(Cube)とは全然違う形状です。 
空飛ぶ円盤、そろばん、タコノマクラ、そんなイメージの立体図形です。
フリスビーというほどには平たくなくて、ちゃんと厚み感もあるので「平たいっぽい図形」と私は個人的に名付けています。
まだ続きます。

ゲームシステムのデザイナーって、何なの?どういう意味? そんな疑問は、私の記事群によってご理解いただけるものと期待してます。 ラジくまるのアタマの中にある知識を活用していただけるお方、サポート通知などお待ちしています。