箕作家 学者の一族

箕作阮甫(1799-1863)
江戸時代後期の蘭学者。美作(岡山県)津山藩医。儒学を古賀侗庵(どうあん)に、蘭学を宇田川玄真に学ぶ。天保10(1839)年、幕府天文台の訳員となり、のちに蕃書調所教授となる。
阮甫には息子はおらず、長女さき(せき)、三女つね、四女ちま(しん)の3人の娘があった(二女は夭折)。

長女 さき(せき)

さき(のちにせきと名を改める)は広島藩医・呉黄石の許に嫁ぎ、3男4女をもうける。
・長女ヤスの夫は伊予吉田藩医大槻魯庵
・二男は統計学者の呉文聰
  
・長男は東京帝国大学教授、医師(心臓病)の
  
・四男は日本大学総長、経済学者の文炳
二女は明治女学校長のクミ(久美)
・三女リキの夫は書家の日高秩父
  
・四男は学習院副院長の第四郎
  ・五男は書家の第五郎
・三男は精神科医の呉秀三
  ・長男は西洋古典学者、文学者の茂一

三女 つね

阮甫は、儒者の菊池陶愛の二男で、弟子であった菊池秋坪をつねと結婚させて婿養子とした。箕作秋坪は蘭学者、教育者。
・長男は開成所教師の奎吾(夭折する)
・二男は文部大臣、数学者の菊池大麓(父・秋坪の実家の菊池家を継ぐ)
  ・長女多美子の夫は憲法学者の美濃部達吉
  
・二女千代子の夫は民法学者の鳩山秀夫
  ・二男は物理学者の泰二
  ・三女の冬子の夫は法学者の末弘厳太郎
  ・四女の英子の夫は土木工学者の平山復二郎
  ・三男は生物学者の健三
  ・四男は東京理科大学学長、物理学者の正士
・三男は東京理科大学学長、動物学者の佳吉
  ・五男は東北帝国大学教授、化学者の新六
・四男は東京帝国大学教授、歴史学者の元八
  ・長女綾子の夫は眼科医甲賀健三
  ・長男は化学者で作曲家の秋吉

四女 ちま(しん)

阮甫は弟子の佐々木省吾を養子として、しんを嫁がせた。箕作省吾は地理学者。
・長男は貴族院勅撰議員、法律学者の麟祥(省一郎)
  ・長女貞子の夫は動物学者の石川千代松
  ・三女操子の夫は物理学者の長岡半太郎
省吾の死後、しんは姉のつねを亡くした義兄の秋坪の許に後妻として入る。
・長女の夫は人類学者の坪井正五郎
  ・長男は地質学者の誠太郎
  ・二男は地球物理学者の忠二

まさに学者の一族。
(漏れもあるので、のちほど追加あり)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?