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【ギフテッドの本質】潜在抑制機能(Latent Inhibition)

この「ギフテッドの全て」シリーズは、
ギフテッドの全てを様々な視点と
本熊の見解を合わせて解説する。

ただ、熊の語彙力には限界があるので、
ご了承ください🐻


脳は世界をどう見ているのか

私たちは自分の意志で世界を見ているのか?

人間は自分は何を見ているのか、
何を感じているのかについてどれぐらい主導権を持っているのか?

これらの疑問に対して答えを持っているのが「潜在抑制機能」である。


潜在抑制機能

人間の脳は、
神経がもたらしてきた情報を脳の100%の領域を駆使し、
一次処理を行う。

そして、
一次処理の結果に対して、
脳はさらに本人に意識させる必要性、
意識させる優先順位を決める。

このゲートウェイのような機能は
「潜在抑制機能」と呼ばれる。

定型発達の人間の脳は、一次処理結果から僅か10%を本人に認知させ、残りの90%は脳が裏で処理し続けるか、もしくは処理しない。

この機能は、
コスパの良いリソース配分を図る生存戦略である。

想像してみてください。
もし脳が残りの90%の情報も渡したら、
あなたの毎日の仕事量は10倍になるため、
普通に発狂するはず。
※もちろん脳が裏で情報を処理する場合もリソースを使うが、本人が意識的に処理するよりもはるかに効率的である。

分かりやすい例で言うと、
初めての部屋に入った時、時計の針の音が聞こえるが、
しばらくすると聞こえなくなる。

音はずっと存在しているが、
聞こえなくなった理由は潜在抑制機能が発動したからである。
つまり、生存に必要のない情報と脳が判断したからである。

もちろん、どんな情報に対して、どれぐらい、
どのタイミングで発動するかは個体差による。


世界の見方

ここでもう一つ大事なポイントは、
人間が気付けた10%の情報は「脳に渡されたもの」であり、
自分が選んだわけではないこと。

つまり、
脳科学的な視点からすると、
世界をどう認知するかについて、人間の主導権は0%である。

タイトルの図が示しているように、
脳は神経が収集してきた情報を人間にそのまま渡すのではなく、まず一次処理し、次は渡すべき情報(一次処理結果)を絞り、最後は本人に渡す。

これはつまり世界の見方は、
脳が人間に情報を渡す前に既に決まっていることを意味する。

人間は渡された10%の情報を何とかうまく使おうとするしかない。
信じがたいと思うが、
一部上場会社の社長とホームレスとも、
脳に渡された「情報量の割合」は同じ10%である。


潜在抑制機能低下は究極の諸刃の剣

そして、ギフテッドの場合を見てみよう。
以前の記事で説明した通り、ギフテッドの神経の動きは非常に活発なため、神経が脳に渡す情報量は非常に多い。
詳しくはこちら↓

タイトルの図で説明すると、
神経が大量の情報を収集しているため、
一次処理の情報量は既に一般人より圧倒的に多い。

この時点で既に脳にかなりの負荷がかかっているが、
これは大災難の序の口でしかない。

なぜかというと、
ギフテッドの潜在抑制機能はほとんど発動しないことが明らかにされている。

・一般人の場合、
 100の情報が入って、
 100の情報が一次処理され、
 その中から10だけが綺麗に整頓されて渡される。

・ギフテッドの場合、
 1000の情報が入って、
 1000の情報が一次処理され、
 1000のままで無秩序にぶん投げられる。

👨「行けるっしょ? 頭良いから」
🐻「・・・。」

潜在抑制機能低下は、重度な精神障害や豊かな創造力、
もしくは両方に繋がる可能性があると言われている。

哲学者と芸術家の多くは、
潜在抑制機能レベルが低いと言われている。

※実は、ドラマ「プリズン・ブレイク」の主人公も潜在抑制機能障害の設定だった。
シーズン1の作中に、主人公の心理カウンセラーは主人公の恋人に対して、「主人公は潜在抑制機能障害を持っている。この障害を持つ人は世の中の全ての情報を取り入れてしまう。普通の人間は精神障害になるが、知能が高く処理が間に合えば天才になる」と言った(うろ覚え)。

ちなみに、
この機能低下の原因は複数の神経伝達物質に関与すると示唆されている。

まあ、遺伝だろう。
人間大体遺伝だよ(雑

また、
潜在抑制機能低下はADHDや統合失調症といった精神障害に関連する可能性があるとも言われている。

はい、
ここから先は本熊のお説教タイムに入る。


番外編:主体性のない人間

潜在抑制機能の話から既に察している方も居るかと思うが、呼び方は国によって様々だが、一般的に神経学では潜在抑制機能が発動しないことを「低下」、「障害」、「欠陥」と表現している。

えっとね。
潜在抑制機能が発動しない場合、
人間は世の中の全てを認知でき、
認知した情報を元に生きていける。

逆に潜在抑制機能が仮に最大限に発動すると、
人間は世界に対して何も感じず、気づかず、
虫以下の生き物になる。

つまり、
潜在抑制機能が発動すれば、
比較的主体性のない人生を送ることになってしまう。

でも多数派の人はバリバリ発動しているため、
発動しているのは「正しい」、「普通」、「正常」
と現代医学で定義されている。

お前ら、頭大丈夫?
お前ら、頭大丈夫?
自ら主体性のないような人生を正常と定義するの?

あと、世界の見方(認知)の話にも関連するので、
一言だけ言わせてもらうと。

統合失調症や様々なパーソナリティ障害と思われる人々の中には単純に処理方式と結果が多数派と違うだけの場合もある。

今回の記事はここまで。

お気持ちだけで十分です。 お金は自分より立場の弱い人に使ってくださいね🐻