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ギフテッドの処世術③ー合流

熊です。

↓前回

今回はかなりの長文となりますが、
処世術最終回となります。

では、本編行きます。


宇宙の摂理

古代から人間はずっと「宇宙」を解釈しようとしている。

「宇宙」を解釈することで、
「人間の存在意義」を解釈しようとしている。

「人間の存在意義」を解釈することで、
「苦悩から解放する方法」を探している。

数学は宇宙を解釈する糸口をくれたが、
やはり人間は宇宙の運行を干渉することができない。
そして遠い未来までできそうにないと誰もが分かっている。

つまり、
人間が確認できる宇宙の唯一の摂理は「理不尽」である。

「良い人間は報われるべき」、
「努力は実る」と人々はよく言うが、
 嘘です。

死は平等に全ての人間に訪れる。
でなければ、金持ちがたくさん献金したら不老不死になるだろう。

努力は実る、失敗は成功の基。
これも根本的に間違っている。
真実は誰が何を成功させられるかは最初から決まっている。

世界規模、つまり全人口の一生で見ると、
この世界のほとんどの努力は失敗に終わる。

成功しやすい人は最初から成功できそうな方向に努力している。
だから自分の特性を知るのがものすごく重要である。
強みの延長線にないことは必然に失敗率が高いわけ。

しかし、
環境によってはあなたの強みが発揮できない。
もしくはそもそも強みが少ない。

もっと悪いことに、
あなたの弱みばかり目立ってしまうこともある。

仮に全地球の人間が良い人間だとしても、
明日小惑星が飛んできて地球を破壊することもある。
その確率は人間の行動によって変わることもない。

苦しみに耐えられず、
理不尽から解放されたい人間を守るために、
人間の脳は二つの行動を取る。
① 信仰を作る
② 夢に落ちる

信仰

度々「信念」と「信仰」の違いを触れているが、信念の意味は最後までご覧いただければ分かります。
🐺チワワ「分からん!」
🐻熊「信念がなければ見えないのだ」

人間は自分を特別な存在と思いたいため、
自分の運命を自分で決めたい。

例えば、能力の高い人は社会ダーウィン主義や結果主義で世界を自分に有利な方向に解釈し、社会制度を修正する。

能力の低い人は悪い結果が起きた場合の責任を自分以外の人になすりつけ、世界に対する無力感や不幸を、単純に他人に巻き込まれているからと自己催眠する。

また、悪い出来事は何か高次な存在からの罰と考え、それに耐え続けられたら解放してくれると信じる。
例えば、原罪という概念。

他にも、
無理にでも完璧な世界の幻想を作り、
仮に現世は苦しみに満ちたとしても、
何らかの行動をすれば、
死後は美しい世界に導かれると信じる。

上記の信仰が効かない場合、
人間は夢に落ちる。

夢というのは、
視野が狭くなったり、
自分に利益のあるもの以外の関心が減ったり、
他人の感情に対して鈍感になったりすること。

自分のコントロールできる道だけを見て、
他の道を気にしなくなる。

夢の中でも自分の能力は発揮できるので、
本人に悪い都合なんて一切ない。

映画マトリックスは映画ではない。

自分がコントロールできる部分的な現実だけを見れば、あたかも自分は宇宙に見守られているように感じる。

一方、
自分と違う人生の過ごし方をする人は、
ようやく手に入れた真理に対する「ノイズ」となるため、視界から外していく。

人間は学校に出ると、
わがままを聞いてくれる人は居ない。
欲しいものは全て手に入らない。
この時から宇宙の理不尽に直面し始める。

世界に対して鈍感になり、
何もかも妥協し始める。

一部の人間の目はこの現象をはっきり捉えている。
周りの人間がどんどん寝ていくのを見ると、
非常に恐怖に感じる。

時々、彼らを起こそうとするが、
起きた彼らは攻撃性を現れたり、
精神疾患に罹るほど苦しみに陥ったりする。

夢に落ちる人間を見ると、
人間性の喪失に感じ、
実存的うつに繋がる事もある。

劇薬

ギフテッドの人生で一番苦しいことは間違いなく「OE」です。
これは孤独よりも遥かに恐ろしいものです。

孤独は慣れるものが、
OEは孤独を無限に増幅していく。
もちろん他の感情に対しても同様です。

また、OEによって
外部からの情報を無限に取り込み、
それをパンクするまで処理していく。

世の中の情報量は実は人間が想像するよりも遥かに多く、全てを処理できる人間は居ない。

しかしこのOEには重要な役割がある。

一度認識した情報、
隠されている問題、
他人の感情など、
この全てを脳が処理し、
あなたに認識させようとする。

膨大な情報は痛みに感じるほど強烈で、頭痛を引き起こし、血管が破裂しそうに感じることも。
情報が「多い」というより「痛い」

世界の痛みを感じているのは、
夢に落ちないためである。

精神性

人間同士の精神性はある程度の差が開くと、
精神性の低い人は高い人の世界を認知できない。

この概念はよく知能として混同される。

違う政党に入っている政治家はお互いの言論に対してどうしても納得しない、何とかして反論しようとする。

一方、
同じ政党の人が別の政党に指摘された場合、
仲間を庇うために話を濁したり、
問題をすり替えたり、反撃に転じたりする。

人間同士を分断しているのは「立場」です。
ほとんどの人間は「自分に利益のある立場」を選ぶが、精神性の高い人は「他人に利益のある立場」で行動する。

「自:他が8:2」の人は、
「自:他が2:8」の人と認知の接点がほとんどない。

上記の例から接点は「2割」と思いがちだが、
正しくは「0〜2割」となる。
何故かと言うと、
全く違う方向で利他行動を取ることもある。

自・他のバランスを調整するのが「精神性」です。

宝くじに当たって、
その9割を他人に分け与える人が居る。

「すごい」と思う人はほとんどだが、
本当に「すごい」と思うならあなたもできる。

実現可能ですごいと思うことを、
やらないはずがないでしょう。

しかし、ほとんどの人間は当たってもそうはしないのだ。

「すごいと思うと良い人間と思われる」
がほとんどの人の深層心理です。
いわゆる常識や社会規範の奴隷です。

もちろん、
この例では悪影響はないかもしれないが、
自分の心理と行動を理解できない人間が、
問題を起こすのは時間の問題だ。

ギフテッド研究の着目点が、
「高知能」と「高い精神性知性」で大きく別れている。

人間の精神性は学歴と関係がないため、
ギフテッドと精神性が離れすぎる研究者は、
ギフテッドの特異性を観察できない。
だからいつまで経ってもギフテッドの定義が定まらない。

「肝心なものは目に見えないのだ」

以前の記事にも伝えた通り、
ギフテッド研究者は全く違う二つの人種を混同してしている。

①特定の能力、もしくは全般的な能力が高い人
②極めて高い精神性を持つ人
③上記両者の特性を併せ持つ人

その事実を知った熊は、
全てのギフテッドの味方になるつもりはありません。

何故かというと、
①のギフテッドは一般人と同様に信仰にハマったり、夢に落ちたりするからである。

つまり、悪事を働く可能性があり、
しかも一般人より破壊力がある。

また、彼らもそのうち夢に落ち、
苦しみから逃げることができる。

そして②と③のギフテッドは信仰にハマることも、夢に落ちることも難しく、しかも熊を含む極一部の人でしか観察できないので、しょうがねえな燈台でも建ててやろうかと思った🐻

🐺チワワ「急にどうした・・・」

未来をチラ見した人間

ギフテッドの子供はかなり幼い頃に、
世の中の様々な情報を拾い、
それを広く遠く展開し、
未来の世界を脳内に構築した。

それは想像ではなく、
確信、いわゆる現実である。

他人が拾えない情報をたくさん持ち、
それを加工する能力があるからできることだ。

この行動は無意識で進行し、本人たちが学校に通うまで既に完成した場合もある。

常に未来の世界を見て、
今の時代で生きる人の気持ちは分からないよね。

歴史の本をめくって適当に止めて、
そこはあなたが今後死ぬまで居る世界
だったら、
どんな気持ち?ねえ?

そう、その気持ちだ。
もう説明不要でしょう。

時代によっては死んだ方がマシに感じる場合もある。
脳内で構築した未来が遠ければ遠いほど死にたくなる。

特に思春期に入ると、人間は社会における自分の序列を確認するため、一時的に人間性が退化することもある。
10代はギフテッドにとって地獄同然である。

進化の黎明期

高等生物の進化は数万〜数百万年かかります。

人間は科学の力を手に入れたから、
環境に合わせて見た目を変える必要がないため、
見た目から進化を確認できないが、
着実に進化は進んでいる。

進化は様々な方向性に向けて、特異な個体を作っていく。
より極端な状況に対応するために極端な個体も生まれる。

また、「環境」だけではなく、集団中の特殊な「役割」を担うために作られた個体もある。

ギフテッドの研究の中に、たまに「現代科学では説明できない能力を持つ個体」が観察される。

しかし、それはテレビや現実世界ではなかなか目にかかることがない。

一つの理由は進化の黎明期のため、それらの能力は不安定である。
もう一つ重要な理由は、ギフテッドは人間をよく知っている。

人間は何でもかんでも闘争に利用しようとする。

もちろん彼らは
「人間社会への貢献」、
「いつか人の役に立つ」と嘘をつく。

実際、彼らが期待しているのは、いざ戦争になった時に自分が勝者になること。

そしてその心理のせいで、
避けられる戦争も避けなくなる。
場合によっては自ら戦争の種を作ってしまう。

ギフテッドの任務は、
「こんな個体でも生き延びることができる」のを証明すること。
たったそれだけでいいです。

進化の遺伝子がその道の安全性を確認できたら、少しずつ個体を増やしていく。

世の中はギフテッドの能力を
「IQテストの点数が高い」、
「数学が得意」、
「将棋が上手い」、
「野球が上手」と思うのなら、そう思わせればいい。

このままでも悪いことは起きないし、
ギフテッドの能力を知られても良いことはない。

世の中には常に略奪するために獲物を探している人種が居る。
彼らはギフテッドの特異性によく気づき、
あなたの能力を引き出そうと挑発してくる。

あなたの能力を見て、それが奪えないと理解したら、彼らは進化の方向性を自分に誘導するようにあなたを排除する。
もちろん全部本能です。

あなたが彼らを圧倒したとしても、
彼らはより多くの人数を集め、
あなたを研究し、攻略法を編み出す。

仮にあなたに勝てなくても、
彼らは他の個体を狙い始める。

特殊な個体でしか経験できない人生がある。
私たちは自分の能力を、他人に分からせるためにこの世界に訪れたわけではない。

あなたの経験と努力は、
進化ストリームにおける重要なデータです。
遺伝子は全てを記録している。

その反映のタイミングと内容はコントロールできないが、それができたら面白くないでしょう。

もちろん、
この仲間への注意喚起の記事を読んだ人は、
熱帯雨林の熊が病気と思う人も居れば、
一部のギフテッドの特殊能力を探し始める人も居るでしょう。

いずれにせよ、渡してはいけないものは絶対渡さない。
ギフテッドの精神力ならできる。多分

🐺チワワ「でもギフテッドは後天的になれないよね?」
🐻熊「ギフテッドの協力があれば、ものによっては近いレベルになれる。 ただ今の人類に必要なのは才能ではなく、自制だ」

合流

ギフテッドの中にイジメを経験し、
誰もが助けてくれないと感じる場合もあるでしょう。

それは当たり前だと思う。

ギフテッドだって耐えられずに逃げたときもあるのに、一度でもあなたを庇った人はどうなるのか?
次の犠牲者になるよね。

能力の高いギフテッドでさえ生き延びるのがギリギリなので、おそらく仲間はより悲惨な目に遭うでしょう。

能力と精神性は大人と匹敵もしくはそれ以上かもしれないが、この時代で生き延びるためのスキルを習得するのに、時間と経験はどうしても必要。

それはギフテッド以外の人にとってもそうだ。

漫画やゲームの世界でよくある話として
「主人公と仲間が一時的に別れて、その後再度合流する」

それが人生です。
皆が主人公であり、他人の仲間でもある。

他の人間を待つ必要はどうしてもある。
彼らの一部は夢と対抗する素質を持っているが、完全に夢から抜け出すには成長と時間が必要だ。

彼らが夢から抜け出したら、再びあなたと合流する。

実際、合流できる人はごく僅かであり、
合流するタイミングも人それぞれである。

しかし、一番重要なことは、
あなた自身が合流すること。

人を避け、社会を避け、自分自身を閉じ込めたら、他の人間が辛うじて約束の地に辿り着いても、あなただけが居ないことになる。

あなたがその場所に着いたのに誰も居ない可能性は当然あるが、
あなたが行かなかったら、合流の可能性は「0」
あなたが行けば、合流の可能性は「>0」
無限の差である。

合流ってどこでしょう。
それは社会です。

社会って何でしょう?
会社?自営業?
専業主婦は?
でも専業主婦だって様々なコミュニティに参加でき、明確な組織ではなくても近所付き合いやネット世界だってある。

むしろ逆に考えよう。
「社会に居ない」とはどういう状況なの?

それは「あなたが心の底から人を拒むこと」です。

そうなると、
あなたが学校に通っても、会社に勤めても、
あなたは社会には居ない。

抜け殻に空虚な心。
能力面も精神面も他の人に抜かれていく。
それに気づいた時は究極の絶望に襲われる。

既にたくさんの合流ポイントを見逃していれば、
次の合流地点に向かえばいい。
どのタイミングでも必ず生存者は居る。

今回の記事はここまで。
少しでもギフテッドに寄り添いたい人の役に立てば幸いです。

お気持ちだけで十分です。 お金は自分より立場の弱い人に使ってくださいね🐻