IQテストは人類への冒涜
今回は、時速160KMの生鮭を、高知能提唱派のギフテッド専門家たちの顔面に投げつけるような記事なので、よろしく。
IQテストはナンセンス
ギフテッドの話によくIQのことが出てくる。
ギフテッドはIQが高いと聞いたら、
「そうなんだ」
「どうして高い?」
「本当かな?」
とほとんどの人は上記のような反応を示す。
これは「IQとIQテストの意味を理解している」ことを前提にする反応のはずだが、実際この前提は不可能である。
なぜかというと、
そもそもIQテストはナンセンスであるため、
ナンセンスのことを理解することはできない。
この人たちはただ理解していると勘違いしているだけ。
信じなければ、
「IQとIQテストの意味を説明して」と聞いてみればいい。
そして僅かではあるが、
一部の人はIQテストの実施内容および測定項目を調べてみる。
その後、「なるほど」と理解したように見える。
残念ながら、これもまた勘違いである。
繰り返しになるが、IQテストはナンセンスである。
ナンセンスの中身はやはりナンセンスでしかない。
なぜ人間は意味が分かっていない言葉を平気で使い、
さらに意味が分かっていない同士でも意思疎通ができるのか。
この不思議な仕組みは今度解説するため、今回は割愛。
では、ナンセンスの理由を説明する。
まず、世界的主流のIQテスト、
「WAIS/WISC」の測定項目を見てみよう。
測定項目は
・言語理解
・知覚推理
・ワーキングメモリー
・処理速度
との4つである。
ナンセンス理由①:測定項目と実世界での発揮場面との関連付けの乏しさ
長くなりすぎるとみんな逃げてしまうので、
「言語理解」だけを例に解説する。
そもそも、言語理解とは何?
と公式はこう言っている。
言語理解は語彙やことばで説明する力??
人間の言語理解はそんな狭義的なものではない。
例えば、
・日本人大好きな空気を読む能力は、
言語理解の点数とどう関連しているのか?
・傾聴力のある人は、言語理解の点数が高いってこと?
・もっと難しいやつ、ユーモアはどう考えるべきか?
※厳密に言うと、ユーモアを感じさせるのと、
他人のユーモアを理解するのはまた別だが。
ね?そんな単純じゃないでしょう。
ナンセンス理由②:そもそもIQの専門家でさえ知能の意味を理解していない
前述の4つの測定項目の平均値は最終的なIQ点数になるが、
これもまた謎である。
言語理解の点数とIQ(知能)とはどんな関係なのか?
そもそも知能とは何?
「言語理解が高い」と言われることと、
「言語理解のIQが高い」と言われることと、
「IQの言語理解が高い」と言われることと、
「IQが高い」と言われることは
同じなのか?
結局専門家は指導者に「知能の測定はこういう風にやる、こういう意味がある」と言われて、ぼーっとやっているだけ。
ある意味、彼らの主体性は壊滅的である。
ナンセンス理由③:測定項目の視野が狭すぎる
はっきり言って、言語は人間の特権ではないため、
IQテストの測定項目はチンパンジーや鳥、カワウソといった動物に対しても実施できる。
一部の鳥だって測定項目の4つの能力を全て具備している。
もちろん、
知能に関する定義は未だに結論が出ていないため、
ここで知能の完璧な定義を議論したり、
知能に関する全ての能力を深堀したりするつもりはない。
ここで言いたいのは、
「知能は何かがまだ分からない状態でくだらない測定項目」を安易に出すのではなく、
「人間ならではの能力、特により良い世界の実現に影響力のある能力にフォーカスした方がいい」。
現在の主流のIQテストは人間に対する冒涜行為でしかない、
と本熊は思っている。
人間には美しいものがたくさんある。
博愛精神、共感力、倫理観、自己実現意欲、利他精神、哲学、芸術等、もっともっと注目すべきところがいっぱいある。
頭の良さが足りなければ、頭の数を増やせばいい。
それでもできなければ、時間を増やせばいい。
それでもできなければ、次の世代に託せばいい。
歴史を作ったのは頭の良さではなく、二つの意志である。
・何かを成し遂げたい意志
・他人の意志を継ごうとする意志
知能にこだわる人は、
短い自分の人生にだけフォーカスし、
自分の利益を最大化しようとしている。
番外編:IQに関する一番危険な研究
皆さんは
「知能指数が15~20以上離れると、
低い方は高い方の認知(世の中の物事の捉え方)
を理解するのに極めて困難である」
という研究結果を聞いたことがあるのか?
これはわりと知能研究の学界では普遍的な知識となっている。
この研究が存在することで、
意見の衝突が発生する場合、当事者たちはどちらかの知能がはるかに高いと捉えるかもしれない。
自分の方が高いと思う場合、
自己正当化の塊になって、相手をぶっ潰すだろう。
自分の方が低いと思う場合、
劣等感大爆発で、相手をぶっ潰すだろう。
結局、殺し合いになる。
この研究が存在しなければ、
意見の衝突が発生する場合、
「たとえ実は死ぬまで理解し合えなくても」、
理解し合うように試みる。
つまり、
この研究の結果が正しいかどうかは重要ではなく、
この研究自体は存在すべきではない。
既に存在している今、「この研究を信じないのが正しい」。
※「信じたくない」ではなく、「信じない」。
この思考法を本熊は「ビジョン」と呼ぶ。
ビジョンというのは、
思考と行動の取捨選択によって世界はどう変わるか
という「世界規模の状態変化指向」の考え方であり、
ギフテッドの思考特徴の一つである。
たとえ研究結果が正しくても、
世界に悪い影響を与えうる場合、
ギフテッドは合理性を捨てて、
その「正しい研究結果」を否定する。
ギフテッドを合理性の塊と見なす人が多いため、
このビジョンという思考法を知らない人は
ギフテッドの行動に一貫性がないと感じる。
研究者たちは
「興味ベース」で研究テーマを決めるのではなく、
自分の研究およびその結果が世界に与え得る影響を事前に評価してほしい。
最後の最後。
高知能提唱派のギフテッド専門家たちへ
専門家たちが作ったIQテストの結果が正しければ、
専門家はギフテッドと比べたら、ただの凡人である。
そしてギフテッドたち(診断済み)の多くは、
IQテストの意味を否定しているのに、
なぜ凡人の専門家たちは話を聞かないのか。
「自分の方が上と信じたい」、
「自分の権威を保ちたい」、
という人間の闘争本能に支配されていないか?
結局、高知能提唱派専門家たちの深層心理は、
ギフテッドに対して社会排除を行う人たちとそんなに変わらない。
たまたまギフテッドが研究対象として自分に利用価値があり、
かつ「ギフテッドの」専門家との肩書きから得られた自分の方が上という心理的安全感があるから、ギフテッドを許容しているだけ。
だから、
ギフテッドは高知能提唱派のギフテッド専門家たちを信用しない。
彼らはそもそも自分の心を理解していない。
もちろんギフテッドたちはIQテストの意味を否定しているし、
だからこそ専門家たちのことを凡人とは一ミリも思っていない。
ちなみに、ギフテッド研究の進んでいる国(フランスとか)では、IQテストはもはやギフテッドの主な診断基準ではない。
ギフテッド臨床経験が豊富な心理士なら最短10分の面談で判断できる。
医師資格はいらない。
医師はそもそも医学部でギフテッドのことを勉強したことがないのに、医師しか判定できない現状も疑問を感じる。
そして日本の専門家たちよ、
何でも盲目的にアメリカに着いていくのではなく、
視野を広げてしっかり自分の脳みそを使おう。
自ら精神的にアメリカの奴隷になる必要はないし、
アメリカだってそんなことを求めていない。
アメリカのギフテッド定義に対して、
不満を持っているアメリカの専門家がたくさん居ることを知っている?
彼らの主張を見た?
楽なことをしたいなら、
世界一複雑なギフテッドを研究しないでください。
あと、
当然ギフテッド同士の判断方法もあるし、
分からなかったらプライドを捨てて素直にギフテッドに聞いてみてください。
人間は勝手に人間を格付けしている。
格好つけるために格をつけている。
人間そのものに対する冒涜である。
この思い、伝わる日が来ると良いな。
今回の記事はここまで。
お気持ちだけで十分です。 お金は自分より立場の弱い人に使ってくださいね🐻