待ちの強さ

リーチをする、副露をする、ダマテンにする。
どれでも聴牌をしないと麻雀は和了することはない。
そして聴牌には「待ち」がある。当たり前である。
では良い待ちとは何か?悪い待ちとは何か?
少し考えてみよう。

待ちの強さの判断基準

自分が聴牌したときその待ちをどう評価するか。

1、自分視点、自分の手牌の待ちの数
2、相手視点、自分の捨て牌から見た安全度
3、相手視点、相手の手牌の必要度

厳密には難しいがザックリ上記3要素で大体説明できるんじゃないかと思う。
それぞれ見ていこう。

1、自分の手牌の待ちの数

これはそのままであまり説明することが無い。
両面待ちなら8枚でカンチャンは4枚だから両面強いよねというやつである。
良形は良い待ち、愚形は悪い待ちはこの観点によるものだ。

2、自分の捨て牌から見た安全度

これは自分の捨て牌を対戦相手が見た時に安全そうだと思ってくれそうかというもの。
自分がリーチを受けた時を考えてみよう。安全度は
A、現物、完全安全牌
B、放銃するコンボ数が少ない、牌理上危険度が低い
C、普通の牌、無筋とか
D、放銃コンボが多い、牌理上危険度が高い
Aは安全でB→Dにつれ危険になっていく。
Aを待ちにするのは不可能だがBは可能である。
つまりこの観点での良い待ちはBであり悪い待ちはDとなる。
筋引っ掛けとか序盤の牌の外とかはBになりやすい。この話を詳細にするとガチの読みの話になるのでやめておこう。

3、相手の手牌の必要度

相手の使えない牌であるかどうかという基準である。
対戦相手はあなたに放銃したくないが同時に自分が和了りたいとも思っているはずだ。であるなら相手が使えない牌が待ちであることはメリットである。
1333という形で3が場に1枚出ていれば1や2は使いにくい牌であるため場に放たれるかもしれないみたいなやつである。

待ちを評価する

では実際に待ちを評価するとどうなるだろうか?
これは上記3要素の使い分けが必要になる。
例を挙げて使い分けについて考えてみる。

例1、先制リーチをする
相手の応手に依るが比較的受けてくれることが多いだろう。リーチをガン無視する人はあんまりいない。
この時相手が降りるなら3の「相手の手牌の必要度」(以下要素3)はほとんど関係なくなることがわかる。相手が和了に向かう手順を放棄するのだから使えない牌であるかどうかは無関係になるだろう。ゼンツされたら別だが。
2の「自分の捨て牌から見た安全度」(以下要素2)は関係するだろう。手詰まりしたり回し打ちする相手から出和了が期待できる。
1の「待ちの数」(以下要素1)は勿論重要だ。読みを入れて山にどのくらいありそうかを考えるのもよいが基盤は見た目の枚数である。

例2、ダマテンにする
状況によっては警戒される場合もあるが無警戒で打たれることも多いだろう。
この時は例1と逆で要素3が重要で要素2はあまり関係が無い
要素1は大体常に重要である。

例3、副露する
副露に対するケアは3例の中では最も対戦相手に依存する。そのため明確には言い難いがこれは要素1~3全てが関係することが多い。
まだ聴牌してないと思われているほど要素3がもう聴牌していると思われているほど要素2が重要だが鳴きに対して絞るという概念もいれるともっと複雑になる。

勘違いされがちな事

上記の要素2と要素3を混同して考えている人を結構よく見る。
例を挙げると、

画像1

上記の手でまあ場に1枚2萬が捨てられていたとして親リーチをした人が流局時に1萬を止めてる人を見て
「2萬無いんだぜ、何で1萬止めてんだよ」
とか言うのがその典型といえる。
2萬無いのはリーチした人の視点であってリーチ受けた人からすればただの無筋でむしろ2萬全然見えないんだから1萬は普通に危なかろう。
この時の1萬は要素3視点の良い待ちであって要素2では無関係だ。リーチしたら警戒されるに決まってるのである。
これが要素1のいい待ちだったのに自模れんかったショボンという話なら確かに可哀そうと思うかもしれないが(本当はよっしゃあああ助かったFooooって思ってるけど)。

実戦における使い方

じゃあこの知識って実戦でなんか役に立つのか?と思われる方もいらっしゃるだろう。
・・・うん、まああんまり役に立たない。聴牌自体が強いので待ちの強さどうこうは選択に大きな影響を与える機会が少ない。
でもそれじゃあ寂しいので役に立つ例を少し。

画像2

上記のような先制聴牌をしたとする。
タンヤオ三色で5200点自模れば満貫(切り上げ無なら7900点)ある間三萬待ちである。
正直リーチしてもいいしダマにしてもいいと思う。
ただ要素3視点では三萬は他家が使いにくそう(四萬をブロックしてるから)に見える。だが要素2視点で三萬はただの無筋だ。
じゃあ今回はダマにしてみるかと考えるのは一つの考え方として成立すると思う。先制リーチをすると要素2のほうが主張が強く、ダマだと要素3のほうが主張が強いと考えられるからである。
勿論「打点が欲しいのでリーチだ!」とするのも悪くないと思う。「自模って裏乗せて跳満にするんじゃあ~」という考えも素敵だ。山にいそうという読みならそれも面白い。
ただ上記を繰り返してしまうが「四萬が壁だから三萬は出やすいぞリーチだ!」という勘違いをしている人が少なくないように感じる。相手が受けに回ったら三萬は別に出やすくはない。相手が勝負してくるならその相手が使いづらいということは勿論あるけれど。
このように選択肢同士の価値が微差ないし等価の場合、場況などと合わせて参考にしてみてもいいかもしれない。

まとめ

一口に待ちが良いと言っても何が良いのか、どこが優れていてどこは普通なのかあるいは悪いのかという現状把握は選択精度を高めることに繋がる。ただ勝つためにそんなに役立つ話ではないかもしれない。
しかし、「AなのでBである」
という主張においては、Aが正しいかどうかと同じくBはAから導かれるべき結論として妥当かどうかも注意すべき大切なことだと思う。

良い待ちの「良さ」をどうすれば活かせるか?
悪い待ちの「悪さ」をうまく補える選択は無いか?
そんな風に考えると良いのかなと思う。

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