KOBUKURO WELCOME TO THE STREET 2018 ONE TIMES ONE ドキュメンタリー風ライブレポート

予想のつかないLIVE

 結成20周年を目前にし、黒田さんはより緊張感のある中でLIVEをしたいという思いでこのLIVEを提案した。このLIVEは小渕さんのギターやブルースハープなど、1人で演奏できる分の音しかない中で進行される。ツアーとしては初の試みで、さらに緊張感を増幅させるために黒田さんは、曲順は決めるが、途中にその場で曲を決めるコーナーを作ろうと提案した。日替わり曲というより、リクエスト曲だ。まさにストリートライブというような雰囲気だが、演奏担当の小渕さんはもちろん、黒田さんにとっても過酷なLIVEが続くことになる。小渕さんはあらかじめ何曲か決めたいと言ったが、黒田さんがそれだと面白くないと最後まで言い続け、その意見が通ることになった。結局、中盤に3曲、観客にその場で曲のリクエストを取ることになり、終盤に1曲日替わり曲を用意することになった。このLIVEで小渕さんは、すべての楽曲を、アコースティックギター、ブルースハープ、バスドラムなど、様々な楽器を駆使して演奏をしていくこととなった。

 LIVEは小渕さんの影アナから始まり、コブクロのストリートライブ時代の映像が流れる。

2人のステージ、幕開け

 2人だけのステージ。注目の1曲目は「YELL」。ラストサビの前で演奏を止めると拍手が起きた。コブクロのなにかしらの意図があったのだろう。また意外にも、この曲はメジャーデビューシングルでありながら、ツアーではファイナル限定で披露された「あの太陽が、この世界を照らし続けるように。」ツアー(2011)以来。歌い方はメジャーデビューの頃に戻ってきたかな。

 2曲目は「One Song From Two Hearts」。間奏で小渕さんは、アコースティックギターを弾き、ブルースハープでエレキギターを再現、さらにはバスドラムを足で演奏し、曲中はハモリ、ボーカルで大忙し。

 3曲目は「Million Films」。この曲をギター一本やアコースティック編成で演奏すると、とても安心するのは僕だけだろうか。ラストサビでは普段しない、観客に歌わせるという場面もあった。個人的にベストかもしれない。

 4曲目で、初のルーパー(音の録音と再生を行う)が登場した。ルーパーに音を入れると、小渕さんから挨拶があった。「ストリートのテーマ」でコールアンドレスポンスをし、1ブロック目を終えた。

「君になれ」とその日の気分のコーナー

 MCは、モノマネをしながらのバンドメンバー紹介。小渕さんが、普段のメンバーの紹介のマネをすると会場は笑いに包まれた。

 5曲目は、1つ前のツアーで新曲のロックとして披露された「君になれ」。個人的に、このツアーでしかできないといえばこの曲だと思う。ルーパーにドラム、エレキギター、そのハモリのエレキギターなど、さまざまな音を入れていき、演奏の迫力が増すと音が消え、歌が始まった。後半の「その愛は本物だから」の部分は大阪公演、高野苺さんとのコラボレートシングルに収録された公演どちらも声に勢いがあり、終盤に訪れる怒涛の元気づけられる歌詞が活かされた気がした。

 6〜8曲目は、初の試み、【その日の気分のコーナー】。その日の観客にリクエストをとったり、コブクロの気分で曲をきめたりした。ここからは各公演の様子を振り返ってみよう。

 ツアー初日の静岡公演1日目は、観客へのリクエストをとり、その日の気分のコーナー記念の1曲目は「そばにいれるなら」。小渕さんが、この歌を歌っている時の黒田さんの声が一番好きだという曲だ。しっとりとした雰囲気でこのコーナーが始まった。

 2日目ではまさかのハプニングが。このコーナー中、リクエストされた曲はコブクロがファイルに入っている楽譜を確認してから歌うのだが、ロックでファンからの人気が高い「彼方へ」がリクエストされたが、この曲だけがファイルになかったため、歌うことができなかった。しかし再度別の人にリクエストをとると拍手が大きかった。その6曲目は「夜空」。8年ぶりの披露となり、黒田さんが2番の入りを小渕さんに聞くように近づくレアなシーンも見られた。

 横浜公演1日目の6曲目は「永遠にともに」。黒田さんがパートを小渕さんに確認すると「それは覚えとけよ」とマイクオフで言われ、もう何も聞けなくなった黒田さんはそのまま歌へ。パートはあっていたが、歌詞が違った(笑)。

 2日目は7曲目の「朝顔」で「口笛吹いたら吹いて、吹かなくてもいいよ」と小渕さんから黒田さんへ話すと、黒田さんは本番で上手に口笛を披露した。

 福岡公演1日目は、黒田さんが観客にしたリクエストによって、懐かしい「コイン」からだったが、黒田さんは「もうちょっとやってる曲にしてよ」と大変そうにしていた(笑)。小渕さんによると、「コイン」が収録されているアルバム「5296」についてMr.Childrenの櫻井さんと対談した際、「コインっていい曲ですよね」と言われたそう。2012年のフリーライブ以来の歌唱だった。

 2日目は、観客へのリクエストで人気のあった「あなたへと続く道」と「光」を並べて披露するサービスもあり、「あなたへと続く道」の前に黒田さんから「僕が小学6年生のときに初めて作った歌です、お前へと続く道」と曲説があった(笑)。

 広島公演2日目は馬場俊英さんと小渕さんのババコブから「三つ葉のクローバー」がリクエストされ、Bメロの「黒 いつも」「小 そばに」「黒 君の」「小・黒 足元に」のパート割り確認はもう丸聞こえ(笑)。

 名古屋公演1日目は、6曲目に「これは黒田の曲なので曲説はできません」と言って「To calling of love」が披露され、大歓声が上がった。2日目は、黒田さんのエネルギー消費量が最も多いとされる「あの太陽が、この世界を照らし続けるように。」がリクエストされた。

 埼玉公演2日目は7曲目の「Bell」のサビの「走り出す」のメロディで黒田さんが上か下かで話し合い、観客に確認し、解決した。黒田さんは上のパートだった。

 大阪公演1日目は、6曲目からいきなり倒れるほどエネルギーを消費する「STAY」がリクエストされ、あの太陽が、この世界を照らし続けるように。ツアー以来7年ぶりに歌うと、「朝顔」を挟み、これもエネルギー消費量が多い「未来」が小渕さんのリクエストで披露された。そしてこの日は盛り上がりブロックで、スペシャルゲストとしてゆずが参戦し、人気の「いつか」、「夏色」が披露されたようだ。

 京セラドーム大阪公演2日目はまず、小渕さんの気分で一曲歌うことに。懐かしい曲で「2人」を歌った。そしてこの曲はインディーズからメジャーデビューをした後アルバムに収録するときに歌詞を削ったのだが、せっかくストリートのライブなのでというわけでインディーズバージョンで披露された。工事中のコブクロはウケましたね(笑)。その後は黒田さんによる観客へのリクエストで「YOU」、「NOTE」が披露された。「NOTE」は黒田さんが観客席まで移動し、観客に囲まれながら歌ったが、1番から歌詞を間違えてしまい、曲中にもかかわらず小渕さんにツッコまれた(笑)。

 9曲目は続けて「Ring」が披露された。アコースティックやギターのみの演奏といえばこの曲。

 人気曲や懐かしい曲がリクエストされ、最後に歌ったのが10年以上前という曲もあった。このツアーが人気の理由がそこにある。

人気のバラード披露

 2人のみのバラードブロックは、事前に行ったアンケート結果をもとに、人気のあるバラードが披露された。「桜」は確定で、「ここにしか咲かない花」、「風」、「風見鶏」、「蕾」が日替わりで披露された。コブクロの、特に小渕さんの想いが詰まった「蕾」は感極まることが何度もあり、横浜公演2日目では、今までの中で一番優しく、福岡公演では涙を堪えながら「蕾」を歌った。

 ここのMCはどの公演も爆笑だった。収録の入った京セラドーム大阪公演2日目は、黒田さんのストリートライブ時代の話。唯一MCがYOUTUBEに投稿されている。福岡公演初日では、黒田さんがツアーグッズのライトと少し似ているソフトクリームを間違えて食べたり、さいたま1日目にはお茶をのんだり、名古屋公演2日目には、サッカー日本代表の話になり、深夜にヘアメイクの中村さんに1分おきにメールをした小渕さんのメール内容を無許可で公開したりと自由なMCを展開した。

LIVE終盤 アカペラ

 とある公演では先輩の「ゆず」とのコラボもあり、13曲目は、ルーパーを使った演奏で、ドラムの音をギターを叩くことで再現した、「潮騒ドライブ」。

 14曲目は「Moon Light Party!!」。この曲のみ、黒田さんの「パフッ!」という楽器を使い、2人で演奏した。前日に先輩の「ゆず」から教わった「それそれそれそれ!」という掛け声で盛り上がった。

 そして、盛り上がりブロック最後は15曲目、「轍」。小渕さんの後奏でのギター演奏は過去最高レベル。盛り上がりブロックは3曲で閉じた。また、どれも声を出したり手を振ったりする曲だからコブクロの盛り上がり曲が凝縮されていたようだ。3曲で終わるのは珍しいが、本編はもう一曲残っている。

 それが、ツアータイトルにもなっている「ONE TIMES ONE」。1×1=1だが、出逢いはそれを何にもできる。小渕さんは詞の中で、風に揺れる2つのブランコがやがて重なり合うように、シンクロするような出会いや願いを探すことが大切だといった。この日のLIVEでも、2人別々のはずの声が重なり、1本になったこともあった。最後には、まさにストリートライブのマイクオフアカペラで観客を魅了した。

アンコール

 アンコール1曲目も日替わり曲。京セラドーム大阪公演2日目は「夢唄」が披露された。この曲は、ストリートライブをしていた頃に、自らの夢を叶え、そして観客の夢を叶えるために歌っていた曲。割と歌う機会がない楽曲だ。しかし一声目から歌詞を間違え、やり直しとなってしまった(笑)。

 ここで、京セラドーム大阪公演2日目(最終公演という意味で)に特別に披露された曲がある。2018年、九州豪雨の被害にあった人がたくさんいる。この事実を受け、コブクロが歌うと決めた曲。アンコール2曲目は「焚き火のような歌」。2011年に東日本大震災を受けて作った曲。観客のライトが一斉に赤に灯った。

 そして2人のステージ、支え合いのステージを締めくくったのは、「バトン」。命のバトンのことを歌にした。何度でもバトンを支えに立ち上がれるように生きたい。しっとりと、少しずつ、消えていくように、LIVEが終演した。

セットリスト

  1. YELL

  2. One Song From Two Hearts

  3. Million Films

  4. ストリートのテーマ

  5. 君になれ

  6. その日の気分のコーナー

  7. その日の気分のコーナー

  8. その日の気分のコーナー

  9. Ring

  10. 日替わり曲

  11. 日替わり曲

  12. 日替わり曲

  13. 潮騒ドライブ

  14. Moon Light Party !!

  15. ONE TIMES ONE

  16. 日替わり曲

  17. バトン

ここでセットリストは終わりだが、今回のツアーはその日の気分のコーナーや日替わり曲が多いので、まとめて紹介する。

6曲目 日替わり曲

静岡エコパアリーナ 1日目 そばにいれるなら.. 2日目 夜空(2010年ツアー以来)

横浜アリーナ 1日目 永遠にともに 2日目 向かい風(2009年ツアー日替わり以来)

マリンメッセ福岡 1日目 コイン 2日目 遠まわり

広島グリーンアリーナ 1日目 愛する人よ 2日目 三つ葉のクローバー(2009年ツアー日替わり以来・共作)

日本ガイシホール 1日目 To calling of love(黒) 2日目 夏の雫

さいたまスーパーアリーナ 1日目 忘れてはいけないもの(2004年『DOOR』ツアー以来) 2日目 流星

京セラドーム大阪 1日目 STAY 2日目 2人(2006年ファンフェスタ以来)

7曲目 日替わり曲

静岡エコパアリーナ 1日目 HUMMING LIFE 2日目 エピローグ

横浜アリーナ 1日目 2人 2日目 朝顔(2010年ファンフェスタ以来)

マリンメッセ福岡 1日目 そばにおいで 2日目 あなたへと続く道

広島グリーンアリーナ 1日目 六等星 2日目 Twilight

日本ガイシホール 1日目 東京の冬 2日目 坂道(2006年ファンフェスタ以来)

さいたまスーパーアリーナ 1日目 今、咲き誇る花たちよ 2日目 Bell(2009年ファンフェスタ以来)

京セラドーム大阪 1日目 朝顔 2日目 YOU

8曲目 日替わり曲

静岡エコパアリーナ 1日目 Fragile mind 2日目 LOVE(2005年ファンフェスタ以来)

横浜アリーナ 1日目 DOOR(黒) 2日目 どんな空でも

マリンメッセ福岡 1日目 miss you 2日目 光

広島グリーンアリーナ 1日目 NOTE 2日目 恋心(2009年ツアー以来)

日本ガイシホール 1日目 新しい場所(2010年ファンフェスタ以来)

 2日目 あの太陽が、この世界を照らし続けるように。

さいたまスーパーアリーナ 1日目 夢唄(2009年ツアー日替わり以来) 2日目 ANSWER

京セラドーム大阪 1日目 未来 2日目 NOTE

アンコール1曲目 日替わり曲

静岡エコパアリーナ 1日目 未来への帰り道 2日目 遠くで..

横浜アリーナ 1日目 YOU 2日目 赤い糸

マリンメッセ福岡 1日目 蜜蜂 2日目 星が綺麗な夜でした

広島グリーンアリーナ 1日目 手紙 2日目 ここから(2007年ファンフェスタ以来)

日本ガイシホール 1日目 STRAIGHT(2009年ファンフェスタ以来) 2日目 モノクローム

さいたまスーパーアリーナ 1日目 Flag 2日目 WHITE DAYS

京セラドーム大阪 1日目 虹の真下(2006年ファンフェスタ以来) 2日目 夢唄

また、横浜アリーナ2日目はゆずの夏色
広島グリーンアリーナ1日目はBye Bye Oh! Dear My Lover
京セラドーム大阪1日目はゆずとともにいつか、夏色
2日目はアンコール2曲目の前に焚き火の様な歌
を歌った。

最後までご覧いただきありがとうございました。

にじでした。


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