最近の記事

猫とミー

猫を見つけると撮ってしまう。 撮っていると、たまに話しかけられる。 おそらく近所の方だと思われる。 そしてほとんどの確率で、おばちゃん。 大袈裟かもしれないが猫を撮ってると心が洗われる。 なぜ犬ではなく猫なのか。 猫だけ撮っていれば楽なのに… なんて言ったら猫写真家の人に怒られそうだけど。 「いつか一緒に住んでみたいなぁ」 猫アレルギーな僕はSNSで流れる彼等を眺め そう呟いては鼻をかむ

    • たわいないひかり[解説]

      MOQJIの新しいアルバム「たわいないひかり」が完成した。この作品の中には自分が音楽を始めた頃の曲や前身バンドでよくやっていた曲も収録されている。もちろん新しい曲も。 音楽と出会って20年近く経った今もこうして続けられてる理由はなんだろう。 汚い部屋で小さく綴る歌を、わざわざ誰かに聴いてもらう行為とはなんだろう。 曲ができる度に考える。 "自分のため"と思っていたがそれだけじゃないという事はわかってきた。 それはさておき、ここで誰の得になるかわからないがアルバムの解

      • untitled flowers

        7月、9月と開催した個展「untitled flowers」が無事に終わった。来てくれた皆さま、本当にありがとうございました。たくさんの人と作品について話せたのが何よりも嬉しかった。 untitled flowersが生まれるまで 2022年1月28日。 初めての個展の日に母が倒れた。 同じ時期に恋人とも別れしばらく写真が撮れなくなった。ある日、好きなミュージシャンの新譜が出ている事に気づいた。聴いた瞬間心が跳ねるような感覚だった。 深夜の静まりかえった部屋で眠って

        • だんだんよくなってゆく

          今年に入ってまだそんな時間は経っていないはずなのに、もう何歳も歳を重ねたような感じする。つらいことが続いて心がどうにかなりそうだったけど、少しずつ、今は前を向いて頑張れている。 これから僕はどうなってゆくのかなー、と考えては結局何も浮かばず陽が落ちてしまう。全部やめたい気持ちもある。もう何もかもゼロにして真っ新な状態に。そんな事、無理ってわかってるんだけど。今は目の前のことに背を向けず、色々感じて、最後は全部作品になればいい。 心も身体も不安定な時、2人の音楽家から郵便物

        猫とミー

          春が来れば

          母の退院日が決まりました。予定だと4月の中旬には退院できるみたいです。1月の終わりに母が脳出血で倒れ、緊急手術してから退院日が決まるまで大変な毎日でしたが家族や仲間のおかげでなんとか前を向いて過ごす事ができました。 心配してくれた人や声をかけてくれた人たちには感謝しかないです。本当にありがとうございました。 リハビリの甲斐あって言語や身体の動作もかなりよくなってるみたいで安心しています。まだおぼつかないところもあるみたいなので暫く気は抜けませんが母にはこれからも元気で幸せ

          春が来れば

          表現

          きのう、電話の向こうの母は元気そうだった。元気そうというか、吹っ切れたような声をしていた。リハビリテーション病院へ転院してからまだ一週間だけど、母は毎日つらそうだった。リハビリがつらいというよりはリハビリをしていない空虚な時間が耐えがたいと言っていた。誰にも会えず外にも出れずただ時が流れてゆくだけの空間。大好きなネットフリックスにも集中できずぼーっとしちゃうと言っていた。このままでは母が違う病にかかってしまうと思った。泣きながら話す母の声が痛くて痛くて胸が張り裂けそうだった。

          リハビリ

          母の転院が決まった。脳出血発症から19日。ついにリハビリテーション病院に移れることになった。ここから長くて150日、早くて2〜3ヶ月のリハビリが始まる。今の時点で会話もずいぶん出来て正直回復の速さに驚いている。「早く家に帰りたい」と母が話していて、駄々を捏ねる子どもみたいで愛しくなった。 それでも言葉がしんどそうだなと感じる瞬間はあったので(僕には妹がいるんですが妹の名前と僕の名前がごっちゃになったり今年が何年か思い出せなかったり)しっかりリハビリして少しでも以前のように戻

          リハビリ

          誕生日

          誕生日だった。本当であれば今日はライブだったけど家から一歩も出ず過ごしていた。 母はフリーハンドで歩けるようになったらしい。ただ、言語の障害が良くなくて携帯のパスワードが思い出せないから相変わらず連絡もできない。面会もできない。きっと不安だろうし暇だろうし病気で入院してるのにまた違う病気になってしまわないか心配だ。試しにさっきLINE電話してみたけど出なかった。 転院予定のリハビリテーション病院は空き次第転院できる事になった。今は待機中。母よりも先に待ってる人が沢山いて、

          誕生日

          ご報告

          だいぶ時間が経ってしまいましたが1月28日〜30日に谷中トタンで行われた写真展『僕らはあの夕日を持ち帰れない』に足を運んでくれた方々、また応援や力を貸してれた友人、そして素晴らしい場所を提供、展示スペースとして貸していただいたトタンに感謝です。本当にありがとうございました。 しっかりとした挨拶ができないまま時間が経ってしまい、また2月の全ての音楽活動をストップした理由も報告せず急な発表をしてしまった事も本当にすいませんでした。 単刀直入に言いますと母親が脳出血で倒れてしま

          ご報告

          僕らはあの夕日を持ち帰れない

          展示に向けて決まったコンセプトはなかった。とにかく形に残したくて最初は本をつくるところから始まった。 ある時、撮りためた写真を整理していたら亡くなった友人のことが頭から離れなくなった。 彼の写真を眺めていたら撮っていてよかったなと思うと同時に少し悲しくもなった。 カメラを手にしたおかげで見過ごすには勿体無いほどの瞬間に出会う事ができた。その反面、写真を撮らなければ何も知らないまま生きてゆけたのかなとも思う。 それでも、僕は撮らずにはいられなかった。 悲しみも喜びも全

          僕らはあの夕日を持ち帰れない

          個展のお知らせ

          2022年1月28日-30日まで初の写真展を開催致します。短い期間ですが是非よろしくお願い致します。 哲宇・写真展 『僕らはあの夕日を持ち帰れない』 会期 : 2022年1月28日(金)-30日(日) 時間 : 13:00-20:00 会場 : 谷中トタン(@totan.tokyo) 住所 : 東京都台東区谷中3-9-23 (日暮里駅西口から徒歩6分) ※コロナウイルス感染症対策につきご来場の際マスクのご着用と入り口でのアルコール消毒にご協力ください。また、靴が6足見

          個展のお知らせ

          New Disaster

          お知らせ "New Disaster"という私家版の写真集が完成しました。この本は2020年3月29日〜2021年3月29日までの1年間を纏めた作品です。ステートメントを書いたので読んで頂けたら嬉しいです。 New Disaster 記録のような―― はたまた記憶のような―― とあるニュースによると東京は桜の満開後の積雪は51年ぶりらしく、その珍しさもあって私は撮影に出かけた。日付は2020年3月29日。その日はよく覚えている。世界は燃えていて人々は静けさに恐怖してい

          New Disaster

          portfolio

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          topazへ

          前回の記事からだいぶ経ってしまった。色々あったけど元気でやっている。今も色々あるけどなんとかやっている。前の記事の内容が個人的な想いで殴り書きのような文章になってしまって見ている人を混乱させてしまったなら申し訳なく思う。topazという名前で活動していたミュージシャン、イダユウヤが亡くなってから僕は毎日のように彼を思い出す。二人で飲みに行くわけでもなく僕が歌を休んでいる間はもちろん、共演する事もなかった。しかしカメラを始めてから一年ほど経ったある日「写真を撮ってほしい」と連絡

          topazへ

          topaz

          ごめん、全然実感湧かないよ、つーかツッコミどころ満載だよ!なんでやねん!て関西出身じゃないけど心の中で何度も言ったよ。ラストライブするにはちょっと早すぎないかい?今俺は1人だよ、さっきまで君が大好きな3markets[ ]のかざまさんとウラニーノ山岸さんと電車乗ってたよ、せっかくならとグリーン車乗ったよ、君の思い出話をしながら帰ったよ、1人が話し終えるたび、ほんの僅かな沈黙があって、胸が苦しかったけど、あの2人がいてよかったよ とりあえず新しい作品は君を愛してくれる全て

          高尾山へ

          1ヶ月前、ゆうさん(渋谷club乙-kinoto-、新宿ロックンロール以外は全部嘘)から電話がかかってきた。ライブの誘いかと思ったら高尾山へ行こうと。高尾山へ行って禁酒解禁のタイミングが踏み出せない僕を頂上手前にあるビアガーデンへ誘ってくれた。 2017年の12月から歌のために一滴も飲まず今日まで過ごしてきた。音楽活動休止しているし、しばらく歌う事はないし、いつ飲んでもいいのだけど、いつかまた歌う日が来る時、歌が思うように歌えなかったら情けないので未だに飲めないでいる。

          高尾山へ