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60歳すぎたらやめて幸せになれること『4.お金編』

我々60歳を超えたシニア世代はこれから何を考え、どう生きて行くかについて考えて行くシリーズを作って行こうと思いました。

目指すは、『人生100年時代に、自分らしく生きること』です。

考える事は多いのですが、切り口としては、『やめる・捨てる』です。

さて今回は『お金編』です。

何を『やめる・捨てる』べきなのでしょうか?

家財やものと同じように、お金にも整理整頓が必要です。

執着せず、不要な分を思い切って手放しましょう。

じつは、老後の生活はすでに切り詰めるところがない方が多いのです。

収入が年金のみになると、逆にいざというときに必要になるお金をキープすることを考えたいものです。

特に白物家電ですが、購入から12~13年経っていたら、寿命が近いと考え、買い替え用に毎月5,000円程度の予算をキープしておくことをおススメします。

それに、意外と自分の経済状況を知らない人は多いので、まず、貯金や年金収入、保険など、自分がどれだけの財産を持っているのか、きちんと把握してみて下さい。その上で生活費や一時支出の計画を立てて、身の丈にあった生活をすることが一番です。

特に女性は年金が少ないので、夫の年金についても把握しておくべきです。

ですから夫の皆さんは、自分の年金額を、奥様に早い時点で伝えてあげるべきですね。

私の場合はスマホにキープメモというメモ帳アプリを入れていて、給料日になったら、自分の資産状況の変化を記録するようにしています。

また各預金口座の入出金がリアルタイムで分かるように、ネットバンキングのアプリを入れて、家計簿代わりにしています。

いちいち銀行窓口やATMで、残高照会や記帳しなくてもよくなり、このムダ時間を省くことができています。

前置きが長くなったので、具体的な項目に入ります。

60歳すぎたらやめて幸せになれること、お金編です。

①老後の不安に付け込む保険はやめる。

『生命保険は、ほぼ解約しました』という方がおられます。

また、『病気やケガなどで収入が減ってしまった時のための所得補償型保険を解約しました。子どもが成人した今、夫に万一があっても貯蓄と遺族年金で生活費は間に合う事がわかったので』という方もおられます。

一定の年齢になると、生命保険を解約する人は少なくありません。特に万一に備えた死亡保険は子どもが成人した後は不要だとの意見もあります。

『死亡保険は残された家族が生活に困らないために入るもの。お葬式代くらいは。。。という人もいますが、今は家族葬が増えていますし、安いプランがたくさんあります。自分が死んだ後のことは家族に任せておけばいいと思います』という方もいます。

医療保険に関しても基本的には不要。国の高額療養費制度を使う事で、保険診療であれば収入に応じて上限が決められ、出費はそれほど多くはなりません。

わが家の場合も私の母が80歳を過ぎてから、ひざに人工関節を入れる手術をしたり、心臓にペースメーカーを入れたりしましたし、昨年からは要介護状態となり特養に入所しましたが、この国の高額療養費制度を利用したり、世帯分離をしたりして、持ち出しは、ほぼ母の国民年金+α程度の金額に抑えることができています。

またある方は、『これまで入っていた保険が、条件が良いものであるのなら、無理に解約する必要はありません。ですが、CMなどに影響されて、60歳をすぎてから新しく加入する必要もありません』とのことでした。

保障額と同程度の資産があるなら、銀行口座に移しておき、入院や介護が必要になったときに使うほうが、結果的に無駄がありません。

『保険は貯蓄型でない限り、家計を圧迫するものだともいえます。若い時に入った保険は、60歳を過ぎてからは保障内容を定期的に見直していくことも必要だと思います』というご意見もありました。

子どもの就職や、自分の定年をめどに見直してみるべき項目です。

②リスキーな不動産はすぐに手放す。

『別荘を持つと維持費や管理が大変。それなら、自由にもっと色々なところに旅行に行ける方が気軽でいい』とのご意見のように、土地・不動産は持っているだけでお金やいらぬ心配がかかるものです。

空いている場所にアパートや駐車場を建てて老後の資産運用をと、不労所得を考える人もいます。

しかし、『アパート、駐車場を経営するには経費がかかりますし、手間を管理会社に頼むと委託費がかなりの額になります。けっして不労所得ではありません』というご意見があります。

実際に学生の入所を当て込んで大学の近くにアパートを建てたものの、コロナ禍で通学が減り、空室ばかりになってしまったというケースもあるそうです。また、相続税対策にローンを組み、アパートを建てることも、得策ではありません。不動産は無理な運用をせず、不要なら売って現金化した方が面倒は減ります。

私の場合も親から譲り受けた土地がありましたが、毎年の草刈りに苦労しましたし、活用する計画もなかったので、売却してしまいました。

田舎の土地なので坪単価は安いのですが、老後資金として蓄える事ができてよかったと思っています。

また現在住んでいる築100年超の古民家はいよいよ住みづらくなってきたので、売却し、その資金で住み替えを決断しました。

リスキーな不動産はすぐに手放すことです。全くもってそう思います。

③投資を考える前にこれから必要なお金の計算を。

つい儲け話に乗ってしまい、多額の投資をして財産を失った人の話がしばしばニュースにもなります。判断力が衰え、お金を失った後の再起もしづらい60歳以上の人は、投資話には耳を貸さないのが最大の自衛策です。

どうしてもやりたい人は『つみたてNISA』でコツコツ積み立てを。

儲けようとは思わないことです。

シニアがお金を失う原因の多くは『もっと資産を増やしたい』と欲を出すこと。そこに付け込まれて、投資で損をしたり、ひどい場合は詐欺被害にあって老後のために貯めておいた資産をすべて失ってしまうこともあるのです。

人生の終わりが見えてきた世代に、お金を増やす理由はありません。今持っているお金と年金収入で、生活をまかなえれば十分だと考えましょう。余力があれば寄付などを考えればいいのです。

④なんとなく作ったクレジットカードはありませんか?

年会費が無料だから、行きつけのお店ですすめられたからという理由でクレジットカードを何枚も持っている人も多いのでは?

『特定のカードを使うと10%オフなど、特典があるものを厳選します。数が多ければ家計管理が難しくなり、紛失のリスクも大きくなります』とのご意見。

カードの管理がおろそかになると、スキミング被害などの被害にも気づきにくくなるおそれが。年会費無料のものを2枚までに減らすことがおススメです。

『退会は本人でないと、確認に時間がかかります。元気なうちにすませておきましょう。年会費無料のカードなら、遺族がしばらく放置していても問題はありませんが、会費があると、口座が凍結した後も、そのまま延滞料として加算し続けることに。負債として残りますから、子どもに迷惑がかかるのです』というご意見。

私もクレジットカードには悩まされて来ました。

アマゾンなどのネットショッピングにハマっていた時期があり、欲しいものをバンバン買っていた際は明細などチェックしていませんでしたが、たまたま見た明細書の中に、身に覚えのない請求が含まれており、慌ててクレジット会社に調査依頼をしましたが、調査が2~3ヶ月かかるのでお待ちくださいとの案内があり、待てど暮らせど明確な回答が来ず、カードを解約した経験が複数回あります。

またクレジットカードの使用明細をウェブで確認しようとした際に、IDやパスワードを忘れてしまい、非常に困った経験もあります。

とにかく前述の年会費無料のものを2枚までに減らすというアドバイスは心に刺さりました。

それ以来、クレジットカードで買い物をする場合は、夫婦で相談し、これは絶対必要だと思うものだけを買うようになりました。

それとリボ払いにも苦しめられた経験もあります。リボ払いは止めましょう。何であれ一括払いのみで支払うことにしました。

若いうちからマネーリテラシーを高める努力をしてこなかったことを今更ながら後悔しています。

⑤安いが理由の購入は反省すべき。

シニア世代になると、若い頃ほどもの自体を必要としなくなっているはず。だからこそ、ものを買う時は値段だけに左右されず本当に良いもの、必要なものを見極めて購入することが大切です。

『安いからと値段だけで買うと、一時的に多少の満足感はありますが、品物に対しての満足感を得られないことが多く、また別のものを買うことにつながります。買う前に、定価でも買う?という問いかけが必要。また頑張って節約したのだからご褒美と、節約した金額以上にお金を使いがちになることも』という方もおられます。

SNSの広告に多い、初回〇円と謳われたサプリメントや化粧品の衝動買いにも要注意です。

『初回は確かに安いですが、継続購入が条件で、2回目以降は高額になることがあります。やめようと思っても、解約が面倒なことがほとんどです』とのご意見もあります。

私も初回サンプルがたったの〇円というキャッチにそそのかされて、1回のみの注文をしたのですが、それ以降、頻繁にダイレクトメールの封筒が自宅に届き、それを断るのに四苦八苦した経験があります。

安いから買う、これは絶対やめた方がいいと思います。

⑥退職金受給後1年間は危険がいっぱい。

退職金はご褒美であってご褒美ではない。使い切らないように計画的に管理する。これらは今回この雑誌で取材に協力してくれた皆さんの共通の見解です。

たとえば住宅ローンが残っていても、退職金すべてローン返済に回すのは考えもの。ある程度の現金は、いざというときのために残しておきたいものです。

また退職金をもらったという情報は、金融・投資業者にまわり、さまざまな勧誘があることも多いので要注意です。

退職後1年間は、いろいろな投資のセールス電話があると思います。1年が過ぎれば収まりますので、しばらく我慢して落ち着くのを待ちましょう。

⑦老親の財産はないものとあてにしない。

60歳を越えると、親の死を経験する人が多くなります。ただ、今の親世代はとても長生き。親の遺産で○○をしたいと考えても、親自身の介護費用で貯金を使い切り、財産が残らないことも少なくありません。

『親が生きているうちに、どれだけの財産があり、介護にどれだけ必要かなど、親ときょうだいで、死後のことを話し合っておくことが大切です。また、亡くなると銀行口座が凍結され、解約には故人の戸籍謄本を集めるなどの手間がかかります。可能なら親の口座は一つにまとめておき、必要書類を事前に揃えておくと手間が最小限になります』とのご意見も。

ここで、親や夫が死ぬ前にやっておくべきリストを書きます。

・通帳は多くても2つにまとめておく。できれば1つがベストだが、本人による手続きが必要なので、本人が長期入院する前に済ませておくべきです。

・必要な戸籍謄本を集めておく。口座解約に必要です。

・戸籍を調べておく。婚外子の存在も分かります。

・暗証番号、パスワードの共有。これからの時代に不可欠な作業です。

・サブスクの解約。口座が凍結した後も利用料金が加算されます。余分な契約は早めに止めておきましょう。

・きょうだいの印鑑登録証明書を集めておく。口座の解約、相続などに必要です。実印登録は済ませておきましょう。

私も母の預貯金の把握や通帳の整理に苦労しました。ここでは書けない内容ですが、母親の財産をどうしていくかについて、直接、母親と話し合うのは正直気が引けましたが、親が認知症になってからでは遅いのです。割り切って早めに親に相談を持ちかけ、結論を出しておくことをおススメします。またきょうだいとの話し合いも必要となります。親が生きているうちにきょうだいでよく話し合っておくこともおススメします。とにかくお金がらみの問題は第3者がいる場合はモメますので、ご覚悟願います。

⑧自立した子どもの援助はきっぱり断る。

いくつになっても子どもは頼りなく見え、つい金銭的援助をしたくなることもあるでしょう。ただ、特別な事情がない限り、成人した子どもに対する養育的義務は法律的にもありません。

『早くに自立した方が子ども自身のためになるはず。いくつになったら家を出ると約束をしておく』というご意見も。

子どもが若いうちからたびたび自立を促しておき、適度な距離感を保つことがかえって良い親子関係を保つコツといえるかもしれません。また子どもに援助をした結果、こちらの生活が厳しくなってはたいへんです。

『息子が結婚してしばらくは何かと援助をしていましたが、主人が退職したこととコロナ禍を機にお金の援助はできないと息子夫婦にキッパリと宣言しました』という方も。

ズルズルと渡していると、子ども側も援助をあてにしてしまいます。定年や年金受給などをきっかけに卒業宣言をしましょう。

『気をつけたいのは、きょうだいがいる場合、援助額が不公平にならないよう、つじつまを合わせること。全員にあげられないのならいいのですが、たとえば長男ばかりに援助したままにすると、のちのちきょうだいが親の死後にもめる原因にもなります』とのご意見も。

援助の機会が少なかった子どもに対しては、別にまとまった額を渡すなどの工夫が必要です。

⑨やりくり時代が終わったら家計簿は不要

家計簿は収入と支出の変動が激しい現役時代のやりくりを把握するためにつけるもの。収入・支出が一定になったシニア世代には必要ありません。

『老眼鏡が必要になった50代から家計簿はつけていません。買い物のほとんどはクレジットカードなので、月1回、明細をプリントアウトして支出のみを確認します。これでストレスが減りました』とのご意見。

『覚えておきたい買い物や外食をした日付と金額だけをメモに残し、その脇にちょっとした思うところを書いたりしています』というご意見も。

現役引退まで、細かいお金の計算を続けるのは、かなり面倒な作業になります。貯金を大きく減らしていないかということだけを確認できれば十分です。私の場合は毎月給料日の日に、スマホのメモで自分の資産と貯金を調べて記録しています。前月対比でどの口座がどれだけ変化したかがおおまかに分かるのでこれで十分だと思っています。各口座で10万円以上の変化があった場合にその原因もメモするようにしています。お金の見える化、大切だと思います。

⑩必死で貯めた学資保険はじつは元本割れ。

『現在、学資保険は元本割れしている状況です。つまり、かけるだけ無駄なのです。小学校から大学まで教育費は高額なので、子どもや孫にできるだけのことをしてあげたいという気持で、学資保険に入っている人もいるかもしれません。ですが、現在の状況では同額をコツコツ積み立てた方が得です。お金を直接渡すと贈与税がかかるのでは、と思うかもしれませんが、年110万円以下なら非課税。教育資金の一括贈与制度を使えば、30歳未満の子ども、孫への教育資金に対する援助はひとりあたり1500万円まで非課税で贈与することができます。お金が有り余っているなら別ですが、孫への援助なら入学のお祝い金くらいで十分です。もちろん、援助しなくても全く問題はありません。』とのご意見です。

⑪お年玉は高校生までと断言しておく。

新年を迎えた時に頭を悩ませるのが子どもや孫へのお年玉。ある程度の区切りをつけないと、際限なく渡すことになりかねません。お年玉は高校生までと決め、あらかじめ宣言しておくといいでしょう。親戚とも話し合っておくと、無用なトラブルを防ぐことができます。

『たとえば、自分のきょうだいの孫に対しても、高校生までしか出さない、あげる場合、金額はこれくらい、と決めておき、お互いにあげた・あげないともめないように、約束しておきます』とのご意見。

渡さないなりに、子どもたちには不公平感を与えない気配りが必要です。お年玉はナシと決めたら、親戚一同が集まったときでも、大人同士の関係性にかかわらず、子ども全員に渡さないようにして下さい。

お正月前に、きょうだいや親戚との事前のすり合わせが必要ということです。

⑫気をつけよう。生前贈与は損なことばかり。

相続税は3000万円+(600万円×法定相続人数)まで非課税です。たとえば相続人が子ども2人の場合、4200万円までは申告の必要がありません。対して贈与税は年間110万円を超えると申告の必要があります。

一般家庭の場合、税金のことだけでいえば、死後に相続したほうが得であることが多いでしょう。非課税の範囲で毎年、少しづつ子どもに贈与している人もいるかもしれません。

『自分がいつまで生きるかわからない以上、持っている財産をすべて子どもに譲ってしまうのは考えものです』というご意見も。

介護が必要になった時、財産を受け取った子どもが、必ず面倒をみてくれるとも限りません。また家の改築や入院など思わぬ出費必要になることも考えられます。あのとき、あげなければよかったと、後悔することは避けたいもの。自由に使える現金は持っておくことをおススメします。

⑬家族や子どもに財産を残さない方法。

『子どものことを考えるなら、お金を残すことよりも、自分の死後に、きょうだいや親戚たちと仲良く暮らしていけるよう願うことが、一番、大切ではないでしょうか』とのご意見。

金額の大小にかかわらず、親の遺産を巡ってきょうだいが争うことは珍しくありません。介護費用以上のお金は貯め込まず、生きているうちに家族旅行や食事会など、みんなが楽しめることに使い切った方がスッキリすることも。現金は100万円程度残しておけば、家族葬と戒名料、一周忌の法要くらいまでまかなえます。相続がある場合はしっかり遺言に書いておくことが必大切です。独身の人は特にしっかり遺言状を書いてください。遺産を寄付したい場合も、遺言状があれば希望が叶います。できれば専門家と相談して作成、保管すると確実です。

さて60歳すぎたら『やめる・捨てる』ことをもう一度整理すると、

①老後の不安に付け込む保険はやめる。

②リスキーな不動産はすぐに手放す。

③投資を考える前にこれから必要なお金の計算を。

④なんとなく作ったクレジットカードはありませんか?

⑤安いが理由の購入は反省すべき。

⑥退職金受給後1年間は危険がいっぱい。

⑦老親の財産はないものとあてにしない。

⑧自立した子どもの援助はきっぱり断る。

⑨やりくり時代が終わったら家計簿は不要

⑩必死で貯めた学資保険はじつは元本割れ。

⑪お年玉は高校生までと断言しておく。

⑫気をつけよう。生前贈与は損なことばかり。

⑬家族や子どもに財産を残さない方法。

さていかがだったでしょうか?

一つでも思い当たることがあれば、勇気をもって手放して下さい。

さて次回は、5.暮らし編です。

お楽しみに!

このシリーズを進めるにあたり、参考にさせてもらった雑誌を紹介します。

『60歳すぎたらやめて幸せになれる100のこと』

宝島社 2022年1月8日 第3刷発行 です。

そんじゃまた!

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