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Cigarettes

19の時
好きだった男性からたばこを貰い
初めて吸った
3本目まではむせたけど
その後慣れた
しばらく経ってからその人は言った
「あなたのチョイスでしょ」
確かに、完全に私のチョイス
その人のせいじゃない
それからは
病める時も健やかなる時も
嬉しい時も悲しい時も
たばこを吸った
最初にたばこをくれた男性のことは
もうあまり思い出せない
でもたばこは私の一番の友となり
私を支え続けた
年月が経ち
値段も驚くほど上がったけど
止めようとは思わなくて
今日もぼんやり
キッチンの換気扇の下で
また火をつける
旦那がいつか言ったな
私がもし呆けたら
最後にたばこを一本吸わせて
崖から突き落とすって…
そして自分も飛び降りるんだって
嫌だな、そんな最期
変な小説を読みすぎたらしい
でも、地球最後の日に
私は特に食べたいものはなくて
コンビニのおにぎりとかでいいから
やっぱりたばこが吸いたい
たばこのことなら
いくらでも語れると思った
夏の夕暮れ





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