家出ゲーの続編が復讐劇という温度差に風邪を引いてもHades IIは面白い

Hades II、話が深刻!!!!!!!!!!!!

話が深刻。
何せゲーム開始1時間時点においては、およそ事前情報でわかっていた通り、生まれたばっかの頃に親兄弟をさらわれただ一人残された王女が、その犯人に復讐のうえ親兄弟を取り戻さんとする話である。
ちなみに前作は親父と折り合いがつかずやさぐれた王子がカーチャンに会うため家出する話として始まった。温度差で風邪引くわい!
今後どう転ぶかわからないとはいえ、現状、少なくとも前作より責任重大っぽさがある。平日の空いた時間に差し込んでチマチマやってくテンションではなくなった。操作感はわかってきたから、後は休みの日に腰を据えて進めていく。

アクション面は安定の面白さ。
今回はチャージ攻撃がより豊富になった。永続強化に乏しい序盤でも、これを上手く使えば比較的容易に一方的な戦闘を展開できたりする。ただしマナという新リソースの管理が必要。調子に乗るとすぐガス欠を起こし、敵にワラワラ囲まれながらポリポリ頬を掻く羽目になる。
リスクとリターンの駆け引きがザグレウスお兄ちゃんよりピーキーになっているのがメリノエ姫だ。彼女をザグレウス坊やと同じ感覚で操作するとタイヘンなことになる。なった。
メルお嬢とザグ坊では動かす楽しさの味付けが明確に異なるので、あぁ2が出たから1はもう卒業だね〜とは私はならない。今後もまた突然思い出したように1に没頭することがあると思う。

拠点は状況が状況であるため、家というより前線進軍拠点。自室相当の場所も、とあるオブジェクトを筆頭にやや悲壮感が漂う。
師匠をはじめとする、メリノエ姫にそば近い存在がみな情深くいてくれるのが救い。ややツンなお方もいらっしゃるが、ただのツンなのがセリフ一個でわかる程度のやつだ。みんな優しい。おつらさの中に優しさがあるから頑張れる。
また、「焦んなよ大丈夫だぞ(意訳)」「前より先進んでんぞすげーじゃん(意訳)」みたいなことを要所要所で言ってもらえる。精神的に助かるし、ゲームの構造としても非常に良い。前作では主にヒュプノスが担当していた部分だが、作中でのこういう声掛けはローグライト・ローグライクに初めて手をつけるユーザーを挫折させない措置として極めて重要だと思う。
このゲームジャンルはとにかく死ぬ。途中死自体がゲームデザインに組み込まれているので当たり前である。死に戻りの数だけ強くなれる、だなら死や失敗は怖くない、するほど良い、これを話の流れで自然に教えてくれる。ストーリー・システム・ガイダンスが完全に融合した好例といえる。

翻訳。安心・安全のハチノヨン翻訳。ウワッどう訳すんだコレみたいなワードにも的確な答えを出してくる。「最初から日本語だったかなこのゲーム」と思わせる方向性のハチノヨン翻訳、私は好きだよ。逐語訳だったら各々が手元でやるのもそう難しくはないわけで。

サウンド、UI。一本のゲームとしても続編としても非の打ち所がないので一括りにする。マジで説明不要。聴くか見るかする方が早い。

総じて前作同様、楽しいゲームを作ろうとしている楽しんでゲームを作っているという姿勢を強烈に感じる。これでアーリーアクセス、ver0.9というのだからとんでもない話だ。

子供の頃に好きだった、楽しんで作られた楽しいゲームは、ゲームの市場規模が大きくなるにつれて減っているように感じる。実際減ってるんじゃないかなぁ。絶対数というより、全体数に対して相対的に。しかし、決して無くなってなんかいない
このメーカーのゲームはいつもそれを教えてくれるんだ。