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Netflix『生きてるだけで、愛』を観て

『いんじゃない』

多分この映画で誰も拾っていないんじゃないかっていう、普通だったら聞き流してしまいそうな言葉が胸に刺さった。
しかも主役でもない人の言った言葉で。
終始重くて、暗いこの映画の中で、ここだけ妙にカラッと明るかったから。

きっと今の世の中に、少なくとも日本に必要なのはこのまあいっかというような
アバウトな気持ちなのではないかと感じた。

それは手を抜いて100でやらなければいけないことを50とか60の力でやればいいというような、投げやりに何もかもどうでもいいと諦めるようなことではなく、

きちんとやって、それで成功しなかったり、
きちんとやって、結果を残せなかったとしても

それでも

『いんじゃない』

という許容という意味で。

何か問題があったとしても、
例え失敗したとしても、
もしできなかったとしても

何かを行動に移すということそれ自体がすごいことで、いいんじゃないっていう。

真意はわからないけど、少なくとも私はそう解釈した。

この映画は鬱だったり引きこもりだったり、
(昭和の雰囲気が漂っているという意味で)
社会とか会社の実態が浮き彫りになっていたり、
今の日本の世の中でまだ根強くある、

みんなが何となく感じているような閉塞感が描かれている。

しかも、最後は話としてはハッピーな終わり方ではい。
でもそれが妙にリアルで、主演の二人の演技力には圧倒された。

もしかしたら
今自分が少しセンチメンタルだからこの言葉が突き刺さったのかもしれないし、
むしろ今の自分を肯定してほしくて、
すがる思いでこの言葉が心に残ったのかもしれない。

そして、
この映画の監督や原作者はもっと別のことを言いたかったのかもしれない。
でも私はそこがどうしても忘れられないのだ。
(もちろん印象的な場面は他にもたくさんあるが)

結論としては、
もう使い古された感想じゃ少し安直すぎるかなという気持ちもあるが、

世の中の人たちに、
こういう『いんじゃない』という
気持ちの余裕があったら世の中がもう少し明るくなるんじゃないかなあと、ぼんやり思う。

そして観終わって1週間してもなお、
私の心に響いている。

少し話は脱線して
そもそも論になってしまうけど、

天才と言われて実力を残している人は
誰かの失敗とかを見て、もっとその何千何百倍も努力をしているんだよ。とか、
それでも努力が足りないよ。という人は一定数いるというのは承知している。
現に何千倍どころじゃなく、何億倍もこの物語の主人公や私より努力をしているのかもしれない。
し、実際そうなんじゃないかなというのは薄々気づいているつもりだ。
(まあ見たくない現実ではあるけれど。)


それも十分わかっているつもりだけど、今こういう感想を書いている。

それは自分なりに頑張ってきたという自分軸から、
それはそれで自分で自分を褒めてあげたいから。

少なからず人はそれぞれの基準や限界や環境やその他複雑な色々なものがあって成り立っているし、
結局自分はどんなに足掻いても、自分自身で自分自身の道を歩むしかないのだから。


あ‥書いていて気づいたけど、きっとこれが原作者が本当に言いたかったことなのかもしれない。
(予告でもこの部分が切り取られているし)


甘えと言われようが、周りが見えていないと言われようがそれでもいい。
これ以上そもそも論を繰り広げると、何も語れなくなってしまうから。

自分は自分で認めてあげたいし、時には根拠のない自信や運をも実力だよって言ってあげたいから。


話は何度もそれてしまったが、何が言いたいかというと、

今やこれからを変えることはで切るけど、過去歩んできた道は変えられない。

ただ、一つ救いがあるとするなら、今や未来を変えることで、
過去の行動の意味は少しずつ変わる。ということだ。

自分は必ずやれる!そう思い込んで、
そしてこの無職の鬱々とした気持ちを乗り越えて、
未来で笑っていたい。

だから私は今や過去の自分を全て肯定できるように生きていきたいし、
そのために今は少し苦しいけれども未来の自分と、
過去自分がやってきたことを肯定できる自分になるために、
何か少しでも動いていこうと思っている。

その第一弾としてこのnoteを書いてみた。


と、まあ謎な部分にどうしても気持ちが引っ張られたが、少し苦しいけど、この映画を観てよかった。


私は全くの素人で、評論家ぶるつもりもないし、評論家でもないのだけど、
もう少しだけ言葉に表せる文章力が欲しいといつも思う。
そうすれば誰かにこの感想が刺さってくれたりするのかなとか。

あと、原作をまだ読んでいないので、読んでみたいとも思っている。
でも、どうしても今の心境で読んだら引き込まれてしまいそうで、まだ手をつけられずにいる。


おしまい。


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