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【アート】デジタル空間で絵や動画や音声が価値を持つ! #NFTの歩き方4

こんにちは、雨弓です。第4章である今回からは第3章で紹介したそれぞれのジャンルに対して少し深堀りして解説していきたいと思います。今回のテーマはズバリ「NFTアート」ですが、具体的なNFTのニュースや事例は他のサイトや記事に譲り、なぜNFTのアートがこんなにも世界中を熱狂させているのかという本質と根幹を解説していきます。


0.【序章】デジタル空間におけるNFTという革命

1.【FTとの違い】そもそもNFTってなに?

2.【技術】NFTってどうやって本物を区別しているの?

3.【活用事例】アート、トレカ、ゲーム、権利など様々な使い方!

4.【アート】デジタル空間で絵や動画や音声が価値を持つ!

5.【トレカ】思わず集めたくなる仕組みと体験!

6.【ゲーム】育てて交換、対戦!遊びながら儲かることも?

7.【その他】思い出に、記念に、自慢用に!歴史の1ページを記録して保有!

8.【法律】実はかなり複雑でまだまだ未整備な法体制や権利関係!

9.【税金】どんな扱いになるのか、知らないと怖い税制! (一般的な認識)


「どうやって区別しているの?NFTの簡単な技術的なお話し」でも技術的なことをお話しましたが、NFTという技術が誕生するまではデジタルデータに対してユニーク性、オリジナル性、唯一性などを持たせることができませんでした。

そして「オリジナル」のデジタルデータも「コピー」のデジタルデータも同じという状況では、両者に違いが全くないため、そのデータに対して価値をもたせる事ができませんでした。

そしてデータの区別ができないため、簡単にデータがコピーされネット上にばら撒かれてしまっていました。例えば分かりやすいところでいきますと漫画やアニメ、映画などが漫画村、アニチューブ、その他様々な海賊版サイトや違法サイトによって誰でも閲覧、使用等が可能になってしまっています。

原作やオリジナルの権利を持つIP会社(例えばジャンプを発行する集英社や、アニプレックスなどのアニメの会社など)は、問題が起こってしまったあとにその取り締まりを行うことしかできませんでした。延々と続くいたちごっこですが、これでは常に後手に回ってしまいラチがあきません。

そんな中で誕生したのがNFT技術です。 NFT技術はコピーを防ぐ技術ではなく、「本物を証明する」技術です。これは今までのいたちごっことは全く違う方向性を示しました。

つまり作品を世の中に出してから違法なサイトを見つけたら対処するという後手な立ち回りではなく、最初から本物が1つだけだとすることで誰でもそれが本物と分かるようにするという先手を打つやり方です(場合によっては本物が複数ある場合もありますがそれでも本物かどうかを一瞬で見分けれるようになったという点では意味は同じです)。

また、プラットフォームに依存したモデルであればデータに唯一性を持つことは今まででもできていました。例えばデジタルなカードやアイテムは様々なゲームやアプリ上には一応存在していましたが、それは1つの会社のデータベースの中に存在しているだけであり、誰かと交換したり売買したりできるような資産にはなりづらいものでした。

さらに資産として成り立つためにはより多くの人が使える環境であったり、なるべく1つの企業に頼らないようなモデルでないと安心して使えないために今まではデジタル上でのユニークなデータを扱うのが非常に難しかったという側面もあります。

少し観点は異なりますが「お金」としての役割として重要な「交換機能」「価値の保存機能」「価値の尺度機能」という3つのポイントで考えるとこの様な比較になります。

ブロックチェーンを使う大きなメリットの一つとして、この様に多くの人が共通して使えるデータ基盤があることでいきなりグローバルな規模でアーティストやコレクターがNFTアートを買ったり売ったりがとても便利にできます。

さらにNFT(デジタルデータ)の良いところは圧倒的な流動性です。

これにより一部の地域から日本全国へ、アジアへ、世界へというリーチできる人が一気に増えました。誰にも売ることができなかったアート作品は、作品自体が価値を持つことができる様になり、さらにその作品に価値を感じる人へと届きやすい環境が今、人類史上初めて実現しています。

さらに大きなメリットとして、物理的なアイテムは本来、保管に関して物理的な場所を必要とし、管理するためには人手も必要でした。

一方でNFTにはオンライン上のスペースさえあればよく、さらにセキュリティに関してもイーサリアムを攻撃して仮想通貨ETHが盗まれたりNFTが盗まれたりしたことは今まで一度もなくとても堅牢です(※)。

これからはどこに住んでいるかに関わらず、誰でもNFTアートを創出し、世界中へ発信販売していくことが可能です。

(※正確にはイーサリアムの歴史の中でも様々な事件はありますが、それは外部に接続したサービスの不備などでありイーサリアムのセキュリティが正面から突破されたりアカウントの乗っ取りがあったことは一度もありません)


また、既存のアートであれば絵画や彫刻、音楽、映像、なんであれ基本的には作品は「完成」してから販売、流通していきます(「未完成」なことがテーマの作品もありましたがそれらは非常に稀なので例外です)。これは非常に当たり前のことではありますが、デジタルデータたるNFTではそのルールに縛られません。

実際に変化する作品は少しずつ実現が始まっており、プログラマブルNFTと呼ばれています。これらは外部からの情報(ビットコインの値段、天気、気温など)を取り込んで中身を変化させることができます。例えばボラリティリティーアートという作品ではビットコインの価格によって内容が変化するというものです。

「ボラティリティアート」は24時間ごとに変化し、毎日異なる模様となって変化しづつける作品

https://volatility.art


このようにNFTはアート業界においてただ「唯一性」をもたらしただけでなく、世界中で誰でも交換や売買が可能になる「流動性」と、デジタルデータならではのプラグラマブルな「変化性」をもたらしました。

さらに今後ARやVRのますますの発展と普及は容易に想像できますので、自分の部屋や会社のエントランスに「NFTアートを飾る」という未来はすぐそこまで近づいてきています。つまり今後はNFTアートに対して「実用性」も増加してくるでしょう。

というわけで今回はNFTアートという新しい概念の凄まじさについて説明しました。次回はNFTトレカについて、お話ししようと思います。それでは!

※本記事内の図や表現はご自由にお使いいただいて構いません。
※この記事は2021年7月に執筆したものです。

監修:levさん

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