[映画]水曜日が消えた

 今夜のU-NEXT は『水曜日が消えた』。2020年の作品。

 明日の朝目が覚めたとき、自分が自分ではなくなっているかもしれない。そんな妄想をしたことがある人は多いのではないか。明日は今日とは違う自分。比喩的にそんな表現をされることもある。もし、今日と明日の自分が別人だったら。もし、曜日ごとに登場する人格が異なっていたら。

 小学生の頃に起こった交通事故により、脳に障害を負い、曜日ごとに別人格が現れる七重人格になってしまった主人公。おそらく外傷からこのような人格障害が発生するという設定には医学的根拠はないものと思われ、ある種のSFと言っても良いかもしれない。七つに分かれてしまった人格は、きっちりと曜日ごとに切り替わって現れる。月曜日の人格はずっと月曜日を暮らしている。主人公はこの中の「火曜日」で、タイトルで消えてしまった水曜日というのは、水曜日に発生していた人格のことを指している。この、毎週決まった日に決まった人格が現れる、という設定が面白い。水曜日は毎週ゴミを出し、火曜日は図書館に入れない。来週が明日であるという感覚。

 彼らの七重の暮らしぶりが描かれるのだけれど、もうそれだけでもかなり面白い。身体は一つしかないのだけれど、曜日ごとに別の人が暮らすシェアハウスのような感じで、決して会うことのないルームメイトと家を共有しているような感じなのだ。個々の人格は性格も違えば能力も異なる。全く別人と言って良い。それぞれがそれぞれの交友関係を持っており、互いに自分以外のことは詳しくはわからない。主人公である火曜日は学校へ通っているらしい描かれ方をするが、他の曜日はどうも学校へは行っていない。そのようなことがどういう理屈で可能になっているのかという説明は無い。

 このような状態が描かれ、ある水曜の朝、火曜日が目覚めたことにより、水曜日の消失が発覚する。

 思えば、多くの人は夜寝るとき、明日の朝また同じ自分として目覚めることを疑わない。でも明日の自分が今日と同じではないかもしれないし、明日の朝、目覚めないという可能性もある。

 配信で見る場合、エンドロールは見ないという人も多いかもしれないけれど、この作品のエンドロールは楽しい仕掛けが満載なのでぜひ終わりまで見てほしい。

画像1

いただいたサポートはお茶代にしたり、他の人のサポートに回したりします。