[映画]コングレス未来学会議

 今夜のU-NEXT は『コングレス未来学会議』。2013年の作品。

 実在の女優、ロビン・ライトが本人役で出ている。俳優をデジタルスキャンしてデータ化し、以降はそのデータを使って映画を作る。制作会社はその使用契約を、俳優と結ぶ。現在の現実世界にはこのような契約はおそらくまだ無いものの、デジタルデータとして実写と見分けのつかないコンピュータグラフィックスで画面に登場する俳優は少なくない。見ている側も気づいていないケースもある。

 例えばスターウォーズシリーズには既に亡くなった俳優が出演していたし、『ジェミニマン』ではウィル・スミスが若いウィル・スミスと戦っていた。Netflix で公開中の『アイリッシュ・マン』にはロバート・デニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシらが中年~老人までの年代を演じていた。本人を撮影した映像にCGを重ねて若返らせている、とメイキング映像(これもNetflix で公開されている)で語られていた。完成映像を見るだけでは、どのように合成されているのかもはやわからない。

 技術的には既に、存在しない俳優を画面に登場させることは可能になっている。存命の俳優であっても、若き日の姿は既にこの世に存在しない。それを実写と見まがうレベルで見せることができるのだから、最初からCGとしてしか登場しない俳優の存在はあり得るだろうし、例えばある俳優が既に演じておらず、ぜんぶCGになっていたとして、完成映像しか見なければそのことに気づかないかもしれない。

 この作品はそのような少し先の未来を描いているのだけれど、中盤からさらにもうひと展開ある。この中盤以降の展開は予想を許さないもので、イマジネーションが爆発している。その分前半とのつながりは希薄で、途中からまったく別の映画になったような印象は否めないけれど、ハリウッド的定型にはまらない展開はやはり面白い。

 終盤、どういう風に着地するのだろうかと思いながら見ていると、極めて陳腐なディストピア的ビジョンが登場する。これも意外性はあるのだけれど、悪い方向に意外だ。ここまでこれだけのイマジネーションを展開しておいてこの陳腐な絵を見せちゃうのかというガッカリ感があった。そこからの結末は一応結末であるのに蛇足にしか見えず、大きくぶちあがったものを尻すぼみに収めてしまった印象ではあった。せっかく定型にはまらない展開をしたのだから、最後も無理に予定調和的着地をする必要はなかったのではあるまいか。

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