[映画]ニューヨーク・ストーリー
今夜のU-NEXT は『ニューヨーク・ストーリー』。1989年の作品。
この作品はアマゾン・プライムには無いようですね…。
ニューヨークを舞台にした三本のオムニバス。一本目はマーティン・スコセッシ、二本目はフランシス・フォード・コッポラ、三本目はウディ・アレンという巨匠揃い踏みの豪華なオムニバスなのだ。三本三様、同じニューヨークを舞台にしているけれどまったく味わいの異なる三本が並んでいる。
一本目はスコセッシの『ライフ・レッスン』。実力のある中年の画家が、若い画家志望の女性を住み込みで助手として雇っているという話。それはもうお互いに打算というかなんというか、いびつな愛のカタチなわけであるけれども、迷惑な中年の押しつけがましい愛情が若い女性にはぜんぜん届かない、といった感じの展開。破れかぶれな感じでも個展だけは成功して…と思いきや、ラストが最高にいい。
二本目は少女を主人公にしたあったかいコメディ。世界有数のフルート奏者の父と写真家の母。世界を股にかける両親のおかげで少女はホテル暮らし。そんな少女の通う学校に、アラブの石油王の御曹司が転校してくる。お金持ち具合が桁外れで、異様な世界が描かれる。子どもたちばかりが登場し、子どもたちの子どもたちによるパーティが開かれる。子どもばかりだけれど衣装は絢爛豪華。華やかな世界と少女の小さくも勇敢な冒険譚。独特の空気が漂う名作であった。
三本目はウディ・アレンのぶっとびコメディ。個人的にはこの作品が一番好きだ。五十歳で母親に悩まされている弁護士の男が主人公。この主人公をウディ・アレン自身が演じている。母親は濃すぎるキャラクタで、とにかくやかましく、息子は五十にもなるのに子離れしていない。この迷惑な母親に悩まされる主人公を描くのだが、中盤で奇想天外なことになる。わけのわからない世界へとぶっとび、次から次へとむちゃくちゃなシーンが展開される。困っているウディ・アレンの芝居も素晴らしいけれど、鬱陶しい婆さんが見事。とにかく楽しい作品であった。
こんなにも豪華なオムニバス作品があったことを今夜初めて知った。久しぶりにウディ・アレン作品を追ってみるのも、面白いかもしれない。
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