「幼き日の記憶」by マツオカショーマ
「これ嫌いやからやるわ」
「食べきれへん、食べて」
2人だけしかいない食卓で、お袋の口癖。
ほぼ毎日。外食だろうが家で食べようがお構いなく。
毎日毎日言われるモンだから、ガキんちょでも思うところはある。
嫌いなもんならやんなや!
食べきれないなら最初から注ぐな頼むな!
そんなこと言ってもガハハと笑うだけだった。
あれから随分経った今。
別に嫌いなもんあげてたわけでもなく。
本当に食べきれなかったわけでもなく。
不器用なお袋なりの「愛」だったのだと、自分が親になって初めて気付く。
けど、気づいた時にはもう居らん。
皮肉なもんやが、そんなもん。
ふと、思い出したので書いただけ。
マツオカ