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父と父のグリーンランド

義父から券をもらったので、北海道グリーンランドにいった。
昔は三井グリーンランドだったなぁ。最後に行ったのは小学生の低学年くらい、だったかなぁ。入り口のところでそんなことを思っていた。

もう「行ったなぁ」くらいのおぼろげな記憶しかなかったけど。
「ゴーカート好きだったなぁ」
「身長制限があって(何かのアトラクションに)乗れないの、嫌だったなぁ」
「お化け屋敷は怖かったけど、目をつぶって怖くないフリしたなぁ」

とか、いろんなアトラクションを見たり、子供と一緒に乗ったりしているうちに少しずつ記憶につながりそうな、気のせいのような。
そんな感覚もあった。

当時は、父親とも一緒に行った気がするけど、でもそうなるとジェットコースターとかは乗れてないはずだよなぁ(身長制限的に)と思ったり。
自分の父親は6歳の時に亡くなっていて、もう父親のことで覚えていることは本当に数少ない。そんな数少ない父親との記憶の一つが「グリーンランドで一緒にゴーカート乗った」こと。
ゴーカートの気持ち良さ、ハンドルを握るワクワク感、でも一人では乗れないもどかしさ。父親が横にいる頼もしさ。「もっかい、乗りたい」って言って何回も乗ったなぁ。待ち時間がめちゃめちゃ長かったなぁ、とかそんなことも思い出していた。

こういう場所に子供を連れてくる、というのは時間の残酷さや面白さを感じる。
あの時は手を連れられて歩いていたけど、いまは三女ちゃんを抱っこしながら待ち時間に寝そうになってしまう三女ちゃんをなんとか起こしながら急流滑りを待っている。
あの時は目を瞑ってお化け屋敷の乗り物に乗ったけど、今は子どもに大丈夫?と聞きながら「怖いね」って笑っている。
「もっかい、乗りたい」って親にねだったが、今は子どもの「もっかい、乗りたい」に「またぁ?」って苦笑いしている。
迷路は、カードゲームと組み合わさって当時の迷路とは比べようもないほど、子供たちがわらわらしている。

時間は流れたけど、グリーンランドの乗り物は多少変わりながら当時のままのようでもあった。
当時のままでもありながら、とても目新しい世界のようでもある。

もう記憶はあまりにもおぼろげだけど、アトラクションに乗る時にワクワクしたり、ドキドキするのは今もそうなんだなというのもわかった。


車の後部座席から寝息が聞こえる。
めっちゃくたくただなぁ。
あなたはどんな気持ちで運転していますか?


そんなこんな。

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