【読書】世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方(やっぱり自己理解って大事)
ずっと気になっていた、AmazonUnlimitedに5月末に入りました。
何かないかなーと探してみたところ見つけた1冊。
『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方 人生のモヤモヤから解放される自己理解メソッド』 著:八木仁平
前に「中田敦彦のYoutubu大学」で見て、ちょっと気になってた本でした。特に、やりたいことを探しているわけでもないのですが、中田さんの動画を見た時に、単純に自己理解をするのが面白そうだったから。(自己分析大好きなので……)。
これ1冊読むだけでも、AmazonUnlimitedの元とれるし、ラッキーくらいの気持ちで読みました(ちなみに、この本以外にも漫画含めて何冊か読んだので十分元は取れた)。
読んでみた結果、とても面白かった!
「やりたいこと」がわからない。
今の自分はやりたい仕事をできてない。
夢を持ってる人がうらやましい。
夢を叶えて「やりたいこと」を仕事にしたけど、今仕事に行きたくない。
そういう感情を抱いたことありますよね。
なぜ、人は自分の「やりたいこと」を見つけられないのか。
見つけたと思ったのに、いつしか違うと思ってしまうのか。
それは、「やりたいこと」の言葉の定義をそもそも知らないからだと著者は言います。
確かに。
「やりたいこと」=「好きなこと」とか、「やりたいこと」=「憧れの職業」みたいな感じで考えがちですが、それって、本当にそうでしょうか?
「ケーキが好き!」な子が、「大人になったらケーキ屋さんになる!」というのは、子ども時代によくある話。
でも、「ケーキを食べるのが好き」な子が必ずしも「ケーキを作るのが好き」、「ケーキを売るのが好き」というわけではないですよね。
「Youtuberになりたい」といっても、Youtuberになって何をやりたいのか、の方が本質だったりしませんか?
そこで、著者が提唱している「やりたいこと」の方程式がこちら。
『好きなこと』×『得意なこと』=『やりたいこと』
『好きなこと』×『得意なこと』×『大事なこと』=『本当にやりたいこと』
①好きなこと
「好きなこと」=「やりたいこと」では弱いけれど、「やりたいこと」に「好きなこと」が欠かせないのもまた真実。
ここでいう「好きなこと」は分野とか、業種といっても良いようです。
好きなことのためなら、寝食忘れちゃうみたいなことってありますよね?
自分の情熱がある分野って人それぞれあると思います。
私なら、心理学や教育については、とても興味があります。
漫画やゲームも大好きです。
一方で、例えばファッションとか、科学とかについては、関心がないわけではないけれど、情熱はありません。
やっぱり、情熱がないことに関わり続けるのは苦痛になってしまう。
だから、自分が「好きなこと」は大事です。
②得意なこと
得意なことなんてないよー。
そう思うかもしれません。でも、意外と人それぞれ得意なことというのは持っているものです。
著者は「得意なこと」=「自然と人よりもうまくできて、やっていて苦なく心地よいこと」と定義してくれています。
才能とか、特性、性格と呼ばれることもあるもの。
「スキル・知識」とは別物としてこの本では扱われています。
「リスクを考えられる」「人の気持ちを大事にできる」は「得意なこと」。
「英語が話せる」「プログラミングができる」は「スキル・知識」。
「得意なこと」は、持って生まれたもので、「スキル・知識」は後から身に着けたものという分類がされています。
もちろん、リスクヘッジや人の気持ちを考えることが苦手だった人も、経験を積む中で得意になることがあるのでは? と思います。
この本の内容とは逸れますが、私は「コミュニケーションはスキルです!」ということを学んでから、コミュ障をだいぶ克服しましたし、アクティブリスニングを学ぶことで、人の話を聞くスキルや、共感するスキルは上がりました。
とはいえ、じゃあ「人と関わることが得意ですか?」と聞かれると、やっぱり、「う~ん?」と思います。
どちらかといえば、私は一人で黙々と何かをする方が得意です。
コロナ禍になった時、この「得意なこと」が結構顕著に役立つものであることを認識しました。
会社に行かなくても、人とのコミュニケーションが途切れても、自分のやるべき仕事が明確に目の前に置かれていれば、私は全然平気なタイプ。むしろ「集中できて良い!」と感じるほど。
たぶん、筆者の言う「得意なこと」というのはそういうこと。
苦手なこともある程度は克服した方が生きやすいので、スキルでできるようになったこともあります。
でも「得意なこと」は、もっとその前。初めから、自然とできていたことです。そっちを生かした方が心地よい。
それでも「自分には得意なことなんてない!」と思う人は、いったん苦手なことを考えてみるのもいいかもしれません。
たいていの場合、長所と短所は裏表。
私が「大勢とワイワイするのは苦手だな」と思う裏側に「一人で集中するのは得意」があったように。
苦手なことの裏面は、あなたの得意なことだったりするものです。
『好きなこと』×『得意なこと』=『やりたいこと』
自分の関心のある業種が分かって、自分が得意な仕事の方法が理解できたら、何をやりたいかが見えてきます。
例えば「好きなこと」がファッションで、「得意なこと」がモノづくりなら、服やアクセサリーを作る仕事が「やりたいこと」。
「好きなこと」がファッションで、「得意なこと」が人に物の良さを伝えることなのであれば、広報やインフルエンサーが良いかもしれない。
好きなことが一緒でも、得意なことが違えば、「やりたいこと」は変わってきます。
そして「やりたいこと」はイコール「なりたいもの(職業)」ではありません。これも本書で明確に伝えられているメッセージです。
理由は2つ。
1つは、「なりたいもの」を考えると仕事のイメージに注目してしまい、実際にどんな仕事をしているかを見落としてしまうから。
「Youtuberになってみんなに注目されたい!」と思っても、注目されているYoutuberは一握り。実際の仕事は「撮影」「編集」といった地味で孤独な作業が待っているし、注目されるまではかなりの期間がかかると予想されます。注目されたいだけだった人は、きっと頓挫してしまうでしょう。
もう1つは、「なりたいもの」を考えると実現手段が限定されてしまうから。
「舞台役者になりたい」と考えても、舞台役者になって収入を得られる人は極一部。
でも、「やりたいこと」が「演じてお客さんを感動させたい!」であった場合、その手段は舞台ではなくてYoutubeでも良いかもしれないし、エンタメ系レストランのスタッフでも良いかもしれない。
職業に縛られなければ、多様なルートが開けます。
特に職業については、ここ数十年で移り変わりのスピードが上がっています。子どもの頃に憧れた職業が大人になったら世の中から消えていた……そんなことがあり得る時代です。
職業で考えるのではなく、自分が「やりたいこと」を軸に、どんな道があるのかを探ることお勧めです。
そして、「本当にやりたいこと」を見つけるためには、もう一つ大きな柱があります。
③大事なこと
最後の柱は「大事なこと」=「価値観」です。
「自由に生きたい」「人に優しく生きたい」「穏やかに生きたい」「熱中して生きたい」。
行動ではなく、状態のこと。
何をするか、どうしたいか、ではなく、どうありたいか。
「価値観に良い悪いはありません」
というのは、私がカウンセリングを学んでいた頃、何度も言われた言葉です。
人それぞれ大事にしたい「価値観」があるはずです。
それを否定する権利は誰にもありません。
どんなにやりたい仕事をできていたとしても、「自由に生きたい」と思っている人が就業規則に雁字搦めになった職場で働くのはきっと辛い。
家族を守るために仕事をしていても「家族と過ごす時間を大切にしたい」と思っている人が、その時間を仕事に削り取られてしまっていたら、きっと満たされない。
「好きなこと」×「得意なこと」で「やりたいこと」を見つけて仕事をしていても、「大事なこと」を満たしている状態こそが「本当にやりたいこと」です。
自分にとっての優先順位を間違えると、人は絶対に幸せになれない。
というのが私の持論なので、自分の「大事なこと」は必ず手にしておかなくてはならないキーアイテムだと思っています。
「大事なこと」が自分の内側に向くと、人生の目的が決まります。
「大事なこと」が自分の外側に向くと、仕事の目的が決まります。
と本書には書かれています。
「毎日ドキドキしたい!」と「刺激」を「大事なこと」に置いている人と、「毎日穏やかに過ごしたい」と「安心」を「大事なこと」に置いている人では、絶対に目指す人生の目的は違うし、なすべき仕事の目的も違うでしょう。
自分にとって「大事なこと」をまず知ることが「本当にやりたいこと」を見つけるための第1ステップです。
まず、自分にとって「大事なこと」を理解する。
次に、自分の「得意なこと」を理解する。
最後に、自分の「好きなこと」を理解する。
「大事なこと」が分かれば、自分の人生の目的や方向性がわかり、何のために働くのか?という仕事の目的がブレなくなります。
「得意なこと」が分かれば、自信をもって前に進める。
「好きなこと」が分かれば、どんな手段を用いれば良いかが見えてくる。
①大事なこと → ②得意なこと → ③好きなこと
この順番がやりたいことを見つけるための重要なポイントのようです。
本書では、それぞれをどうやって見つけたら良いかの詳しい方法や考え方も丁寧に解説されています。
また、巻末には自分が今どの段階化を理解するためのフローチャートや、「大事なこと」「得意なこと」「好きなこと」を見つけるための各30問の質問も用意されています。
全ての質問に答えるのは、結構な時間がかかりそうなので、まだできていないのですが、夏の間にやりたいなと思ってます(^^)
自己理解ってやっぱり大事です。
自分がちゃんと理解できると、他者と比べることに意味がないことが実感として腹落ちします。
だって、「大事なこと」も「得意なこと」も「好きなこと」も人それぞれ違うのですから。
自分と違う誰かを羨んだり蔑んだりするより、自分にできないことができるすべての他者に感謝や尊敬の気持ちの方が強くなります。
そして、誰とも違う自分にもきっと価値があると信じられるようになります。自己肯定感ってそういうことじゃないかな、と私は思います。
自己理解に持って来いの1冊なので、とってもオススメです♪
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