〈これまで〉は《これから》のために 石野理子(赤い公園)が唄う希望の歌(4)


「このままで、

私たち 東京ドームでライブ…

出来るの?」


誰か ともなくつぶやく。

誰も 首をタテに振らない。


とあるビルの屋上、

赤い公園の3人は座り込む。


青い空を見上げる。

けれども、空さえ答えてはくれない。




〈やっぱり…〉

何が足りない、

のかは、もう明らかだ。


…ボーカリスト!



佐藤が抜けて、

3人が交代でボーカルをした。


すると、肝心な楽器さばきがおぼつかない。




「新しいボーカル、入れようよ!」

誰もがうなづいた。




決まってしまえばすべては速い。

こうして、赤い公園の新ボーカリスト探しがはじまった。



新しいフロントマン、

しかも、“公園”結成後初の〈2代目〉。


どうやって探すのか、勝手がわからない。

3人は暗闇を手探りで進むことになる。


知り合いに片っ端から声をかける。

みな、“公園”の事情がのっぴきならないことをよく知っている。


だが、津野らの「耳にかなう」

新ボーカリストを探すのは、本当に大変。


しかも、“なる早”なのだから…。




そして、赤い公園は

赤い糸を引き寄せることになる。


思いもよらないところから!

(つづく)

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