笹団子パン

私が泣き崩れた翌週の月曜日。おそうじから帰ってきて廊下を歩いてると、向こうから歩いてきたあの方が私を見つけるなり、「あっ!」と言ってすっと教務室に消えた。戸を開けたまま消えたっけえ、「私ですか?私かな?」って言いながら入ろうとすると結構な勢いで廊下に出ようとした。で、廊下に出た辺りで、ビニール袋に入れてある笹団子パンを見せてきた。

「これ。出がけに買ったの。中にね、笹団子がまるごと入ってて面白いよ。パンダさんがいるよ」

パンダにさん付けしてるのが可愛いと思った。たまたまかもしれないけど、パンダさんグッズを集めてた私は感激して、「わ!本当だパンダさんだ!!嬉しい。有り難うございます!!」と、久々に笑顔で話した気がする…意識しないで自然に笑顔になれた気がする。

これまでの1か月近く、本当にどうかなりそうな毎日の中、作り笑顔で過ごしてきた。というより多分険しい顔をしていた。だから、その心遣いが嬉しかった。

ちゃんとお礼を言いたかったのに。

って思って、言う機会をうかがってたところに、こないだだよ、水曜日だね、要件があったもんだから一応バッグに、ファンタグレープとメモをしのばせて。渡せなくてもいいと思って。

ほしたら。1時間引き留められて色んな話をした。私はずっと立って聞いていたよ。鞄持ってたから帰り際だったんだけどね。

「やあ…今日は異様に疲れた、っていうかここ数日本当に疲れたなあ…」って言うから、そこにすっと渡した。ちゃんとお礼言いたかったのに言えなかったから!って言って渡したら想像以上に喜んでもらえた。

良かった。

ぶどうが好きなんですっていうことも解った。

あと、「俺今46なんだけど」ということも解った。異動表のことで色んな人が訂正で校長に内線電話をもらってたって話で。

「俺今46なんだけど、45って書いててさ。1歳さば読んじゃった感じになって」って笑ってたよ。

ん、ということは、多分誕生日は9月から10月だ。誕生日が来る前に記入したってことだからきっと。

連休だよ3連休!どこか行こうと思えば行けるよと言われたけど、このご時世、旅行には行けないや。でも、私の休みの日の過ごし方を気にかけてくれてるのは解る。

有り難うございます。でも頼らない。