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3分で読めるレイルロオドのお話「幸福な卵(虫の)」&WEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』第20話シーン1ネーム+字コンテ

9月もほどなく終わるというのにこの蒸し暑さ!

東京MXさまでTVアニメ『レヱル・ロマネスク2』の放送開始な
10/5 25:00~ も、もしかしたら蒸し暑いのかもという気さえしてきます。

蒸し暑かろうと涼しかろうと、みなさまに熱気をもってご覧いただける作品であれますことを、いまはひたすら願うばかりでございます。

で。
こちらはこつこつ静かに静かに熱をためている感もある「レヱル・ロマネスク0」の方は、
先日までに第19話「動物園のレイルロオド」の全ネームがまとまりましたので

本日からは第20話「幸福なみくろ」のネーム&字コンテを、シーン1から順番に、公開して行きたく存じます。


みくろをはじめて書いたときには、まさかダチョウに乗るレイルロオドになるとは夢にも思っておりませんでした。

人もレイルロオドも、どんな運命をたどるかまったくわかりませんね。

このさきのみくろの活躍に、どうぞますますのご期待いただけますと幸いです。

さて。
第20話のタイトルが「幸福なみくろ」なので、今回の短いお話は「幸福」をキーワードにして書いてみたいと思います。

タイトルは「幸福な王子」ならぬ「幸福な玉子」でなく「幸福な卵(虫の)」でございます。

(虫の)がつくということは、登場レイルロオドはりいこ。
そしていよとなってまいります。

どなたにも無償でお楽しみいただけるお話となりますので、どうぞご笑覧いただけますと幸いです。

よろしければどうぞご笑覧いただけますと幸いです。

■りいこ■


頭部鉄道の誇るポンコツレイルロオド。
昆虫大好き。

■いよ■


いよかん鉄道甲1形1号機関車専用レイルロオド。
りいこの親友。
りいこの影響で、だんだんと虫が平気になってきた自分に恐怖する程度には、虫が苦手。

■「幸福な卵(虫の)」■

(あらすじ)
葉っぱにびっしりと開いている無数の穴を、虫かと誤認し怯えるいよ。
そんないよのためりいこは親切にも、
本物のびっしりを発見してあげるのでした。

///

「すごいねー、いよかん鉄道。会社で畑もってるんだ」

「そがい大げさなもんでもないぞね。たんに空き地に、ミニ菜園をつくってる機関士さんたちがおるだけ――ひいっ!?」

「ふえっ? どしたのいよ」

「む、虫っ――虫が、びっしりっ」

「虫!? ――って、違うよ、これ、穴」

「穴?」

「そ。葉っぱをアブラムシが食い荒らした穴」

……りいこに言われてじっくり見ると――
確かに葉っぱ、小さな小さな穴だらけぞね。

「アブラムシがいるってことは、たぶん――」

ひょいっひょい次々、りいこが葉っぱの裏を無造作にめくってく――

「あ、あった」

「なにがぞね?」

「テントウムシの卵」

「ひーーーーーーーーーーーっ!」

うわわ、びっしり! ぞわぞわするぞね!!!

「いよ、虫もびっしりも苦手ぞね!!」

「そうなの? けどこれ、幸福な卵だよ」

「ほえ?」

幸福な……玉子ぞね?
幸福な王子いうお話じゃったら、いよも何度か読んだり聞いたりしたことあるけど――

「だって、テントウムシはめちゃくちゃ縁起がいい虫だから。
日ノ本でだって、天道虫――おひさまの虫って意味でしょう?」

「あ……うん。確かに縁起いい感じぞね」

「それだけじゃなく、詠語だと『聖母の虫』で、沸語だと『神様の虫』で、魯語だと『神様の牛』で、以国語だと『神様の小さな雌鳥』で、髑語だと『聖母様の甲虫』だから」

「世界中で縁起がいいってされているぞね!?」

「そだよ。で。そういう虫は珍しい。めちゃくちゃ」

「ほえー……どがいなわけでそがいに縁起がいいってされちょるぞね?」

「ひとつは、さっきもいったけど益虫だから。葉っぱを食い荒らすアブラムシを、成虫も幼虫も捕食してくれる」

「なるほど、害虫バスターなわけぞね」

「それから、成虫は枝の先端にいくと真上に飛んでく習性をもってる。
これがまるで」

「! おひさまに向かってとんでくように見えるぞね? やき、『天道虫』」

「そそ。国によって、聖母様とか神さまのところに向かってる――って見えるらしい」

「なるほどぞね~」

「あと、人間とかレイルロオドの身体に平気でとまるのも人気のポイントかも」

「ひいっ」

「『テントウムシが身体にとまると幸福が訪れるとか、結婚できるとか、そういう言い伝えがある国結構あるみたい』

「そこまで広く人気があるの、不思議ぞなもし」

「まぁ、不思議でもなんでも益虫なことは間違いないし」

(めくり)

「ひーーーーーーーーっ」

今度は黒いの! びっしりぞなもし!!

「産まれてすぐにアブラムシ食べてくれるんだからさ、いよも大事にしたげるといいよ。幼虫も卵も成虫も」

「そ、それは……」

理屈の上ではわかるけど、やっぱりびっしり怖いぞなもし!

「――家庭菜園組のひとたちに任せるぞね! 乗務には、アブラムシもテントウムシも関係ない」

「あ」

いきなりりいこがニヤって笑う。

「レイルロオドにも縁起いいかも、テントウムシ。だって」

「!!!! 転倒無視ぞね!!!!」

;おしまい

///

いかがでしょうか?

いよとりいこはかなりの遠距離友情となっているのですけれど、
年に数回は会っている様子で、まこと仲良しなのだなと思います。

WEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』の中でもふたりの友情、
描く機会があればいいなと思うのですけど、現状ではなかなか難しそうです。

いつかそういうサブエピソードももりこめるくらい、人気&長期連載作品にできたらいいなと思います。

そんな『レヱル・ロマネスク0』の過去話。

無償でご確認いただける0~7話のネームはこちらとなります。

よろしければどうぞご笑覧ください。

(それ以降のまとめはメンバーシップ特典です)

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『レヱル・ロマネスクnote』メンバーシップ『御一夜鉄道サポーターズクラブ』

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『レヱル・ロマネスクゼロ』の字コンテ掲載時には、その字コンテがネーム化されたもの、および推敲過程でボツになった未公開ネーム画像などがあるときには、そうしたものも公開していきたく思っております。

どうぞご参加ご検討いただけますと幸いです。

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