3分で読めるレイルロオドのお話「ふかみ先生の分類教室」&WEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』第32話「客車登場、お供はすずしろ!」シーン3 ネーム&字コンテ
更新、間が空いてしまい申し訳ございません。
あかちゃん発熱(39.3度)→長引く→熱引いたと思ったら発疹→突発性発疹で問題なしとの診断→発疹引いて結婚式出席(@郡山)――
と立て続いたことにより、なかなか落ち着いてPCに向かい、タイピングする時間がとれませんでした。
のですがようやく落ち着いた本日、以前にお願いした「note記事のまえがき部分になにかいてほしいかリクエスト」
へのご投稿をいただけていることに気づきました。
まことにありがとうございます!
>取材資料紹介コーナーがあっても良いかも知れません。特に一般に出版されている書籍とかはゲームのエンドロールで出てきているのでここで書いても問題ない気がします。
なるほどです。
というわけで、「レヱル・ロマネスク世界観」がお好きな方ならまずまず喜んでいただけるのでは?
と思われる資料、よりすぐって一冊ずつご紹介させていただきます。
記念すべき第一弾はこちら!
『SL蒸気機関車の思い出』 今井吉郎/文芸社
全資料の中で、1、2を争う参照度の高さを誇る一冊です。
著者の今井吉郎さんは1952年に国鉄入社され、1987年にご退職された、羽越本線で乗務されていたSLの機関士さんです。
『SL蒸気機関車の思い出』は、その今井さんの歩みが
・庫内手編
・機関助士編
・機関士編
と章立てして描かれている一冊となります。
ともかくも「蒸気機関車を動かす・整備清掃する」ことのリアルがわかりやすい筆致で書かれており、
この一冊がなければハチロクや双鉄くんの8620乗務が
「さ、双鉄さま参りましょう」
「うむ! 出発・進行!」
ハチロクに教わった手順を忠実にこなす。
やがて8620はゆっくりと動輪を回しはじめる――
くらいの省略されまくったものになっていたこと、間違いないかと存じます。
レヱル・ロマネスクファンのみなさまには
「清見機関士の、さらに教導機関士の手記」くらいの感覚でお読みいただけるのでは? と、わたくしとしては思っております。
残念ながら絶版本ですが、定価(1540円)以下で入手可能(2024/04/21現在)かと思いますので、よろしければ、ぜひ。
わたくしもこの文書書くために久々に開いたのですが、今読むとまた新しい発見多そうにも感じましたので、
何百度目かの再読、してみたいかと存じます。
ということで、今後ご紹介申し上げます資料群の結実のひとつの形となります
WEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』のネームと字コンテ。
先日公開の第32話「客車登場、お供はすずしろ!」のシーン2
に続きましての、シーン3
を公開いたします。
すずしろの教えを自分なりに理解して形にしていく日々姫。
それが花開く姿をどうか、ご期待いただけますと幸いです。
ということで、本日の短いお話は『資料』をテーマに書いてみたいかと思います。
登場するレイルロオドはハチロク。
タイトルは『ふかみ先生の分類教室』でございます。
どなたにも無償でお楽しみいただけるお話となりますので、よろしければどうぞご笑覧いただけますと幸いです。
■ハチロク■
御一夜鉄道8620専用レイルロオド。
レイルロオドなので整理分類は大得意の筈なのだが、
汰斗さんの書庫には手を焼かされ続けている。
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『ふかみ先生の分類教室』
「はぁ」
「珍しかとね、ハチロクがため息ばつくなんて」
「ああ、いえ――」
凪に話しても……ええ、まったくもって仕方のないことに間違いありません。
「大したことではございません」
「大したことではないのだが、なかなかに負担なのだ。汰斗さんの蔵書をあさるということは」
「ぞうしょ?」
そこでもうわかっていない……やはり凪に話しても仕方のないことなのでしょう。
が、双鉄さまがお話を振られた以上、そのサポオトを果たすことも、レイルロオドの務めです。
「右田家の、双鉄さまのお部屋の次の間――あそこが書庫になっていることは、凪も承知のことでしたよね?」
「あー! ぞーしょって本のことばいね! 凪さまパキっと理解したばい!
見つけなきゃいけない本かなにかあって、探すのが面倒とね?」
「!」
凪を、その直感力を決して侮ってはいけないと、そこはわたくし理解していたつもりでしたが――
いけません、先入観に視野が狭まっておりました。
「まさしくだ。ポーレットに頼まれた、過去の御一夜鉄道関係の資料を探さなくてはならないのだが……
書庫のどこら辺にあるのかの検討さえも、未だついてはおらんのだ」
「そぎゃんこつなら、ふかみちゃんに相談するとよかとよ!」
「ふかみ?」
「ふかみちゃんご本大好きすぎて、あぎゃん忙しいのに図書委員やっとるけんね!
他の人の十倍のスピードでお仕事こなすけん、ちゃーんとやりくりできておるんよ」
「ほう、それは頼もしそうだな」
「ならなら! ふかみちゃんに電話するばい!!」
////
「凪ちゃんからお話聞きました。まず、お目当ての資料探しは残念だけど、
人海戦術で総ざらえしていくしかないかなって思います」
「ならなら凪さまも手伝うばい」
「で、ですね」
ふかみ様の背がすっくと伸びます。
まるで船上にあるかのように。
「せっかく総ざらえするんなら、この機会に図書分類! しちゃうのがいいと思います」
「分類……というと?」
「このジャンルの本はこの棚! っていうのを決めて、ジャンル内では書名のあいうえを順に並べていくんです。
そしたら例えば『鉄道工学を扱ってる<鉄道工学ハンドブック>なら、この棚の、たちつて――っていうふうに探しやすくなるじゃないですか』」
「ああ、それはよさそうな案だな」
「はい、確かに優れた案なのですが……」
わたくしもレイルロオド、その程度でしたらすでに検討を行いました。が――
「いかに分類するか、がなかなかに難しいのです。鉄道はなにせ総合工学、関連する領域はあまりに広うございますから」
「そぎゃんと? 図書室ではどぎゃん分類しておると?」
「うん、凪ちゃん。そこはわたし、調べてきてるの。えっと」
ふかみ様がスマホをさくさく操作されます。
「図書室でつかわれてる日ノ本十進分類法だと、686 鉄道、516 鉄道工学、536 鉄道車輌、546 電気鉄道、290~299 旅行記、743 写真、507.9 模型、518.8 まちづくり
……わたしなんかでも思いつける関連分野でも、もうこんなにたくさんあるの」
「ぎゃぎゃぎゃ! もう今の時点でめちゃくちゃ面倒くさそうばい! それに数字も、なんか結構トビトビだった気がすると!」
「なのよね。だから、日ノ本十進分類法じゃなくて、鉄道関係に特化した分類法を採用したほうがいいと思うの」
「採用……すでにあるのか? そのような分類法が」
「じゃ、ないのかなって思ってるんです。だって、旺宮にあるっていうじゃないですか」
「「!!!!!!」」
双鉄さまと、目を見合わせます。声が、自然と重なります。
「「旺宮鉄道歴史館!」」
「ですです。そこの人なら、鉄道関係の資料に特化した分類方法、きっと知ってるんじゃないかなぁって」
「なるほどな」
……わたくし、恥じ入るばかりです。
独自になんとかしようとのみを考え込んで、視野があまりに狭すぎました。
「先人の、専門家の知恵に頼るべきか。ふかみ、的確なアドバイスをありがとう」
「いえいえです、双鉄おにいさん。
わたし、本から知識をいれるのは得意かもだけど、誰かからっていうのは、正直けっこう苦手ですから――」
困ったように、甘えるように、ちいさくふかみ様がはにかまれます。
「分類方法のお話きけたら、わたしにも教えてくださいね」
;おしまい
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いかがでしょうか?
鉄道に特化した書籍分類方法、
どなたかご存知でしたらぜひわたくしにもご教示いただいたいものでございます。
そんなこんななWEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』の過去話。
どなたにも無償でご確認いただける0~7話はこちらで
それ以降のまとめはメンバーシップ特典で
それぞれお読みいただけますので、よろしければどうぞご笑覧いただけますと幸いです。
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【メンバーシップ限定記事のご案内】
『レヱル・ロマネスクnote』メンバーシップ『御一夜鉄道サポーターズクラブ』
にご参加いただきますと、レイルロオドたちにかかわる詳細な内部設定資料や掲示板機能などをお楽しみいただくことができます。
掲示板では「3分で読めるレイルロオドのお話」の主役レイルロオドのリクエストなども可能です。
また『レイルロオド・マニアックス』の掲載時には、紹介されているレイルロオドの設定画や三面図などの資料で存在するものを公開していきたく思っております。
どうぞご参加ご検討いただけますと幸いです。
【製品版 WEBTOON版『レヱル・ロマネスク』のご案内】
本noteでネーム連載をしております『レヱル・ロマネスク0』の完成品は、
WEBTOON版『レヱル・ロマネスク』として順次リリースされております。
よろしければこちらもぜひご覧ください。
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