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3分で読めるレイルロオドのお話「「凪さま必殺! 後出しじゃんけん!?」&WEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』第13話シーン3ネーム&字コンテ公開

現在鋭意ネーム連載中のWEBTOON 作品『レヱル・ロマネスク0』。

先日公開した第13話「協賛者探し」のシーン2のネームがこちらで

本日はその続き、シーン3のネームを公開です。

今回、上記リンク内に含まれている字コンテとネームとを見比べていただきますと
かなり大きく変化しているのがおわかりいただけるかと存じます。

ふかみが「ハチロク+川下り」で思いつくイメージ。

字コンテままだと絵的にもお話的にもパンチがすごく弱かったので、
ふかみらしさを維持できる範囲を考えつつセリフを変えて、
絵も演出込みでパンチがでるように――と改めてみたつもりです。

それがうまく運んでいるかの判断は、お読みくださってる方々それぞれで異なるものでしょうが。
わたくし自身はよい推敲――よい修正ができたのではないかと感じております。

推敲とは、いったんは形が整ったものを壊して整え直す行為ですので、
慣れないうちはなかなか着手が難しいものかもと思います。

わたくし自身も若い時分には
「書きたいものを書きたいように書いている初稿が一番いいに決まってる!」
的な考えを抱いたりもしておりました。

のですが。

「天才でもないわたくしが、ぱっと最初に思いつくアイディアは、他の人にもいくらでも思いつけるものの範囲を出てない」

――ことに気づいて以降は、推敲をたいへんがんばるようになりました。


推敲をがんばるようになると

「最初のアイディアがじゃんけんだとするのなら。推敲は後出しじゃんけんなので、しなければ損!」

――とも思うようになりました。

初稿はあくまで、たたき台。

そこからどれだけ手を有利に運ぶ後出しができるか――が、いまのわたくしが考える「作劇」の要点のひとつかと思いますので。
推敲、いまのところ不得意とかそういう感じの方はぜひぜひ、後出しじゃんけんの威力、試して、ご実感いただけましたらと願います。

そんなこんなで本日の短いお話は、凪ふかみれいなで「じゃんけん」をテーマにしたお話を書いてみたいと思います。
タイトルは、「凪さま必殺後出しじゃんけん!?」

どなたにも無償でお楽しみいただけるお話となりますので――
どうぞご笑覧のほどいただけますと幸いです。

■蓑笠凪■

蓑笠鍛冶店の看板娘? にして、ふかみの親友。
運動性能抜群の剣術少女。
普段から比較的じゃんけんが強い。

■早瀬ふかみ■

クマ川くだりの一人娘にして大黒柱。
病弱な母に代わって、クマ川くだり株式会社を懸命に支えている。
じゃんけんの強さは普通……のはずなのだけれど、凪に勝てた記憶がない。

■れいな■


御一夜鉄道キハ07s専用レイルロオド。
幼顔だが鉱山鉄道歴の長さが刻んだ年輪は深い。
じゃんけんはかなり強い……はずなのだが、凪に連敗してしまう。


■「凪さま必殺! 後出しじゃんけん」■

(あらすじ)
じゃんけんで連戦連勝する凪。
あまりの快進撃っぷりに、ふかみは一つの仮説を立てます。
「凪ちゃん、もしかして無意識に後出ししてるのかも」と。

///

「「じゃんけんぽん!」」

「やったばい! 勝ったばい!! トイレ掃除、したられいなに任せるばい!」

「わかりましたぁ。じゃ、れいなおトイレ掃除がんばりまぁす!」

「ちょっ! ちょっ! ちょっと待って!! 凪ちゃんもれいなちゃんも」

「どぎゃんしたと? ふかみちゃん」

ポーレットさんの急な発熱からの欠勤をフォローするための、各種業務の再分担。
技能や知識が必要なもの以外のやつは、全部じゃんけんで割り振り決めてるんだけど――

「凪ちゃん、今日ちょっと勝率さすがに異常すぎない?」

「ん?」

「あ! ほんとですねぇ」

さすが、れいなちゃんはレイルロオド。
私のぼやっとした感覚を、すぐにデータで裏付けてくれる。

「6戦0敗0あいこですから、確率的には約0.13%――729回に1回しか達成できないすごいじゃんけんの強さですねぇ」

「ふわわ?! 凪さますごかとね!!」

「すごすぎだよね!? いくらなんでもすごすぎるから――」

相手がれいなちゃんと私。
どっちかっていうと動きがゆっくりなタイプってこともあるし――うん。

「――もしかして凪ちゃん、無意識に後出しじゃんけんしちゃってたりとか、ないかな?」

「無意識にって、どういうことばい?」

「凪ちゃん、動体視力も運動神経も凄いでしょ?」

「わ! その可能性はあるかもですねぇ」

れいなちゃんがゆっくりゆっくり、じゃんけんの手をしてくれる。

「凪さんの動体視力がものすごーくすごかったら、れいなたちの手は、このくらいゆっくりに見えちゃってるかもしれなくて」

「!!? つまり凪さま――の、無意識? が
『れいなちゃんはチョキ出すから、グーで勝つばい!!』ってやってるかもってことと?」

あ――

はっきり言葉にされちゃうと、これ、なんか凪ちゃんを疑ってるようにも聞こえちゃ

「確かにそれってあるかもばい! 凪さま、負けず嫌いやけんね」

「それじゃあそれじゃあ、ほんとにそうなのか確かめてみませんかぁ?」

――あ、よかった。

私と同じで、凪ちゃんもれいなちゃんも
”もしかしたらそうなのかも”って、純粋な疑問……っていうか好奇心?
感じてくれているみたい。

「確かめるって、どぎゃんして?」

「凪さんには、これ――この罰ゲームようのぶあつーい目隠ししてもらってぇ」

「声だけにあわせてじゃんけんするとね! よか考えばい!
それなら後出し、やろうったってできんけんね」

凪ちゃん、すぐにぎゅーって目隠ししてくれる。

「じゃあ、いきますよぉ」

「のぞむとこばい!」

「「じゃんけん」」

「グー!」「ちょき」

「わ!? れいな、また負けちゃいましたぁ」

「!!? もっかい! もっかいふたりやってみて!!」

「「じゃんけん」」

「パー!」「ぐー」

「わぁあ、また負けちゃいましたぁ! 凪さん、ほんとにじゃんけんつよいですねぇ」

「え!? これ――なんで? どうして? 凪ちゃん、これ、いくらなんでも」

「あ! わかったと!」

目隠ししたまま、凪ちゃんがぽんって手を打ち鳴らす。

「朝の占い、凪さま今日1位だったけん!」

「って!? そんな理由で!!?」

けど――
けど……
凪ちゃんだったら――
なんか実際、有り得そうな気もしてきちゃう、から

「ならなら凪ちゃん!」

「どうしたと? ふかみちゃん」

「お仕事全部おわったら、一緒に宝くじ買いにいこ?」

;おしまい

///

凪ふかみコンビも今後ますます活躍していく
WEBTOON作品『レヱル・ロマネスク』0。

無償でご確認いただける0~7話のネームはこちらとなります。

よろしければどうぞご笑覧ください。

(それ以降のまとめはメンバーシップ特典です)

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【メンバーシップ限定記事のご案内】

『レヱル・ロマネスクnote』メンバーシップ『御一夜鉄道サポーターズクラブ』

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『レヱル・ロマネスクゼロ』の字コンテ掲載時には、その字コンテがネーム化されたもの、および推敲過程でボツになった未公開ネーム画像などがあるときには、そうしたものも公開していきたく思っております。

どうぞご参加ご検討いただけますと幸いです。

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