見出し画像

3分で読めるレイルロオドのお話「ハチロク、はじめてのライブ」&WEBTOON作品 レヱル・ロマネスク0 第22話「この先のレール」シーン1 ネーム&字コンテ

更新、間があいてしまってすみません。
のですがその間に、嬉しい告知情報が入ってまいりましたので、そちらにつきお知らせ申し上げます。

2023/12/21発売予定の PS4/Switch/Windows用ソフト
『レヱル・ロマネスクOrigin』

の、いずれかをご予約の上、



こちらのQRコードからお名前、メールアドレスを11/9までにご登録いただけました方が対象の

『 予約者限定ライブイベント』の方の、構成台本の執筆&当日のMCを、わたくし、進行豹が担当させていただくこととなりました。

中惠光城さん、Ayumiさんをゲストに
レヱル・ロマネスクOrigin 主題歌「ALL ABOARD」
レヱル・ロマネスク2 主題歌「pas @ pas!」
を含む全6曲を歌唱いただけるイベントとなります。

会場は 「東京・秋葉原」の ソフマップAKIBA アミューズメント館8F
開場時間が17:45
ライブイベントの時間が 18:00-19:00予定で、完全撤収が19:30となります。

声優さんゲストのときとは違った「歌」に関するトークも、ご歌唱の合間にお伺いできればと思いますので、
ご都合の合う方はぜひぜひ、ご予約・ご登録の上、上記ライブイベントにお運びいただければ――と願います。
(なお、ご応募多数の場合は抽選となってしまうとのことです)

当日、ぜひ秋葉原・ソフマップAKIBA アミューズメント館8Fでお会いしましょう。

そしてこちらも更新の間が空いてしまいました
WEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』のネームの方も
あらためまして第22話「この先のレール」のシーン1から公開させていただきます。


いよいよ(後ろ向きにですが)回り始めた8620の動輪。
この先に続くレールに果たしてなにがまっているのか――
どうぞご期待いただけますと幸いです。

なお、御一夜温泉駅の配線はイメージモデルである人吉駅/人吉温泉駅のいずれとも異なっておりますので、
その点どうぞ、あらかじめ御了承いただけますと幸いです。

そんなこんなで本日の短いお話は、「ライブ」をテーマに書いてみたいと思います。

登場するレイルロオドは、ハチロク。
すずしろとライブにお出かけしたときのことを、熱心にきかせてくれる――といったお話になるはずです。

タイトルは 「ハチロク、初めてのライブ」

どなたにも無償でお楽しみいただける掌編となりますので、よろしければどうぞご笑覧いただけますと幸いです。

■ハチロク■


旧帝鉄8620形蒸気機関車トップナンバー機8620専用レイルロオド。
現所属は御一夜鉄道。
普段はワルツ中心にクラッシックを愛聴しているが、今回ははじめてのライブにでかけた。

///

■ハチロク、はじめてのライブ■


「楽しい……というのとは、少し違った感じです」

双鉄さまの問いかけに、素直に「はい、楽しうございました」とお返事できないのは残念ですが……
けれど、あれを楽しいというのはやはり――かなり違うかと感じます。

「それはもう、はこハコさん――C56 125専用レイルロオドのはこさんといえば、レイルロオド界随一の歌姫でございますから」

すずしろさんにお誘いいただき、むむむさんと三人でお出かけしました、はこさんの九洲遠征ライブ。
脳形のリバアサイドパアク特設ステエジにお伺いするのもはじめてで、お外でお歌を聞く経験もはじめてのことでしたけれども。

「ええ、歌声はとても綺麗に聞こえました。とても屋外とは思えないほどまっすぐに、強く、はこさんの歌声は聴覚センサを震わせて……」

ごんごん、ごんごん、犬釘を打つ―― 線路工夫のお仕事を静かに歌い上げた ”保線”
ロールアウトして知らない気動車区で働き始めたレイルロオドの生活を等身大に伝える”夢色気動車”
レイルロオドとマスターとの悲恋を描いた"開封の値打ちもない"

どれも……どれもとても素敵で心震わされたのですけれど――

「それでも、楽しいという感じでは、全くございませんでした」

お客様は、人間9割、レイルロオド1割といった感じでございました。
人間のお客様にはご年配の方が多く。
レイルロオドのお客たちは、ほとんどがD51形やD60形や9600形――貨物機レイルロオドたちでした。

「一番すごいと感じたのは、”キリエの唄”という一曲でした」

筑方炭田を舞台にした、貨物機レイルロオドの叶わぬ初恋を歌い上げた一曲。
あるいはライブ会場の選定に、この曲そのものが影響したのかもしれませぬ。

「みな、ぼろぼろと涙を流して聞くのです。老人たちも、貨物機レイルロオドたちも」

そこにまるで、彼ら彼女らが一生を捧げた炭鉱が幻出でもしたかのように。

かつての暮らしが、ぬくもりが、唄を通じて蘇りでもしたかのように。

失われてしまった大事なものを、ほんのひととき、両手の平に受け止めでもしたかのように。

「――お歌を決して邪魔しないよう、声を殺して――静かに泣いて、聞くのです」

あの快活で、うるさいくらいのむむむさんさえも例外でなく。

”キリエの唄”が終わったあとの静寂を――
静謐……いいえ、神聖とさえ感じるような、誰もが唄の名残を惜しむあの静寂は――

「楽しいものではまったく無く。けれどこころが、洗われた気持ちになりました」

行って、良かった。
聞けて本当に幸いだった。
こころのそこから、わたくし、そのように感じます。

「――ありがとうございます、双鉄さま。レイルロオドだけでのおでかけを、こころよく許してくださって」

双鉄さまがお隣にもしもいたのなら、双鉄さまをわたくし気にして――
あの体験を、きっとできなかったことでしょう。

「それでも、わたくし、双鉄さまにも――」

感じてほしいと、共感したいと、どうしても願ってしまいます。

「いつか、お聴きいただきたいです。はこさんの、魂にきっと直接響く、あの歌声を」

……お聴きになられたことがあるのですか?
魂に響く歌声を。

それは、どんな曲を――……え? ええ!?

いえ、そんな、わたくしの――ああ――

左様、でした。

わたくしは歌には全く自信などないのですけれど。

それでも、懸命にうたったことには胸を張れます。

誇り高かったあの子のことを。
大好きだったあの子のことを。

ただ一心に、懐かしんで、悔やんで、誇って――

「……双鉄さまには、双鉄さまの魂だけには、たしかに、響いたのかもしれませぬね」

思い出したら、歌いたいなと感じます。

双鉄さまに、そしてあの子に――聞いてほしいなと、思います。

「……夜、ですものね。双鉄さまのお耳のそばで、小さな声で、静かに、静かに」

『スタアライトレイル』

――オリヴィが高らかに駆け上がっていった、星のレイルに捧げる歌を。

;おしまい

///

いかがでしょうか?
ハチロクが歌唱する「スタアライトレイル」


こちらから試聴が可能です。

わたくしも作詞に関わらせていただきましたこの一曲、
Amazon様等でまだ購入可能でございますので

よろしければぜひ、列車の旅のお供にしていただけますと幸いです。

ことに夜行寝台列車のベッドで聞くのはまこと――至極の時間でございますので。

はこの登場予定はいまのとこまったくないWEBTOON作品『レヱル・ロマネスク』0。

どなたにも無償でご確認いただける0~7話のネームはこちらとなります。

よろしければどうぞ、あわせご笑覧ください。

(それ以降のまとめはメンバーシップ特典です)

///

【メンバーシップ限定記事のご案内】

『レヱル・ロマネスクnote』メンバーシップ『御一夜鉄道サポーターズクラブ』

にご参加いただきますと、レイルロオドたちにかかわる詳細な内部設定資料や掲示板機能などをお楽しみいただくことができます。

『レヱル・ロマネスクゼロ』の字コンテ掲載時には、その字コンテがネーム化されたもの、および推敲過程でボツになった未公開ネーム画像などがあるときには、そうしたものも公開していきたく思っております。

どうぞご参加ご検討いただけますと幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?