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3分で読めるレイルロオドのお話「ハチロクと不死鳥博士の成長談義」&WEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』第12話全ネーム&字コンテ公開

WEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』の第12話「経営資源」のネーム&字コンテの方、
今回でひととおりまとまりますので、全部一気にメンバーシップ特典として公開させていただきます。

どなたにでも無料でお読みいただける0~7話のまとめ、
およびメンバーシップ特典となります8~12話のまとめについては
本記事の末尾でご紹介申し上げますので、よろしければどうぞ、あわせご確認いただけますと幸いです。

通しで見ていただきますと、悪くいってしまえば「紙芝居」的だったコマ割りや演出が、
だんだんとWEBTOON的になっていく様子がご確認いただけるのかも――とも思います。

それはまぁ、変化であると同時に、成長であり進化であるのかとも思います。

そこまで考えますと、「レイルロオドは成長し、あるいは変化していくのか?」という疑問が湧いてまいります。

その辺のこと、ハチロクと不死鳥博士に話し合ってもらおうかな――という感じで、
今日の「3分で読めるレイルロオドのお話」の方、書いていきたく思います。

こちらはどなたにも無償でお楽しみいただけるものとなりますので、
よろしければ、どうぞご笑覧いただけますと幸いです。

■ハチロク■

御一夜鉄道8620専用レイルロオド。
礼儀正しい日ノ本撫子。
過去に大きな傷を負っているためなのか性格なのか、小さなことでも引っかかると延々考えてしまいがち。

■ひよこ■


旧帝鉄C56 145専用レイルロオド
不死鳥博士の異名を持つ、レイルロオド研究の第一人者であるレイルロオド。
観察力分析力に特に優れるが、興味の無いことに関してはどこまでも大雑把。
 

■「ハチロクと不死鳥博士の成長談義」■

(あらすじ)

「レイルロオドは成長するのか。自分は成長できているのか」
そんな疑問に取り憑かれてしまったハチロクは、
思い悩んだそのあげく、不死鳥博士に相談します。

///

「なるほどなるほど? それは実に! 喜ばしいことですな」

「で、ございます」

双鉄様も、日々姫も、凪も、訓練開始当初がまるで夢であったかと思えるほどに、
立派な機関士に成長してくださった。

どうかんがえてもまこと、寿ぐべきことといえましょう。

「であるのに、それがハチロク氏の悩みの原因となった?」

「はい――」

思い悩んだそのあげく、不死鳥博士にご相談申し上げてしまうほど……
ここ最近のわたくしは、そのことばかりをぐるぐるぐるぐる考えに考えてしまうのです。

「――レイルロオドは……と、申しますよりわたくしは、はたして成長できているのか、と」

「ふぅむ、興味深いお悩みですな」

口先だけではないのでしょう。
不死鳥博士のメガネの縁は、キラリ、光を反射させます。

「逆に、なぜハチロク氏は思うのですかな? 『自らは成長できていないかもしれない』と」

「!」

虚をつかれます。
が――さすがは不死鳥博士です。

その点を追求することが確かに、事実を見極めるための一助となりそうです。
自身の思考を……処理の過程を、慎重にロールバックしてみます。

「……わたくしは機械仕掛けでございますので、パアツ交換はできようとも、物理的な成長はできません。
ゆえに、成長は知識面、あるいは……レイルロオドにこの言葉が適切かどうかはわからないのですが、
それでも言葉にするのなら、精神面――いずれかにしかおこりえないと感じます」

「ふぅむ?」

「しかし、わたくしの記憶容量には限界があり、長期間引き出されなかった――『忘却していい記憶』から
順次に消去処理されていると、工機部時代に教官から教えていただきました」

「ふむ」

今度は、力強い頷き。
それは事実と、伝えてくださっているようです。

「でしたら、わたくしは得た新知識と同じ分、忘れても良いと判断された知識を失っているともいえます。
ですので、わたくしの学習の成果は成長にはつながらず、単なる変化なのではないか――と」

「例えば右田双鉄氏の投炭技術でしたが、訓練の当初から、効率的な体の動かし方を出来ていましたかな?」

「へ? いえ――さしもの双鉄様といえども、さすがに最初はぎくしゃくとしておられました」

「訓練を重ねるにつれ、無駄な動きが消えていき、理にかなった動きになっていった?」

「左様でございます」

「それは成長と、ハチロク氏には評価できるものですかな?」

「無論です。間違いなく、かつ誇るべき成長であると断言できます」

「でしたら!」

ばっ! と不死鳥博士が手を広げ、上着の裾を翻します。

「――ハチロク氏。貴女の変化も、全く同じく成長であるといえましょう」

「それは――」

嬉しい気持ちを感じます。
けれど理屈がわからなければ、それを素直に受け入れられません。

「――どうしてでございましょうか?」

「双鉄氏の成長とは! 言葉を換えれば『最適化』であるからですな」

「ああ!!!」

無駄な動きをインプットして、より効率の良い動きもインプットして、不要となった無駄な方は消去していく。
それは確かに――わたくしの記憶の作用と、まったくもって同一です!

「わたくしは――知識を最適化することにより、成長を遂げているのですね」

「左様ですとも! そうして今! まさにこの瞬間!!」

不死鳥博士の両手が今度は、わたくしの手をすっぽりと包み込みます。

「『成長できる』という知識を得! ハチロク氏は! さらなる成長を遂げたのです!!!」

;おしまい

///

冒頭ご案内した、無償で互角にいただける
『レヱル・ロマネスク0』0~7話ののネームはこちらとなります。

よろしければどうぞご笑覧ください。

(それ以降のまとめはメンバーシップ特典です)

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【メンバーシップ限定記事のご案内】

『レヱル・ロマネスクnote』メンバーシップ『御一夜鉄道サポーターズクラブ』

にご参加いただきますと、レイルロオドたちにかかわる詳細な内部設定資料や掲示板機能などをお楽しみいただくことができます。

『レヱル・ロマネスクゼロ』の字コンテ掲載時には、その字コンテがネーム化されたもの、および推敲過程でボツになった未公開ネーム画像などがあるときには、そうしたものも公開していきたく思っております。

どうぞご参加ご検討いただけますと幸いです。

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