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「レイルロオド・マニアックス ~なこ」 &3分で読めるレイルロオドのお話「なこの内燃機関」

こんばんわ。

前回更新でWEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』
第18話『ジェネリック・レイルロオド』のネーム&自コンテを全公開いたしましたので

本日は、10月5日木曜日 25:00~ 東京MXで放送開始となりますアニメ、
『レヱル・ロマネスク2』

に登場するレイルロオドの、レイルロオドマニアックスを書いていきたく存じます。

第一回は「むむむ」でございましたので


むむむの姉妹機、D60形たちを追いやる形になった――
というか、追いやること=無煙化を目的に製造されたDD51形姉妹の一員、

DD51 75専用レイルロオド「なこ」を紹介してまいりましょう。




CV.は島袋美由利さん

なお、「むむむ」「なこ」共にASMR作品がアニメに先立ってリリースされておりますので

もしよろしければぜひぜひご試聴だけでもいただけましたら嬉しいです。

と、いうことで「なこ」。
以下に早速ご紹介させていただきます。

■ なこのプロフィール ■

<製造年> 1972年 

<出身> 陽立製作所 壬戸工場製

<所属路線> 日楠鉄道 由都線(由松 - 都野城)

<長所> 「技術は全てを革新していく」という信念の下、最新・最先端技術を希求する強い熱意を抱いている。故障知らずの頑丈さを持つ。

<短所> いわゆる「枯れた技術」に対しての敬意が表に現れづらく、むしろ軽視しているものととらえられてしまいがち。その上で、自身もまたいつか枯れた技術になることをむしろ望んでるいるフシさえあるため、結果「レイルロオドに対して冷淡」という定評を抱えてしまっている。

――新技術に対しての熱情が前面に出過ぎ、それ以外の全てに対して「冷淡」と捉えられてしまいがちな、炎と氷のディーゼル機レイルロオド、なこ。
そんななことマスターとのひとときを、本日の短いお話で書いてみたいと思います。

タイトルは「なこの内燃機関」

どなたにも無料でお楽しみいただけるお話となりますので、よろしければどうぞご笑覧いただけますと幸いです。

■なこ■
旧帝鉄DD51 75専用レイルロオド。
現所属は日楠鉄道。
一見するとクールに見えるが、最先端技術を希求する情熱は凄まじいものを持っている。

■「なこの内燃機関」■

(あらすじ)
第二回レイルロオド・サミットで出会った、仲国からやってきたレイルロオド「西瓜先生」。
その車両、東風4形が電気式ディーゼル機関車だということを知ったなこは、日ノ本での研究が進まぬその動力形式について、熱心にマスターに尋ねます。

///

「西瓜先生の東風4の、電気式ディーゼル機関――」

マスターの知識、そしてそこからの推論。
聞かせてもらえば、なこも頷かざるを得ません。

「日ノ本での研究が進まない理由が、線路――狭軌にあるのだと、なこも大いに納得しました」

電気式ディーゼル機関は、ディーゼルエンジンでモーターをまわし、そのモーターを動力源とする仕組みです。
モーターは回転数および回転方向そのものによって出力制御できるので、ギア・逆転機、推進軸を必要としません。
さらに発進時から大きなトルクを発生させることができるため、勾配が多い日ノ本の線路にも非常に有利となります。

ですけれど、しかし。

「モーターとディーゼルエンジン。その両方が必要となるため、車両重量がどうしても大きくなってしまいます。
基本的に狭軌――線路幅が制限され、しかも軟弱地盤が多い日ノ本での発展においては、そこが大きなネックとなってしまっていた可能性を、なこも否定できません」

もし、日ノ本が狭軌ではなく標準軌――より幅の広い軌間の線路を採用していたのであれば、事情はまったく違っていたのかもしれません。

「……電気式ディーゼル機関の研究は、そのままモーターのみで走る車両――すなわち電車や蓄電池式気動車の発展へとつながって可能性もあったであろうと、なこは類推します」

それが早期から実施されていたのなら、日ノ本の線路特性に対しての電車の有用性が、ずっと早くから立証されていたことでしょう。

そうなれば恐らく。
エアクラ機関の発展前に日ノ本の電化は進捗しており――

「……標準軌を仮に選択し、電気式ディーゼル機関の研究を進めていれば、大廃線は回避可能だった。
その可能性になこは思い当たってしまい、残念に感じるばかりで……え?」

今のマスターのご質問……
なこには奇妙な――意味を把握しづらいものだと感じます。

「大廃線はすでに起こってしまい、日ノ本の線路の基本は狭軌であり、電化は全くといっていいほど進まず、電気式ディーゼル機関車の研究もまったく進まなかった。
これがつまりは、いまの日ノ本の鉄路の――!!?」

口にして、ようやくなこも理解します。

『何故、残念と感じるの?』

――マスターのご質問は、言い換えるならつまり。

『残念と感じる必要はないんじゃないか?』ということなのだと。

電気式ディーゼル機関車の研究は、たしかに日ノ本では進みませんでした。
けれど、仲国において西瓜先生の東風4形姉妹は、日ノ本における8620姉妹を上回る発展を遂げたとも聞かせていただきました。

「その蓄積を学ばせていただくべく、なこは努力すればいいのですね」

そう。
かかる知識はあるいは――いえ、確実に、大廃線からの大復線の、ひとつの起点となりうるのです。

「電気式ディーゼル機関の研究を進め。
モーターやディーゼルエンジンの小型、軽量化をいつの日か果たせばよいだけです」

狭軌でも走れる電気式ディーゼル機関車――いえ、機関車よりも気動車形式の方がより日ノ本にマッチすることを、なこはすでにして確信できます。

「非電化区間をいわば蓄電池式気動車として。電化区間を電車として走行できる車両――いわばハイブリッド気動車が完成すれば、線路をつなげる”意味”が誰にも明確になります」

ノスタルジーなど歯牙にもかけぬ実用品。
最先端技術の集積物。

それはどこでも走れる列車。
狭軌でさえあれば――いいえ、フリーゲージトレイン技術をあわせもたせれば、文字通り日ノ本の全ての鉄路を。

「日ノ本全てを乗換なしに観光できる、最強最高の観光列車」

なこがもしも名付けるのなら、『暁月島(あきつしま)』。
太陽と月の出入りをいくつも繰り返し、日ノ本の端から端までを旅する列車――

「技術はやはり、全てを確信し解決します」

なこたちDD51姉妹が蒸気機関車たちを追いやる形となったあの日と同じく。
いずれ、なこたちDD51姉妹全てが、老朽機となり廃車されていくそのために。

「マスター、西瓜先生とのアポイントメントを取っていただくことは可能でしょうか?」

――どれほどささやかな知識でも。
なこは学んで、それを未来に、つないでいかねばならないのです。

;おしまい

///

いかがでしょうか?

なこについてさらに詳しいことを知りたい、と思ってくださる方がいらっしゃいましたらぜひ、
後述しますメンバーシップの特典記事となります
『なこの過去エピソード』をお読みいただけましたら幸いです。
(そちらでは、田上俊介さん画のなこの三面図、表情集もあわせご紹介させていただきます)



なお、なこの登場なども将来的に可能性ないこともないかもしれないWEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』

どなたにも無償でご確認いただける0~7話のネームはこちらとなります。

よろしければどうぞ、あわせご笑覧ください。

(それ以降のまとめはメンバーシップ特典です)

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【メンバーシップ限定記事のご案内】

『レヱル・ロマネスクnote』メンバーシップ『御一夜鉄道サポーターズクラブ』

にご参加いただきますと、レイルロオドたちにかかわる詳細な内部設定資料や掲示板機能などをお楽しみいただくことができます。

『レヱル・ロマネスクゼロ』の字コンテ掲載時には、その字コンテがネーム化されたもの、および推敲過程でボツになった未公開ネーム画像などがあるときには、そうしたものも公開していきたく思っております。

どうぞご参加ご検討いただけますと幸いです。

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