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なこの過去エピソード

■なこの過去エピソード■

デゴイチキラー――D51形を廃車へと追い込む者たち。
それが、なこたちDD51形に与えられた異名――というか、蔑称でした。

山間部では火災の原因となりかねず、都市部では煙害を招いてしまう蒸気機関車たち。
それを全て撤廃し、より安全・高効率なディーゼル機関車たちへと置き換える。

いわゆる「無煙化」を実現するために誕生したDD51姉妹たちにとって、その異名はむしろ誇るべきものとなるはずでしたが、鉄道ファンたちの捉え方は、まったくの逆方向へといってしまったのです。

「なんの風情もない機械の塊」

DD51形を始めとするディーゼル機関車たちはそのように蔑まれ。

D51形に代表される蒸気機関車たちは

「最も生物に近い、人間味あふれる機械」

とされ、愛されました。

人間を模して作られ。
けれど決して人間にはなれず、人間として扱われることもない機械――
レイルロオド。

彼女たちにとって「人間味」という言葉の持つ影響力は、人間が想像するよりもずっと大きく――ほとんど呪縛と呼びたくなるほどの力を発揮しさえします。

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