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インレタの貼り方(仮)

ハウツー的な記事がなかったのでインレタの貼り方的な記事を書きました。
本稿を元にした失敗や損害については一切保証致しませんので、参考程度にお目通し下さい。
インレタと言っても今回のようなある程度まとまった形状のもの、車番インレタ、メタリックインレタ、フルカラーインレタなど多岐に渡りますが基本はどれも一緒です。

用意するもの

  • 貼りたいインレタ

  • 貼る対象物の模型

  • 工作用のカッター(刃先が30度のものか、アートナイフがお勧め)

  • ウェットティッシュ(ノンアルコール)、キムワイプ

  • 蛍光ペン

  • バーニシャー(つまようじでも可)

  • フィニッシュマスター

  • クリア塗料もしくは車両収納サイズのポリ袋

ざっくりいうと(時間がない人向け)

  • 不要なコマで試す(過信は禁物)

  • そのまま貼るのはダメ

  • カットして貼って下さい

  • 車番などの文字以外はカッターでそいで貼ってもいいかも

  • バーニシャーで転写

  • インレタの裏紙を当てて圧着させる、フィニッシュマスターで圧着させる。

  • 保護はポリ袋に個別に入れておいて

インレタを貼ってみる

TOMIX製のNゲージ北斗星を持っているのですが、北斗星に限らずTOMIX製の寝台車両はドア上の「B寝台」とか「A寝台」とか書かれた表記がなくて少しさみしいです。
そこで世田谷総合車輌センターの品番973 寝台客車扉上表記というインレタを用意して貼ってみたいと思います。
まず対象物の模型についた脂をノンアルコールのウェットティッシュで落として下さい。そしてキムワイプで水分をしっかり取って下さい。新品の模型でも離型剤、研磨剤、組み立てたスタッフの方や店舗の方の指紋など、インレタの糊に影響が出る脂分がついている場合があります。

貼りたい表記、所有する模型に是非欲しいと思った表記を蛍光ペンで色を付けます。そして裏返してカットします。

裏返して、さっき蛍光ペンでマーキングした部分をカットします。別に1コマ1コマ切る必要はないです。必要な分を縦1列ないしは横1列でも構いません。カットする際には指先に気をつけて!

テープで仮止めし、バーニシャーかつまようじで上から優しく擦って転写します。

最近の模型は印刷被膜が弱いので仮止め用のテープで剥がれてしまう場合があります。そのためテープの粘着力を指で少し落としています。指紋が写って汚くてすみません(汗)仮止めの際も必要以上にボディに接着しない工夫も必要でしょう。

あとおすすめなのが、裏返した状態でカッターでそいでしまう方法です。ピンポイントで貼れます。コツが必要なので不要なコマで必ず試してからやって下さい。「A・B寝台」の表記がいいですよね。この方法はインレタを裏返したときに、●、■、▲のようにある程度まとまったシルエットの場合にのみ有効で、車番インレタや所属標記インレタなど文字のものには基本的に使えません。

ここで疑問に思った方もいらっしゃるかもしれません。インレタはそのまま転写できないの?と。

TOMIX製のこの北斗星の説明書にも付属の転写シートに関してはそのまま転写するように指示されています。しかし、この方法はお勧めしておりません。力が分散し、転写の際に歪んだり欠けたりする場合があるからです。人間の腕が3~4本あればいいのですが、そういうわけにはいかないので。
TOMIX製付属の転写シートは「リアルさ」よりも、「力が分散しても転写できる事」を優先し、あまり実感的ではない透明層が文字の下に含まれています。TOMIX製品に含まれる転写シートとは基本的に別物であるとお考え下さい

インレタが貼れたらボディに圧着させます。ガイアノーツから出ているフィニッシュマスターという先がウレタンになっている綿棒のようなものがお勧めです。元々はスミ入れ用の不要塗料を拭い去るものですが、人間の指みたいに程よい硬さを備えている一方で綿棒のような毛羽立ちや、指のように脂が付着する事がないので便利です。

今回は貼り付け箇所がHゴム表現で入り込むような形なのでフィニッシュマスター推しでいきましたが、インレタの裏紙をあてがってバーニシャーもしくはつまようじで圧着するのもセオリー通りです。

完成

貼れました!

こうしてみると、北の大地に向かう寝台特急が上野から毎日出ていた事が当たり前だった日々を思い出します。ああ、あの日常は贅沢なものであったのだ、と。。。
485系由来のスシや、そもそも旅客が乗れないカニにドア上表示を貼れないのがおもしろくありませんね。
貼ると面白くなってどんどん進めたくなりますが、ご自身の集中力と相談して少しずつ進めていくのがコツです。

表面保護

表面保護についてはMr.カラー46番やGMカラーの40番を使い、エアブラシで薄く塗布します。缶スプレーは塗布量が多いのでお勧めしておりません。
ただ、現実問題としてドア上のほんの一箇所にインレタを貼っただけで車体全体をコーティングしなくてはならないのか?という話もあろうかと思います。書いている私も全面ラッピングなら必ずクリアコーティングしますが、正直この程度でクリアは吹きません。ただ、車両ケースに収納せず常に外気に触れる展示をするとかでしたら必要でしょう。

総武線浅草橋駅前にあるシモジマというお店で売っているポリ袋が安くてよいかと思います。秋葉原の隣の駅です。石油高物価高でお値段がじゃんじゃん上がっていますがコレを書いている時点で100枚入ってたった55円です。0.02ミリの場合がこれで、少し厚手の0.03ミリでも99円です(2023/6現在)
これ1つ買うのに通販はちょっと。。。という場合には普段遣いの文房具、それこそカッターとか合わせて買うと良いと思います。また、フランチャイズのお店が全国各地にあります。
https://shimojima.jp/shop/pages/storesearch.aspx

コレにつつんで畳んで車両ケースに入れておけば、いい感じに保護となります。

終わりに

本稿で示したのはあくまでも一つの例示です。幾多にもわたる犠牲の上で、100%ではないけれど総じてまあ失敗しない、仕上がりが美しくなるのではないか、そこそこスピード感をもってこなせる、という合理的な方法を挙げております。

読み進めていくうちに「ページには〇〇と書いてあるけど△△はどうだろう?」という疑問が湧いてくる場合もあるかと思います。その場合は是非ご自身で試して下さい。うまくいけばそれを続けていけば良いと思いますし、失敗したらこのページに戻って基本に忠実になされるのがよろしいかと思っております。
これが列車の乗務員とかですと、人の命や多額の経費がかかっていますので「会社が指示した基本動作を忠実に励行されること」などが求められますが、所詮鉄道模型という趣味のはなしであり、カッターで怪我するとか有機溶剤中毒になるとかを除けば人の命に関わる話でもないので、気楽におやりになるのが良いと思います。

素敵な模型ライフを♪

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