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“Distortion” 叫び響き合う先の世界へ――Aぇ! group「Gotta Be」× DOLLCHESTRA「Sparkly Spot」

こんにちは。かみなりひめです。

まずはこの話からいかねばなりませぬ。

Aぇ! group 2nd Single
『Gotta Be』
発売おめでとうございます!

また新人さんからCDをいただきつつ、
レコーディングミュージシャンを確認しまして
自分では限定版Cを買いに行きました。
大西省吾さん‥‥「悦楽カメリア」をありがとう。

(お姉様たちのなかで撮ってきました)

さっそくガンガン聴いているのですが、
表題曲「Gotta Be」の力強さたるやさすがです。
サビ前の静けさからの「響け」の迫力よ。

ここまで険しい道をたくさん歩んできたことを
思わせるような気迫を感じる魂の歌声に耳も満足。

さて、シャッフルで次に流れてきた曲を聴き、
サビまで来ると、ある単語が耳に止まりました。

その語こそ、今回のテーマであるこの単語。

Distortion (ディストーション)


1. Distortion――夢を叫ぶメロディー

「Gotta Be」の中に登場するこの単語。
曲中での使われ方を確認しながら、歌詞に
着目してその意味を見てゆきましょう。

響け、Distortion
遠吠えの歌が
確かに聴こえたぞ
名も無き者の叫びよ
止めどなく 夜を突き刺せ!

Aぇ! group「Gotta Be」

ラスサビに入るとこの部分が
「遠吠えの歌が 未来(あした)を変えるだろう」に
変わる点もなかなかエモをくすぐります。

さて、この「Distortion」に迫るべく、
曲中にて「響け」という語の後に登場する
ワードを拾い上げてみました。

まずは、曲のクライマックス。

名も無き夢を歌ってよ
止めどなく響け、Melody!
夢すらも超え、”Wanna Be!!”

Aぇ! group「Gotta Be」

前掲した歌詞にも「遠吠えの歌」とあり、
「Distortion」が歌やメロディーを指すことは
どうも間違いなさそうです。

しかも、「Gotta Be」の描く世界観を見れば、
それは「夢へと届き、夢を超えるための歌」
であるのです。

モノを知ったような顔で夢を否定する者たち。
でも、その先に道が見えないとも限らない。
夢を語り始めた段階では「空言」かもしれないが、
語っていくうちにそれは「正夢」を超えていく。

Aぇ! groupにおける「夢を語る」手段とは、
「終わりなき歌を歌う」ことであるわけです。
楽譜に刻んできた想いを紡ぎ、5人の個性を合わせ、
マイクからファンの耳に届かせるメロディー。

そして、
いつかはその「夢」すらも超越した存在に
自分たちがなっていこうと希求して、
力強く、泥臭く進んでいくことを歌いあげます。

ここで彼らが歌う「終わりなき歌」こそが、
「Distortion」の意味するモノであるでしょう。

「Distortion」=彼らが歌う「終わりなき歌」と
断言するに足りる歌詞は他にもあります。

ABCDEFG, ♭#mM
一切合切織り込んで
壮大なTRY、絶対なTRACK
Good Luck for You
そう極楽 Music and U?
Rock, Punk, Funk, Jazz, Hip-Hop
混ぜ合わせ、選びとったこの一歩
マイクロフォン to Your ヘッドフォンにON
響け、不協和音のような協和音

Aぇ! group「Gotta Be」

5人の様々な背景を思わせるこの歌詞の中に、
「響け」という共通した言葉の後に続くのは、
「不協和音のような協和音」でした。

一見、これだけ多様な背景を持つ5人の歌声は、
調和せずに「不協和音」になりそうなモノ。
でも、Aぇ! groupはそれすらもハーモニーに
変えて、「協和音」をもたらしてしまいます。

そもそも、「Distortion」という単語自体、
「ゆがみ」「真実の歪曲」などの意のほかに、
「音像などのゆがみ・ひずみ」を指します。

ギターのひずんだサウンドなどに対して、
「Distortion」と称されることが多いですね。

ゆえに、曲中で「不協和音のような協和音」が
「Distortion」と並び立つことは、語義的にも
なんら不思議なことではないわけです。

ここまでまとめると、
「Gotta Be」における「Distortion」とは、
Aぇ! groupの5人が「夢」「運命」を超えんと
して歌い続けるメロディーのことを指すのだ、
と言えるのではないでしょうか。

2. ディストーション――本音を届ける叫び

さて一方のDOLLCHESTRA。
「Sparkly Spot」でも「ディストーション」が
しっかりと歌われています。
歌詞の世界に注目して紐解きましょう。

天秤にかけた本当の声が
覚悟を飾るディストーション
錆びない鼓動を 止めないで もっと
一緒に見たい 信じた世界

DOLLCHESTRA「Sparkly Spot」

こちらは先ほどよりは明確なつくり。
「本当の声」=「ディストーション」であると
ハッキリと示されています。

ここでいう「本当の声」とは、
自分の言い訳や周囲の雑音に紛れがちな
自己の内にある本音のことを指しています。

後悔や言い訳にまみれて曇った心。
自分の選択が正解なのかは誰も知らない。
であるならば、自分の心の声に素直になって、
自分の気持ちを叫んでしまえばいい。

その叫びこそが「ディストーション」です。

そのことに気づいたとき、
この歌詞の世界は大きく動き出します。

だんだんと聞こえ始めてきた、
自分の胸に隠した本当の気持ち。
「変わる時だ」そう確信したとき、
次の言葉が大きな意味を持ってきます。

「決めるのは自分だ。」

(ここなちゃん‥‥)

103期では村野さやかが、
継承された104期では徒町小鈴が、
このセリフを叫んでくれます。最高です。

「こっちにしようかな」「でもあっちかな」
自分の本当の声を覆い隠してしまう「天秤」と
決別し、自分の「閉ざした扉」を開けるのです。

ラスサビにきて、「ディストーション」と
称されていたものは「オーバードライブ」と
歌詞では記されています。

これはいわゆる「過負荷」の状態で、
出力される音がゆがんでいる状態を指します。
いわば「ディストーション」からパワーアップ
した状態の叫びであるでしょう。

そして、二つの光は交じり合い、
新たな輝きを示すひとつの地点へとなる。
それこそがDOLLCHESTRAなのでした。

3. Distortion × ディストーション

 さて、まったく違うジャンルの曲の歌詞から、
共通の単語「Distortion(ディストーション)」を
抜き出してそれぞれ語ってみました。

これらを重ね合わせて考えてみると、
「Distortion(ディストーション)」とは、
「本当の自分たちを目指す叫び」であると
結論付けることができるでしょう。

いっぽうでそれは自分たちの「夢」であり、
かたや自分の心に眠る「本当の気持ち」。

まさかこんなかたちで、自分が好きな音楽が
交じり合うとは思ってませんでした。

またひとつ、
Aぇ! groupもDOLLCHESTRAも
好きになれたような気がいたします。

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