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「政治について話したくない」側の意見 | コミュニケーションを自省する *耳痛め


本題に入る前に、私のスタンスをはっきりさせておこう。

私は政治の話題は基本好きではない…より正確には好きよりの嫌い(詳しくは後で述べます)で、
私の態度をパッとみた人は、いわゆる『政治の話をしづらい風潮』を作り出している人間の1人とみなすだろう。

本当は違うんだけど、

まあ、誰かを不快にさせたとしても、そういう人間からの意見があってもいいかもなと思い、これを書くことにした。
なんかの参考か、見つめ直しのきっかけにしてくれたら嬉しいです。


ーーー


結論から言うと、

政治について話すのは大事なことだ。

個人の好き嫌い---したい・したくないに関わらず、大人ならできた方がいいし、やはりしたくなる世の中が理想だ。

社会集団の一員として、
あとの世代へ(半強制的に)受け継がせるシステムの管理者として、
そのルールや構造を責任を持って把握するのが大事であることくらいはさすがにわたしも理解していて、

他人と政治の話はしないが、選挙前にはそれなりに情報を集めて候補を決めた上で投票へ行っている。めんどくさいけどね。

ポイントはここだ。情報収集、情報交換。

一昔前、それはマスメディアのバイアスだらけの報道や近場の熱意ある人間---親や友人や上司などと、口頭で---時には喧嘩腰で---「やらざるを得ない」ものだった。

けれども、現在はすべてネットで完結できる。わざわざ熱い議論を「自分の身で」やる必要がもうないのだ。

特に私は情報リテラシーにはそれなりの自信があるし、自分一人の票を決めるだけならその程度の労力が割に合っている。

「でも、血の通ったリアルの議論が一番だろ!」という意見には、どちらかといえば賛成だ。

大抵はひとりで考えるより誰かと話す方が展望あるし、

ネッ友もいいけどやっぱりリア友が欲しいし、

二次元の推しに恋するのもいいけどリアルのロマンスほど期待値の高いものはない。

(いろんな意見があっていいが)私はそういうスタンスだ。



にもかかわらず、どうして政治の話は嫌なのか?

答えはとてもシンプルだ。


政治の話をしたくないんじゃなくて、
「お前とは」政治の話をしたくない。



ーーー


ごめん。ひどいこと言ってる自覚はある(だからこそ私は人と関わりたくない)…

でも、これがすべてだ。


「話したくないか、話してもいいか」は、
「議論したがりな人か、対話したがりな人か」
という尺度で振り分けているのだが*、

*議論と対話の違いについて後日に別途で書きます


振り分けるにも多少の会話は必要でそれなりの精神コストがかかるし、正面きって「今お前とはその話したくない」というシンプル拒否をぶつけれるほどメンタル強くもないから、

「適当にかわすか、そもそも距離を置く」

と、コスパよくリスク回避している次第だ。



…政治の話を「好きよりの嫌い」と述べたのは、

「この人は事実とバイアスの分別がついてる」
「政治というトピックを自分の不満の捌け口でなくちゃんと全体や将来のためのシステムと捉えている」
「この人なら無知で幼稚な自分の視点も受け止めてフラットに導いてくれる」

など「いくつかの期待値をクリアしてくれる人とは喜んで対話したい」という意味で、

そういう人はごく少数だが、ちゃんといる…「関心がない」でも「執着している」でもなく「こちらのレベルに合わせてくれる」、尊敬すべきアタリの包容力を持つ人が。


それなりに傲慢な私ですら、そういうことを考える。

であればもっと気弱で社会全体のことよくわからない人が「知的で議論したがりな奴」の前でどれほど怯え緊張するか、
軽い気持ちで「日本人は議論が足りない、もっと議論すべき」などと正論で殴ってくる人間はその辺の想像力が足りていないようだが。


ーーー


「なんでこっちがそこまで気遣わなきゃいけないんだ、お前らが先に変われよ」と思う人も多いだろう。

それもすごくわかる。
確かにこちらにはこちらの課題があるし(人間不信すぎとかね…)私も「こんな文章をリリースした以上、俺自身がアタリとなることだ」という義務感が若干発生してしまって気が重い。


それでもあえて言うが、

外に厳しく改善を求めたいのなら、同時に自身の内側やアウトプットの仕方も厳しく改善し続ける人であらねばならない。

泣きながらでも、怒り狂ってても、
絶望しても、人に迷惑かけても。

そうでなければ、自分より無知で怖くて動けないだけの人を「自分はできるけど、なんでできないの?やり方わかんない?それぐらい自分で考えなよ」と見下す人と、やってることは大して変わらなくなる。
現状を受け入れてひとりで淡々と生きてる人の方がまだマシというものだ。


…店舗に行く手間も店員さんと会話する手間もすべてスキップして、スマホのタップ1つで欲しいものが翌日届くこの時代に、

現実で人と関わるためだけに自分の自信のなさや恐怖や闇を泣いて克服しなくても、ラクにポルノや擬似パートナーが作れるこの時代に、

有名人や偉い人とコネクションなんか持たずとも【有料級】とついた無料の動画で知識やバイアスを無限に聞き流しできるこの時代に、

それなりの緊張、恐怖、精神コストを支払ってでもあなたと政治の話をしたいと思えるほど、あなたの意見はフラットで、独自性があって、包容力がアタリレベルと言えるのだろうか。 

本当に?


…というところを見つめ直せるぐらい厳しくて優しい心の持ち主が相手だったら、めっちゃ政治の話でもなんでも、マジリスペクトで一晩中聞かせていただきたいです。


ーーー

…うん。
推敲で読み返してみたが、やっぱり不快だ。
罰としてやはり、俺自身がアタリとなるほかないでしょう。



最後まで読んでくれてありがとね。

おわり。

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