政治家は「公約」を守ろう


選挙の時、候補者はさまざまな「公約」を掲げて戦う。その公約が所属政党の政策と異なっていたとしても、一般受けのよい言葉を並べて「当選したら公約を必ず実現する」と熱く語る。有権者は「おらが先生」の実行力に期待して一票を投ずる。

しかし実際には、所属政党の方針に反してまで、「公約」に忠実であろうとする政治家はいないようだ。「公約は票を釣り上げるための撒き餌」なのか、「公約は破るため」にあるのか。そういえば、森内閣の野中自民党幹事長は「党の政策に反対してでも、選挙を勝ち上がって来い」と激励した。わが国で、「公約」に期待して投票するのは青臭く、大人の投票行動ではないのかもしれない。

政治家に「公約と違うのではないか」と詰問してみたことがある。「議論の末決まったことであり、それに従うのが民主主義」、「本当は反対だけと党議拘束があるから」、そして、「それが政治というものでしょ」。もっとも、有権者も政治家の「公約」なんて覚えていない。だから、公約違反にペナルティは無い。

「本当にこれで良いのだろうか」。

「政治家がうそをつくのは当たり前」であっては、議員や政党への信頼は生まれない。知名度のある候補が、政党の支援を受けないからこそ当選することになる。だから「党議拘束」を禁止するのも良いかもしれない。

本来「公約」は、「私の所属する政党の政策はこうです。政権をとったときは、この政策を実現します」とするべきではないか。もし、ある政策に反対の場合は「私は所属政党のこの政策には反対です。当選したら、変えさせるように努力します。」と。これが、本当の政策だし、政党政治だろう。

そういえば、イギリスの選挙では、候補者はこのように「公約」を掲げていた。そうしないと有権者がうるさいのだという。

ああ、結局は有権者に戻ってくる。

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