春野

音楽と小説を愛しています。

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最近の記事

角部屋にて

エアコンの音が明瞭に聴こえてしまう夜は危ない。その音に耳を澄ましながら、自分があらぬ方向へ沈んでいく感覚がして、焦ってくだらないドラマを見る。永遠と見続け、休日を消費してしまう。 砂漠みたいな寂寥感にどう対処したら良いのか分からないから、とりあえず何かをアウトプットする。歌を歌う、ライブをする。そうすることで、誰かが笑ったり話し掛けてくれたりする。それと同時に、誰かが嗤ったり嫌ったりする。 それでいい、とか言えない私は、毎日そういう、あらゆる人の声に追い詰められる。 昨日、心

    • 音楽でご飯が食べたい。

      縁もゆかりもない、その上何も無い田舎の無人駅の階段に座り込んで文庫本を読んでいた。真新しい汗が染みを作ったので、暑さに腹が立って本を閉じてしまった。 実家に帰りたいが、節約のために山の中を走るような類の路線に乗り込んだ。 大学3年の夏、1つもインターンに行かないまま、9月が終わりそう。かろうじて教員免許の取れるコースに居ることに甘んじて、何となく教師になろうとしている。どっしりと腰を据えた眼差しで、「就活してる?」と聞いてくる、「就活している」友達の目をしっかり見て、「私は

    角部屋にて